“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「デジタル・ビジネスモデル」(ピーター・ウェイル 、ステファニー・L・ウォーナー著/日本経済新聞出版)

2022-05-03 10:19:57 |    企業経営



<新刊情報>



書名:デジタル・ビジネスモデル~次世代企業になるための6つの問い~

著者:ピーター・ウェイル 、ステファニー・L・ウォーナー

訳者:野村総合研究所システムコンサルティング事業本部

発行:日本経済新聞出版

 あなたの会社はどのようなデジタルトランスフォーメーションをどのように目指せばよいのか?  6つの問いを自社にあてはめて考えながら読み進めるうち、デジタル化の成功モデル4類型のどれを目標とすべきかがわかる。斯界の大御所でMITの教授を務める著者が、豊富な企業事例に基づき、一般向けにわかりやすく解説。6つの質問とは以下の通り。1.脅威:あなたの会社のビジネスモデルに対して、デジタル化がもたらす脅威はどれほど大きいか? 2.モデル:あなたの会社の未来には、どのビジネスモデルがふさわしいか? 3.競争優位:あなたの会社の競争優位は何か? 4.コネクティビティ:「デバイスやヒトとつながって(コネクトして)学びを得る」ために、モバイル技術やIoTをどのように使いこなすか? 5.能力:将来のためのオプションに投資するとともに、必要な組織変革の準備をしているか? 6.リーダーシップ:変革を起こすために、すべての階層にリーダーとなる人材がいるか?
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●科学技術ニュース●東芝と英BT、世界初となる量子暗号通信の商用向けメトロネットワークのトライアルサービスの提供開始

2022-05-03 10:19:13 |    通信工学
 東芝、東芝デジタルソリューションズと英BT Group plc( BT)は、2022年4月26日より英国ロンドンにて世界初の量子暗号通信の商用向けメトロネットワークのトライアルサービスの提供を開始した。

 同トライアルサービスの最初の顧客企業として英Ernst & Young Global Limited(ロンドン、EY)が、ロンドン東部のカナリー・ワーフ地区とロンドン・ブリッジ周辺地区間の拠点間接続での利用を予定している。

 同トライアルサービスにより、量子鍵配送(Quantum Key Distribution=QKD)がどのように安全にデータを拠点間で転送できるかを示し、量子暗号通信ネットワークが顧客企業にもたらす効果を明らかにしていく予定。

 今回トライアルサービスの提供を開始する商用向けメトロネットワークはBTの子会社であるBritish Telecommunications plcが運用し、BTの子会社であるOpenreachが提供するプライベートファイバーネットワークと、東芝デジタルソリューションズが提供するQKDシステム及び鍵管理システムによる、専用の高帯域エンドツーエンド暗号化リンクを含むさまざまな量子暗号通信サービスを提供する。

 同ネットワークは、ロンドン市内で事業を展開する多くの顧客企業をつなぎ、通常の光ファイバーを用いたQKDにより、実拠点間での重要情報のデータ通信を安全に行うことを可能にする。

 QKDは今後の量子コンピューティングを用いたサイバー攻撃による脅威からネットワークやデータを守るために必要不可欠な重要な技術。今回のトライアルサービスの開始は、英国政府が戦略として掲げる量子対応経済の実現に貢献する重要な一歩になる。<東芝>
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●科学技術ニュース●森林総合研究所など、気候変動により森林が拡大する地域、縮小する地域を高解像度で推定し評価モデルを開発

2022-05-03 10:18:37 |    宇宙・地球
 森林総合研究所 、国立環境研究所らの共同研究グループは、高温や乾燥といった植物にとっての様々な気候ストレスと森林の分布限界との関係を地球規模で評価するモデルを新たに開発した。

 これにより、気候変動による気温の上昇や乾燥化によって森林分布が変化しやすい場所を地球規模かつ高解像度(赤道付近で約1km2)で推定することが可能になった。

 気候変動によって森林面積が減少した場合、森林の二酸化炭素吸収能力は低下する。しかし、気候の変化に対して、森林分布が広域でどのように応答するのかを予測することは困難であった。

 同研究では、植物の光合成活性に影響を与える3つの気候条件(乾燥、日射、気温) を統合し、植物にとっての気候ストレスを指数化することで、気候ストレスが森林分布に与える影響を評価できるモデルを開発した。

 これにより、気候変動による世界の森林分布の変化を高解像度で推定することが可能になった。これらの成果は、森林の二酸化炭素吸収能力の将来変化を予測する上で重要な情報となる。

 現在の気象データを用いて、乾燥度、日射量、気温を組み合わせた7つの気候ストレス指数を地球規模で算出した。これら7つのストレス指数と、衛星画像をベースにした現在の地球の土地被覆(森林、低木・草地、裸地、氷・雪)との関係を機械学習によってモデル化し、現在の森林の成立や欠落に強く関係する気候ストレス指数を明らかにした。さらに、構築したモデルに、全球気候モデルによって予測された将来気候下の気候ストレス指数を当てはめることで、将来の森林分布の変化を高解像度で推定した。

 「年間を通じた乾燥」と「初夏(日射量が多い時期)の低温」が、地球規模での森林の分布限界と関連性の高い気候ストレスであることがわかった。北半球の高緯度地域では、日射量が多い時期の平均気温が約7.2 ℃を下回ったあたりから、森林の成立が難しくなる傾向があった。中緯度の乾燥地域周辺では、乾燥度が0.45を下回ったあたりから、森林の成立が難しくなる傾向があった。気候変動によって森林が拡大しやすい地域は、縮小しやすい地域より面積的には大きいことが予測された。また、両地域は地理的に離れていることが示された。

 今後は、極端な気象現象が頻発することで、台風や山火事、病虫害などの自然災害による大規模な森林破壊が増加することが懸念されている。同研究の開発した手法による気候の変化に脆弱な森林の予測と、これらの自然災害の発生リスク評価を統合することで、将来の森林の脆弱性をより良く評価できるようになると期待される。<国立環境研究所(NTES)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「数学も英語も強くなる! 直訳では伝わらない意外な数学英語たち」(馬場博史著/技術評論社)

2022-05-03 10:14:49 |    語学



<新刊情報>



書名:数学も英語も強くなる! 直訳では伝わらない意外な数学英語たち

著者:馬場博史

発行:技術評論社

 英語の数学用語(数学英語)の中で、入門から実用まで詳しく丁寧に紹介。四則演算の表し方などの基本から、直訳では伝わらない、辞書で見つからない、日本ではあまり使われていない、定義が国際的に決められていないなどちょっと難しい数学英語まで網羅。大学教養程度の少し発展した内容まで踏み込む。息抜きとして、ドラマ、映画などに登場する数学英語も取り上げる。それぞれの用語に関連する話題や練習問題を豊富に盛り込み、応用が利きかつ実践に役立つ数学英語をとことん分かり易く解説。なんとなく読めても書く(論文や答えを)となるとどう表したらよいのか迷う人たちにうってつけ。
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