“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「みんなで楽しむ eスポーツ」(田簔健太郎著/山川出版)

2021-09-10 09:36:29 |    情報工学



<新刊情報>



書名:みんなで楽しむ eスポーツ~多様性とICTの時代に即した新しいスポーツの可能性~

編者:田簔健太郎 

発行:山川出版

 近年、急速に注目度を増してきているeスポーツ。巨大産業としてビジネス界で注目されているだけでなく、地方創生や多様性に配慮した社会福祉としての側面から、自治体や教育現場でも試行錯誤が始まっている。しかし一方で「スポーツ」に対する従来のイメージから、日本においてはeスポーツに対する否定的な意見や不安の声も根強く残っている状況もある。改めて今、スポーツとは何か?遊びとは何か?といった根本的な問いについて、向き合って考えていく意義は大きいと言える。また、日本でeスポーツが隆盛していくためにはどのようなことが必要なのか、eスポーツの普及によって社会にはどのようなメリットがあるのかなど、スポーツ人類学、スポーツ教育学、スポーツ政策学の大学教員がそれぞれの立場からスポーツおよびeスポーツの様々な側面に焦点を当てながら考える。
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●科学技術ニュース●KDDI、NECおよびNICT、先進的仮想化ネットワーク基盤技術「CNF」の研究開発内容を発表

2021-09-10 09:36:02 |    通信工学
 KDDIと NECは、情報通信研究機構 (NICT) と共同で、総務省の研究開発課題である「先進的仮想化ネットワークの基盤技術の研究開発」の研究開発の取り組み内容について、2021年9月8日から2021年9月10日の間に行われる「ネットワーク運用管理に関する国際会議」で発表した(2022年3月研究開発完了)。

 5GおよびBeyond 5G時代では、映像配信、XR、自動運転、インフラ管理などのあらゆるサービス分野において、5Gの特長である「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」を最大限に活用するため、柔軟性および効率性を備えた通信ネットワークの実現が求められている。柔軟性および効率性を備えた通信ネットワークの実現に向け、従来の仮想化技術であるバーチャルネットワークファンクション (VNF) と比べ「起動時間が短い」「リソース消費の効率がよい」「可搬性が高い」などのメリットがあるクラウドネイティブネットワークファンクション (CNF) が、通信ネットワークの柔軟性および効率性をさらに高める手段として期待されている。

 CNFは、5GおよびBeyond 5G時代に向け通信ネットワークへの導入機運が社会的にも高まっており、2022年から急激に需要が増加し、2025年にはVNFと同程度まで拡大される見込みで、5GおよびBeyond 5G時代では、VNFとCNFが混在した先進的仮想化ネットワークが想定されている。

 通信ネットワークへのCNFの導入機運が高まる一方で、CNF導入には運用面などの課題がある。同研究開発では、「障害事前予測技術」「超高速化ICTシステム設計技術」「基盤計算機リソースの動的かつ最適制御技術」の研究開発を実施し、CNF導入に向けての課題を解決することで、従来の仮想化ネットワーク以上に安定かつ迅速なデジタル・トランスフォーメーション (DX) サービスの提供と、CNF導入により複雑化する通信ネットワークの耐障害性の向上を目指している。(KDDI)
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●科学技術ニュース●JAMSTECなど、間隙水圧の超高感度解析手法を開発し南海トラフのゆっくり地震は黒潮蛇行の影響を受けている可能性を示唆

2021-09-10 09:35:31 |    宇宙・地球
 海洋研究開発機構(JAMSTEC)海域地震火山部門の有吉慶介グループリーダー代理らは、米国地質調査所・ワシントン大学のJoan Gomberg氏、防災科学技術研究所の地震津波火山ネットワークセンター 髙橋成実副センター長とともに、長期孔内観測装置と地震・津波観測監視システム(DONET)を活用した水圧記録の解析手法を開発し、南海トラフで発生した2020年3月のスロースリップイベントにより収縮の体積歪が生じた領域が、南海トラフ近傍にまで及んでいたことを明らかにするとともに、その領域拡大と終息が黒潮蛇行に影響を受けていた可能性があることを示した。

 スロースリップイベントのような、揺れを伴わない「ゆっくり地震」が南海トラフの海溝付近で発生することは世界的に知られており、長期孔内観測装置やDONETによってリアルタイムで観測が行われている。ただ、観測項目のうち海底地殻変動を捉えるのに用いられている間隙水圧や海底圧力は、気象や海象の影響を受けることから、「ゆっくり地震」の一つであるスロースリップイベントの発生を短時間で把握困難な場合がある、という問題を抱えていた。

 そこで同研究では、長期孔内観測装置の間隙水圧計と、装置近傍にあるDONETの海底水圧計の記録を比較解析したところ、潮汐の影響を軽減させる事に成功し、ナノスケールの体積歪変化を捉えることができるようになった。

 また、近年は黒潮大蛇行が発生しており、本観測エリアにも黒潮が出入りしていることから、最新の海中天気予報(JCOPE-T DA)を活用して蛇行した黒潮による影響を解析したところ、海底圧力の変化が認められた。

 同結果は、黒潮蛇行がスロースリップイベントの領域拡大および終息に対して影響を及ぼしている可能性を示唆する。同成果は、南海トラフのスロースリップイベントと黒潮との関連性を示した初めての研究事例。

 間隙水圧を用いた海底地殻変動のモニタリングは、陸域観測網では検知することが困難な南海トラフ近傍での「ゆっくり地震」を捉える上で、有力な観測手段となっている。そのため、間隙水圧の時系列データは、政府の地震調査委員会・気象庁の「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」において月例資料としてJAMSTECから報告されており、南海トラフ沿いのプレート間固着の状況を把握するための参考資料として活用されている。この結果および手法を過去・今後のスロースリップイベントにも適用した統合解析を行うことで、南海トラフ近傍における体積歪の蓄積過程を時系列として把握できることが期待される。<海洋研究開発機構(JAMSTEC)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「等価回路でしっかり理解! 詳解 電子回路」(𠮷河武文、三木拓司著/オーム社)

2021-09-10 09:35:02 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:等価回路でしっかり理解! 詳解 電子回路

著者:𠮷河武文、三木拓司

発行:オーム社

 アナログ回路の基礎からCMOSによるデジタル回路の入り口までを一通り俯瞰できる電子回路の入門書。電子回路の基本を多くの回路図と等価回路を使って解説。等価回路については苦手意識を持っている方もいるかと思うが、ていねいに変形、計算し、つまずかないようにまとめている。
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