仙太の「雑杷ひとからげ」

「工房仙太」の新作紹介及び日々の雑想を連ねています。(ショップ http://k-senta.com/)

轆轤(ろくろ)

2012年03月29日 20時50分00秒 | オーダーもの
 和歌山県のH様オーダーの打出の小槌。全部で10個のご注文ですが、ひとまず2個とりかかりました。

 ネットで買ったあまり高くない木工旋盤ですが、使えます!試作品はこれがなかったので手ガンナで削りましたが、当然ながらそれとは大違い!早くてきれい。ノミでだいたい形ができたらそのままサンディングもできるので便利です。もちろん最終仕上げは取り外して手磨きですが、それはしょうがない。

 「木工旋盤」というのが正式名称ですが、私はやはり「轆轤(ろくろ)」と呼びたい。この「薔薇(ばら)」よりも多そうな画数の字も味があるし、何よりも古来からの日本語っぽい間の抜けた響きがうれしい。

 京都の東山に「轆轤町」というところがあります。清水焼の産地なので、昔から轆轤を回す人が多かったからかと思ったらそうではないらしい。
 ここはこの世とあの世の境目といわれる「六道の辻」の近くで、平安時代にはここから東は鳥辺野と呼ばれ、都人が死体を投げ捨てに行ったところだったそうです。なので野原一面に髑髏(どくろ)がごろごろしていた。髑髏がいっぱいだから「髑髏(どくろ)町」と呼ばれていたのが、それではあんまりだからというわけで「轆轤(ろくろ)町」になったという説が有力ということです。「六波羅(ろくはら)」という言葉も元は「髑髏原(どくろはら)」だったらしい。京都の地名には恐ろしい話が多いです。

 かといってこの機械の名前が元々「髑髏(どくろ)」だったというわけではない。そこは大丈夫なので安心して使いたいと思います。

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