日本原子力研究開発機構(JAEA)と高エネルギー加速器研究機構(KEK)の共同研究グループは、エネルギー回収型リニアック(ERL)において、電子ビームとレーザービームを微小スポットで、1秒間に1.625億回という非常に高い頻度で衝突させる(高繰り返しで衝突させる)ことで、エネルギーのそろったX線ビームの生成に成功した。
これにより、核セキュリティ分野におけるあらゆる核物質の非破壊検知・測定を可能にする大強度ガンマ線源(目標強度 1013 ph/s)や、生体細胞の高分解能イメージングのための高輝度小型X線源(目標ピーク輝度1019 ph/sec/mm2/mrad2/0.1%BW)といった、新たな計測・観察ツールとしての次世代光源へ道を開いた。
レーザー・コンプトン散乱(LCS)は、電子とレーザーの衝突確率が小さいために、LCSによるX線~ガンマ線源の実用化には、電子ビームとレーザービームを高密度かつ高繰り返しで衝突させる技術が必要とされてきた。