“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ブラックホール」(大須賀 健著/KADOKAWA)

2022-05-11 09:41:13 |    宇宙・地球



<新刊情報>



書名:ブラックホール~暗黒の天体をのぞいてみたら~

著者:大須賀 健

発行:KADOKAWA(角川ソフィア文庫)

 本当にあるの? 吸い込まれたらどうなる? 不思議に満ちた天体を大解剖!猛烈な勢いであらゆるものを吸い込みつづけるブラックホール。一度のみ込まれたら、光ですらも抜け出すことは決してできないというSFのような天体は、アインシュタインによって予言され、2015年、重力波の検出で存在が証明された。そして2017年、人類は初めてその姿をとらえることに成功した。イベント・ホライズン・テレスコープという電波望遠鏡をつなぐ国際プロジェクトが地球から約5500万光年かなたにあるM87銀河近傍のブラックホールの姿をとらえたのである。同書は2017年に単行本で刊行された書籍の文庫版だが、エポックメイキングとなった2017年の撮影を踏まえ、全面的に加筆修正を行った。
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●科学技術ニュース●京セラ、電波の進行方向を変える透過型メタサーフェス屈折板を開発しミリ波5Gのサービスエリアの拡大に貢献

2022-05-11 09:40:32 |    通信工学
 京セラは、電波の進行方向を所望の方向に変えることができる透過型のメタサーフェス屈折板を開発した。

 これにより、高い周波数を用いたミリ波5Gや6G等において、障害物により通信できない場所へも電波を届けることが可能となり、サービスエリアの拡大に貢献する。

 5Gで用いられている28GHz帯や、6Gに向けて検討されているさらに高い周波数帯の電波は、直進性が強いため、障害物により基地局から見通しが得られない場所では通信品質を確保できないという課題がある。

 その課題解決のため、一般的には電波を特定の方向に反射させることができるメタサーフェス反射板が提案されている。しかし、反射板を用いた場合に変えられる電波の方向には限界があった。

 そこで同社は、進行方向に対し小さい角度で電波を曲げることができる透過型のメタサーフェス屈折板の開発に取り組んだ。

 従来型のメタサーフェス反射板は、反射板より手前側に、電波の進行方向に対して大きな角度で曲げる場合には有利だが、向こう側に小さな角度で曲げる場合には向かない。

 それに対しメタサーフェス屈折板は、小さな角度で曲げる場合に有利で、障害物を回避するような使い方に向いている。反射板に加えて今回同社が開発したメタサーフェス屈折板を用いることで、電波を曲げる範囲を拡大し、5Gサービスエリアをさらに拡大することが可能となる。<京セラ>
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●科学技術ニュース●東京大学など、広帯域トポロジカル光導波路を実現する手法を発見し光回路技術の新たな可能性を開く

2022-05-11 09:40:04 |    電気・電子工学
 東京大学 先端科学技術研究センターの刘 天際 特任助教(研究当時)、岩本 敏 教授、慶應義塾大学の太田 泰友 准教授および電磁材料研究所の小林 伸聖 主席研究員、池田 賢司 主任研究員らの研究グループは、誘電率がゼロに近い値を示すENZと呼ばれる特性を持つ磁気光学材料(磁気光学効果を示す材料)を含むフォトニック結晶の構造に注目し、数値解析を行い、その結果、ENZ特性を持つ磁気光学材料を用いることにより、過去の報告の1000倍以上の広い波長帯域で動作可能な広帯域トポロジカル導波路の実現が可能であることを明らかにした。

 この成果は、従来技術では実現が困難であった一方向性導波路など、トポロジーを活用した光集積デバイスの可能性を開くものであり、集積光回路技術に基づくさまざまな応用において、その高効率化、高機能化に貢献することが期待される。

 同研究成果は、光回路のさらなる高密度集積化に寄与し、データセンターやサーバーの省電力化、光回路を活用した機械学習、新原理コンピューティング、光量子技術などの進展に貢献することが期待される。

 カイラルエッジ状態と呼ばれる特殊な光状態を活用することで、一方向のみに光を伝送するトポロジカル光導波路を実現できることが知られている。この導波路は、作製時に生じる構造ゆらぎや欠陥などがあっても散乱や反射なく光を伝送できることから、光配線などに利用される光集積回路の高密度化、高機能化を可能にすると期待されている。しかし、このカイラルエッジ状態を活用したトポロジカル光導波路を、光集積回路の主な動作波長である光通信波長域において広い波長範囲で機能させることは難しいと考えられてきた。<科学技術振興機構(JST)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「きちんと知りたい! 続・自動車メカニズムの基礎知識<ステップアップ編>」(高橋康夫著著/日刊工業新聞社)

2022-05-11 09:39:30 |    輸送機器工学



<新刊情報>



書名:きちんと知りたい! 続・自動車メカニズムの基礎知識<ステップアップ編>

著者:高橋康夫

発行:日刊工業新聞社(「きちんと知りたい!」シリーズ)

 メカニズムを丁寧に解説する「きちんと知りたい!」シリーズ第15弾。「なぜそうなるのか? どうしてそうなったのか?」という仕組みの部分を中心に解説した「きちんと知りたい!自動車メカニズムの基礎知識」のステップアップ版。進化する自動車のメカニズムの中から、最新システムを含めて「知っているようで、じつは理解できていないこと」ことを丁寧に紹介。
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