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松山市城東地区散策 2 松山城東山麓を辿る

2013年05月15日 | 伊予松山歴史散策
松山市城東地区散策 2 松山城東山麓を辿る

続散策は、土器堀(かわらけぼり)から秋山兄弟生誕地までで終わりとします。
道後温泉駅前から出発して、松山東雲学園までで、帰りは一部の者は乗り物で帰ったが、7名は道後温泉駅前まで歩いて帰った。往復11,85歩の歴史を辿る散策であった。
画像は、今回最後の歴史を辿った足跡です。


画像は、東雲公園(土器堀跡)
伊予松山初代藩主、加藤嘉明が構築した外堀の一部で、土器堀(かわらけぼり)と呼ばれ、外堀構築構想は、この堀から松山地方気象台、松山東高校の運動場西土塁、松山商業高校運動場東の土塁が外堀の一部で、中ノ川は、外堀に水を取り入れる水路として作られた。しかし嘉明が会津藩に転封され外堀の完成は出来なかった。
土器堀は、府中屋念斎が掘ったので別名「念斎堀」とも呼ばれていた。
所在は、東雲町7番にある「東雲公園」である。昭和30年松山市が東雲公園として整備した。


東雲公園(土器堀跡)に設置されている説明板。
公園東に、中村草田男の句碑がある。
夕櫻 城の石崖 裾濃(すそご)なる  草田男が昭和9年帰郷した時の句


東雲神社前にある毘沙門坂跡の記念碑、子規の句碑、松がある。
毘沙門坂の由来:この地は、松山城の鬼門に当たり初代藩主加藤嘉明は、築城にあたり、この地に毘沙門天を祀り城の平安を祈った。またこの地は、旧市内平地で一番高い地点で、分水嶺である。


東雲神社の社号碑。東雲神社の上の部分が異なっている。
第11代藩主、松平定通が、祖先を祀るため造営した神社で、現在の東雲神社の上の紋は、星梅鉢これは、久松家の家紋。松平定通は、文化元年(1804)~天保6年(1835)にこの神社を造営した。この時は、三つ葉葵の紋があった。伊予松山藩主、松平定行は徳川家康の甥である。徳川家康の母はある事情で徳川家を離れ、久松俊勝に再婚して、定勝が誕生した。定勝は家康の異父同母弟であって、その子の定行は家康の甥である。そのため江戸幕府の信頼が厚かった。家康は、松平を名乗り三つ葉葵を使うよう指示した。よって明治維新までは東雲神社の社号の上には三つ葉葵が刻印してあった。明治維新後は、新政府から元の久松に帰るよう指示され、家紋も星梅鉢に変えた。色が違うのは三つ葉葵を削り、星梅鉢を新たに埋め直したためである。


戦前の東雲神社で、現在は左側が削られ、加藤嘉明公の騎馬像と城山ロープウエー駅舎になっている。


加藤嘉明公の騎馬像。


松山城山ロープウエー駅舎になっている。


松山市の新名所「幸せの泉」。井戸の深さは、15mある。


今回の市内散策最終地点、松山東雲学園。
藩政時代この地は東ノ郭と称し、家老屋敷があった。奥平久兵衛が居住していた。
亨保の大飢饉(亨保17年・1732)松山では、天明・天保とともに三大飢饉と呼ばれた。この事が発端となり久万山農民騒動が起こった。この地は水田の面積が小さく相次ぐ飢饉で不作が続き貢租に対する農民の負担は重くなっていた。貢租の減額を嘆願、藩丁出訴も受け入れられず、百姓一揆が起こり、一部農民は大洲領へ逃散した。当時の家老、奥平久兵衛はこの責任をとらされ、家老職追放され遠島となり、寛延2年(1749)藩から派遣された目付けにより殺害された。この騒動は後に拡張され小説になった。「伊予名章」「松の山鏡」に松山騒動として発表された。
その後代々の家老が居住し、維新以降屋敷は取壊され、大正時代に日本赤十字社愛媛支部病院、昭和3年には御大典記念として青年会館が、昭和7年松山東雲高等女学校、その後松山女学校となり、現在は松山東雲学園となっている。


画像は、野面積みの石垣。
松山城の石垣は殆どが、打込み接ぎの石垣であるが、東雲学園付近のみに野面積みの石垣がある。


松山東雲学園の正門で、藩政時代東ノ郭(家老屋敷跡)とあって流石に櫓門形式の校門を再建した。全国でも珍しい。


校門裏手から。


校門を潜り緩やかな坂道を上がると校舎がある。


大正時代、正門側から見た松山女学校(現在の松山東雲学園)


大正、昭和初期時代の東ノ郭跡。
東ノ郭には、加藤嘉明時代は重臣河村権七、蒲生忠知は、老臣本山豊前を、松平が藩主になってから、家老の奥平を居住させたが、後に家老水野の邸宅となった。そして維新を迎える。


画像は、秋山兄弟生誕地。
藩政時代、東ノ郭((現 松山東雲学園)にあった家老を警護する役目の一人として、徒歩目付け役であった秋山家の屋敷跡で、家老屋敷近くに住んでいた。この地で秋山好古・眞之が誕生した。
秋山好古、安政6年1月7日誕生
秋山眞之、慶応4年3月20日誕生

コメント
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