“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「教養としてのコンピューターサイエンス講義<第2版>」(ブライアン・カーニハン著/日経BP)

2022-06-07 09:38:03 |    情報工学



<新刊情報>



書名:教養としてのコンピューターサイエンス講義<第2版>~今こそ知っておくべき「デジタル世界」の基礎知識~

著者:ブライアン・カーニハン

訳者:酒匂 寛

解説:坂村 健

発行:日経BP

 私たちの身の回りには、情報機器があふれている。そうした機器を使いこなしてデジタル社会をよりよく生きるためには、コンピューターやソフトウェア、インターネット、さらにはデータに関する知識が欠かせない。同書は、パソコンやスマホをはじめとするコンピューターや、ネット、ウェブサイトがなぜ動くのか、データの扱いを含めどう安全に使いこなせばいいのかを、理系・文系を問わない「一般の人」を対象に、イチからやさしく伝える。著者は、伝説的な計算機科学者であるブライアン・カーニハン先生。プログラミング言語の歴史的名著「プログラミング言語C」(通称: K&R本)を書いた人でもある。そう聞くと「同書は難しいかも」と思われるかもしれないが、心配はない。カーニハン先生がプリンストン大学で一般人向けに行っている講義に基づいているので、理系ではない人にとっても分かりやすく平易に書いてある。グーグル元CEOのエリック・シュミット氏が「地球上の誰もが読むべきだ」と激賞する1冊で、コンピューターとネットの仕組みをざっくり学び、デジタル社会をもっともっと楽しもう。
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●科学技術ニュース●スパコン「富岳」、HPCG、Graph500にて5期連続世界第1位を獲得

2022-06-07 09:37:27 |    情報工学
 理化学研究所(理研)と富士通株が共同開発し、2021年3月に共用(本格稼働)を開始したスーパーコンピュータ「富岳」は、世界のスーパーコンピュータに関するランキングの「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」と「Graph500」において5期連続の世界第1位を獲得した。また「TOP500」と「HPL-AI」についてはそれぞれ第2位’。この結果は「富岳」のフルスペック(432筐体、158,976ノード)によるもの。「TOP500」の第1位は米「フロンティア」(AMDとCRAYの共同開発機でオークリッジ国立研究所に納入)。

 「HPCG」と「Graph500」の5期連続での第1位獲得と、「TOP500」と「HPL-AI」の第2位は、今なお「富岳」の世界最高の総合的な性能を示すものであり、新たな価値を生み出す超スマート社会の実現を目指すSociety 5.0において、シミュレーションによる社会的課題の解決やAI開発および情報の流通や処理に関する技術開発を加速するためのHPCインフラとして、「富岳」が十分に機能することを実証するもの。

 「富岳」は2021年3月9日に共用を開始し、文部科学省の成果創出加速プログラムでの本格的利用や、一般公募で採択された一般・若手課題、有償利用を含めた産業利用課題、国の重要課題として政策的必要性に基づく利用など、その性能を踏まえた本格的な利用が具体的に行われている。今後、これらの利用における卓越した成果創出が期待されるとともに、理研と富士通は「富岳」の運用・高度化を担う立場から積極的に貢献する。<富士通>
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●科学技術ニュース●産総研といすゞ自動車、観光バスの実車両を用いてエアロゾル粒子の低減効果を実証

2022-06-07 09:36:41 |    生物・医学
 産業技術総合研究所(産総研)新型コロナウイルス感染リスク計測評価研究ラボ 篠原 直秀 主任研究員、内藤 航 副ラボ長といすゞ自動車シニアエキスパート 達 晃一 博士(産総研安全科学研究部門リスク評価戦略グループ付 外来研究員)は、日本自動車工業会と連携し、神奈中観光、日野自動車、三菱ふそうトラック・バスの協力のもと、観光バスの空調システムにエアロゾルフィルター(中性能フィルター)を導入することによるエアロゾル粒子の低減効果を検証した。

 観光バスの空調システムの条件の違いによる換気効果を評価した結果、停車状態において、内気循環モードでは1時間当たり数回程度、外気導入モードでは1時間当たり10回程度以上の換気回数が確保されていることを確認した。

 観光バスの実車両を用いて、感染低減策としてのエアロゾルフィルターの導入効果を計測した結果、窓開けと同等のエアロゾルの低減効果が得られることがわかった。

 これらの知見は、窓開けや外気導入ができないなどの状況下において、エアロゾルフィルターの導入が感染低減策として有効であることを示す貴重な情報である。

 同研究では、観光バスおけるエアロゾルフィルター導入が、車内に漂う飛沫核などの微小粒子の低減に一定の効果があることを示した。このことは、観光バスの利用者に対する感染予防対策として、エアロゾルフィルターの導入が有効であることを意味している。

 今後は、飛沫感染・接触感染も含めた感染対策に関わる観光バス車内における試験・評価を実施する予定。また、感染対策に加えて、バス車内における安全・安心と快適性の実現に向けて、VOC(揮発性有機化合物)・粒子・におい・温熱環境などの見える化技術の開発・評価の研究を日本自動車工業会などと協力して実施していきたいと考えている。<産業技術総合研究所(産総研)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「サイバーセキュリティ入門<第2版>」(羽室 英太郎著/慶應義塾大学出版会)

2022-06-07 09:35:42 |    情報工学



<新刊情報>



書名:サイバーセキュリティ入門<第2版>~図解×Q&A~

著者:羽室 英太郎

発行:慶應義塾大学出版会

 新型コロナにより、サイバーセキュリティの考え方は大きく変わった。これから、個人や家庭、企業や組織のセキュリティ管理を的確に行うためには何が必要なのか?企業のセキュリティ部門担当者から、一般のユーザーまで、すべての立場の方を対象に、Q&Aと豊富なイラストで、押さえておくべきセキュリティのポイントと基本を視覚的に理解しながらやさしく解説。
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