“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「進化を超える進化」(ガイア・ヴィンス著/文藝春秋)

2022-06-23 09:35:35 |    生物・医学



<新刊情報>




書名:進化を超える進化~サピエンスに人類を超越させた4つの秘密~

著者:ガイア・ヴィンス

訳者:野中香方子

発行:文藝春秋

 元「ネイチャー」誌編集者が贈る、かつてない人類史。人間はどこから来て、どこへゆくのか?この古くて新しい問いに答えようとする新たなる名著が誕生した。著者はいう。並はずれた種である人類は、いま超生命体になりつつある、と。その超生命体=ホモ・オムニス(集合性人類)とは何者なのか?同書は宇宙の誕生から説き起こし、人類という種がいかにして自分たちを変え、自然との関係を変えてきたかを語りつくす。その語り口は、自然科学と人文科学が融合した、現代ならでは知見を縦横無尽に往来する、ビッグ・サイエンスにしてビッグ・ヒストリーといえる。人間をここまで変えてきた進化、なかんずく文化の進化がいかになされたのか。著者は4つの要素がそれを推し進めたのだという。火。言葉。美。時間。この4つの要素と人類の物語は新鮮な驚きに満ち、今まで気づかなかった人間観を与えてくれる。そして、生物進化を超えた文化進化の先には「超人類」の姿が見えてくる……。2020年の英国王立協会(世界最古のもっとも権威ある学会)サイエンス・ブック賞最終候補作。科学本の垣根を超え、知的刺激を求めるあらゆる読者に贈る、待望の邦訳。
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●科学技術ニュース●IHI、世界初、液体アンモニア100%燃焼によるガスタービンでCO₂フリー発電を達成

2022-06-23 09:35:00 |    ★炭素ニュース★
 IHIは、このたび、2,000kW級ガスタービンで液体アンモニアのみを燃料とするCO₂フリー発電を実現し、燃焼時に発生する温室効果ガスを99%以上削減することに成功した。

 アンモニア(NH₃)は,炭素(C)を含まないことから,燃焼時にCO₂を排出しない燃料として,既存発電設備で利用することが可能。IHIで取り組んでいる、ガスタービンの燃焼器内に液体アンモニアを直接噴霧する燃焼方式は、貯蔵タンクからガスタービンまでの供給システムの簡素化や制御性向上など、社会実装に向けた利点を有する。

 一方で,液体アンモニアは,天然ガスやアンモニアガスよりも燃焼性が低く燃えにくいため、アンモニア混焼率を高めた際、安定的なアンモニア燃焼と排気ガス中の温室効果ガスの排出抑制が課題となる。これまでは70%を超える高いアンモニア混焼率での運転時に、温室効果ガスの一種であり、CO₂の約300倍の温室効果を持つ亜酸化窒素(N₂O)が発生し、CO₂排出量を削減できても温室効果ガス削減にはつながらないことが課題となっていた。

 このたび、IHI横浜事業所の2,000kW級ガスタービンに、新たに開発した燃焼器を搭載して試験を実施した結果、70~100%の高いアンモニア混焼率でも温室効果ガス削減率99%以上を達成し、液体アンモニアのみの燃焼で2,000kWの発電ができることを実証した。

 今後の開発では、さらにNOxを削減していくとともに運用性の向上や、長時間の耐久性評価を行い、2025年の液体アンモニア100%燃焼ガスタービン実用化に向けた取り組みを進めていく。<IHI>
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●科学技術ニュース●NEDOなど、「自律運航AI」を搭載したドローンを用いて荷物配送を行う実証実験を実施

2022-06-23 09:34:23 |    輸送機器工学
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は「人工知能技術適用によるスマート社会の実現」でサイバー・フィジカル研究拠点間連携による革新的ドローンAI技術の研究開発プロジェクトに取り組んでいるが、今回、物流分野での実証実験を担当するNEDO、東京大学、イームズロボティクスは、佐川急便の協力のもと、「自律運航AI」を搭載したドローン(AIドローン)を用いて荷物を配送する実証実験を実施した。

 同実証では、ドローンに搭載したAIが飛行中に人を検出した場合に自動で一旦停止し、人がいなくなれば自動的に飛行を再開する機能や、地上の人や建物への衝突リスクが低い飛行ルートを自動で生成する機能を確認した。

 また、荷物配送を終えた復路では、AIドローンが地理空間情報から住宅や道路などのリスクの高いエリアを判別することにより、柚木公会堂からの飛行前にリスクの高いエリアを回避する最適なルートを生成したことを確認した。その後AIドローンは飛行ルート通りに佐川急便相馬営業所まで約7分で飛行した。

 同プロジェクトでNEDO、東京大学、イームズロボティクスは、佐川急便ほかの協力のもと、2022年12月をめどに予定されているレベル4実現に向け、同実証実験で得た知見を基に、南相馬市などでさらなる飛行実績を蓄積するとともに、安全な飛行技術の研究開発を進める。これにより、レベル4環境下の物流現場でAIドローンが利用される社会を目指す。<新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「二酸化炭素有効利用技術」(エヌ・ティー・エス)

2022-06-23 09:33:35 |    化学



<新刊情報>



書名:二酸化炭素有効利用技術~DACから物質合成、産業利用まで~

発行:エヌ・ティー・エス

 ・二酸化炭素回収のためのDAC、活用のための触媒開発について解説・二酸化炭素を有効な資源や材料にするための最新技術を詳解・藻類を利用した燃料開発やe-fuelなど注目技術も紹介・二酸化炭素の排出量を算定するライフサイクルアセスメントも紹介【目次】序論 二酸化炭素における有効利用技術の概要と展望 (序論のみブラウザ上で試し読み可能)/第1編 ダイレクトエアキャプチャー(DAC) 第2章 IHIにおけるDAC装置開発 第3章 DACおよび回収二酸化炭素の有効利用による炭素循環社会モデルの構築/第2編 二酸化炭素からの物質合成 第1章 二酸化炭素を活用するための触媒開発 第2章 ギ酸の生成 第3章 一酸化炭素の生成 第4章 メタンの合成 第5章 有機材料の開発 第6章 無機材料の開発/第3編 二酸化炭素の産業への有効利用 第1章 二酸化炭素の貯留・産業利用と環境省の取り組み 第2章 二酸化炭素の直接利用 第3章 藻類と燃料技術 第4章 燃料開発 第5章 二酸化炭素のライフサイクルアセスメント計算
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