“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「緯度を測った男たち」(ニコラス・クレーン著/原書房)

2022-06-16 09:33:56 |    宇宙・地球



<新刊情報>



書名:緯度を測った男たち~18世紀、世界初の国際科学遠征隊の記録~

著者:ニコラス・クレーン

訳者:上京 恵

発行:原書房

 1735年から、赤道での地球の緯度1度当たりの子午線弧を計測するために赤道へ向かったフランス科学アカデミーの遠征隊。困難をくぐりぬけ、壮大な実験を行った、世界初の国際的な科学遠征隊のおどろくべき冒険の記録。
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●科学技術ニュース●NTTデータ経営研究所とShure、共同でWEB会議における疲労感の原因の実証実験を実施

2022-06-16 09:33:15 |    情報工学
 NTTデータ経営研究所のニューロイノベーションユニットと業界を牽引するオーディオ機器のグローバル企業のShureの日本法人、シュア・ジャパンは共同で、オンライン会議で行き交うデジタル音声の音質の違いがもたらす生体ストレス反応への影響を検証する実証実験を実施し、その結果および考察をホワイトペーパーにまとめた(同ホワイトペーパーは、Webサイトより無料でダウンロード可能)。

 ホワイトペーパー(無料):「Web会議の音質が、従業員のストレスを招く~会議音質の違いによる生体ストレス反応への影響を検証した実証実験とその考察~」https://effortless.shure.com/ja/content-hub/posts/stress-verification/ 

 新型コロナウイルス感染症の拡大によって新しい働き方への変更を余儀なくされ、オンライン会議が日常となっている。しかし「対面で会議をするよりも疲れる」「オンラインで参加すると内容が理解しにくい」という声は、あらゆるビジネスシーンで見受けられる。

 このたび、NTTデータ経営研究所のニューロイノベーションユニットとシュア・ジャパンは、常態化している日々の「疲労感」や「会議内容の理解不足への不安感」の要因解明に向け「オンライン会議の音質が生体ストレス反応に与える違い」を検証した。

 実証実験の結果として確認された主な影響は、以下のとおり。

1.音質が悪い会議では、内容が理解されないだけでなく、参加者にストレスを与える。

2.ストレスの原因として、特に認知機能に対する負荷が高まる傾向があり、これが継続すると認知機能が低下し、理解力や判断力、反応のスピードといった会議参加にとって重要な能力が鈍くなることが考えられる。

3.内容が理解できないことによるストレスは会議後半にかけて蓄積されていく。<NTT>
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●科学技術ニュース●理研、ヘリウム3原子核の磁石の強さを超高精度で決定することに初めて成功

2022-06-16 09:32:47 |    物理
 理化学研究所(理研)開拓研究本部Ulmer基本的対称性研究室のステファン・ウルマー主任研究員らの国際共同研究グループは、ヘリウム4(4He、陽子数2、中性子数2)の安定同位体であるヘリウム3(3He、陽子数2、中性子数1)原子核の磁気モーメント(磁石の強さ)を超高精度で決定することに初めて成功した。

 同研究成果は、3Heの原子核構造(電荷分布、磁化分布)など基礎物理的な視点から重要であるだけでなく、基礎科学、工学、医学など広い分野で重要な分析法である核磁気共鳴(NMR)法や磁気共鳴画像(MRI)法の高度化(化学シフト測定の高精度化)を実現し、これらの方法の汎用性や有用性を飛躍的に広げると期待できる。

 今回、国際共同研究グループはペニングトラップを用いて、極低温に冷却した3Heの1価の陽イオンである3He+の磁場ゼロにおける超微細準位を100億分の1の精度で直接測定した。

 この結果と3He+の束縛状態について、国際共同研究グループで進めた精密理論計算とを比較することにより、3He原子核(3He2+)の磁気モーメントを従来よりも10倍高い精度で決定することに成功した。これにより、磁場プローブに3He原子核を用いれば、NMR法やMRI法が10倍高精度化することが明らかになった。

 3He原子核は水中の陽子と比べて、磁気モーメントの温度依存性は100分の1、プローブ形状依存性は1,000分の1、反磁性補正は10分の1と極めて優れた特性を持っている。

 従って、NMR法やMRI法で重要な測定量である化学シフトをより正確に決定することができ、これらの方法の汎用性や有用性を飛躍的に広げると期待できる。

 さらに同研究成果は、例えば、基礎物理分野で大きな話題となっているミューオンg-2実験の高精度化や、同国際共同研究グループで進めている反陽子と陽子を用いたCPT対称性研究の高度化にも貢献すると期待できる。<理化学研究所(理研)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「図解入門 よくわかるパワー半導体の基本と仕組み<第3版>」(佐藤淳一著/秀和システム)

2022-06-16 09:32:03 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:図解入門 よくわかるパワー半導体の基本と仕組み<第3版>

著者:佐藤淳一

発行:秀和システム

 水銀整流器からIGBTへの進化と、日本製のパワー半導体が強い理由がわかる。最新情報満載のパワー半導体の基本と仕組み。パワー半導体は、電力の変換を目的とする半導体デバイス。電圧や電源周波数を制御できるため、電気自動車やIH調理器、LED電球などに使われ、日進月歩で進化している技術。同書は、半導体の基礎知識がある人を対象に、パワー半導体の歴史や動作の原理、応用、参入メーカまで文系出身者にもわかりやすく解説した入門書。第3版では入門書としてさらにわかりやすく改稿し、半導体産業の流れや参入メーカの最新の動向をまとめた。
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