“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「イノベーションの競争戦略」(内田和成編著/東洋経済新報社)

2022-06-03 09:46:43 |    企業経営



<新刊情報>



書名:イノベーションの競争戦略~優れたイノベーターは0→1か? 横取りか?~

編著:内田和成

発行:東洋経済新報社

 イノベーションを横取りする企業、取り逃す企業、連続して起こす企業、どこが違うのか?世の中に存在しなかった画期的な発明やサービスを生み出すことは、企業におけるイノベーションの必要条件ではない。それよりも新しい製品サービスを消費者や企業の日々の活動や行動の中に浸透させることこそがイノベーションの本質である。筆者たちはこれを行動変容と呼ぶが、これこそが企業がイノベーションを起こすためのカギとなる。そのことをみんなに知ってもらいたいという想いが同書の執筆の動機となっている。イノベーションを世の中になかった商品・サービスを生み出すことと考えると、「イノベーションの競争戦略」は奇異に感じるかもしれない。しかし、イノベーションとはいかに顧客の行動変容に至るかの競争なのだ。顧客の価値観や行動を変え、次世代の社会の常識を創ることで、自らがゲームチェンジャーとして新しい市場やビジネスモデルを創造することができる。競合他社に対する圧倒的な優位性を築くことができるわけだ。さらに重要なことは、競争戦略の視点をもつことで、イノベーションに対する企業の取り組みが変わることだ。技術革新ではなく顧客の行動を変化させることをゴールとして取り組むのであれば、そのプロセスは一変することになる。イノベーションの競争戦略とは、顧客の行動を引き起こし、市場における優位性を築くことである。同書では、そのメカニズムを明らかにすることにフォーカスを当てる。
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●科学技術ニュース●パーク24、英Skyports、あいおいニッセイ同和損保と兼松、空飛ぶクルマの離着陸場開発に向けた業務提携締結

2022-06-03 09:46:00 |    輸送機器工学
 パーク24と英Skyports、あいおいニッセイ同和損害保険、兼松の4者は、空飛ぶクルマの離発着場( バーティポート) 開発に向けた業務提携に関する覚書を締結し、時間貸駐車場、カーシェアリングおよび空飛ぶクルマが融合した事業の検討を開始する。

 同覚書により、4者はパーク24が管理する駐車場において、バーティポートに適した場所を特定するため、大阪・関西エリアを中心に事業性評価を含む共同調査を実施する。なお、バーティポートは空飛ぶクルマ用の離着陸拠点および専用の充電施設として機能する。

 さらに、4者は利用客のファーストマイルおよびラストマイルの移動手段として、パーク24のカーシェアリングサービスの活用についても検討を進める。

 あいおいニッセイ同和損保は、地上インフラおよび関連する空飛ぶクルマサービスに対する保険の提供・手配を行うとともに、空と陸をシームレスに統合したMaaS(Mobility as a Service)の開発を目指す。

 兼松は、Skyportsと日本における空飛ぶクルマの地上インフラ開発・運営において資本業務提携をしており、国内でも注目を浴びる空飛ぶクルマにおいて、Skyportsの継続的な国内事業開発を支援していく。<パーク24>
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●科学技術ニュース●産総研とデルフト工科大学、遷移金属不使用の触媒を用いて大気濃度CO2から合成ガスを製造する技術を開発

2022-06-03 09:45:34 |    ★炭素ニュース★
 産業技術総合研究所(産総研)エネルギープロセス研究部門 エネルギー変換プロセスグループ 倉本 浩司 研究グループ長、笹山 知嶺 研究員、高坂 文彦 主任研究員らは、デルフト工科大学 浦川 篤 教授と共同で、発電所や産業分野から排出されるガスあるいは大気中の低濃度CO2(400ppm(0.04%)~20%程度)から、液体燃料や化学品製造の原料として汎用性の高い合成ガスを直接製造する技術を開発した。

 この技術は、CO2を選択的に吸収する機能と、吸収したCO2を水素(H2)との反応によって一酸化炭素(CO)に還元する機能を併せ持つ二元機能触媒を利用するものであり、低濃度CO2の分離・濃縮工程なしで、再エネ由来水素との反応により、一酸化炭素と水素の混合ガスである合成ガスを直接製造することが可能である。

 CO2を一酸化炭素に還元する反応では、一般的に白金やロジウムなどの遷移金属を用いた触媒が必要と考えられ、高活性な金属種の探索が進められてきた。しかし、同技術では遷移金属を使用せず、ナトリウムなどのアルカリおよびアルカリ土類金属を主成分とする単純な組成の二元機能触媒を用いてCO2を還元する。

 従来のCO2を原料とする合成ガス製造では、生成ガスに未反応のCO2が混入するが、同技術では生成ガス中にCO2はほとんど含まれない。さらに、水素の供給流量などを変化させることで、合成ガスの組成として重要なH2/CO比の制御も期待できる。

 したがって、この技術を既存の合成ガス利用プロセスと組み合わせることにより、排ガスや大気中のCO2を出発原料として液体燃料や化学品を製造することが可能となり、同プロセスの実現によって、カーボンニュートラル社会の構築に大きく貢献できる。< 産業技術総合研究所(産総研)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「特許協力条約概説」(佐々木眞人著/経財産業調査会)

2022-06-03 09:45:03 |    企業経営



<新刊情報>



書名:特許協力条約概説

著者:佐々木眞人 

発行:経財産業調査会
 
 同書は、国際条約として見た場合のPCT(国際特許制度)について概説し、またパリ条約との関係においてPCTを概説しながら、PCTを体系的に整理することを試みたもの。
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