kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

サンタラリーを諦めない

2022-12-22 11:31:16 | 日記
22日の東京株式市場の午前の終値は104円高の2万6492円と反発しましたが、ダウが
526ドルの上昇だったことを考えると日本株の反発の弱さが目立ちました。やはり
突然の黒田ショックでシナリオの書き換えが必要なことで投資家の姿勢が腰を引いて
いることがあるのでしょうか。

21日のニューヨーク市場では決算が市場予想を上回ったナイキが12%高と急騰しまし
た。景気敏感株の物流大手フェデックスの決算も利益が予想を上回り5%高で終えまし
た。この二銘柄が牽引する形でダウは前日比526ドル(1.6%)高の3万3376ドルで終
わりました。

米調査会社ヤルデニ・リサーチによれば「23日発表の米個人消費支出(PCE)物価指
数で鈍化が確認できれば、サンタラリーが起きる可能性もある」という見方があるよ
うです。機関投資家がすでに冬休みモードに入るなか、買い手になりそうなのが個人
投資家が牽引するというシナリオです。

来年はインフレやFRBによる利上げのピークアウト期待がある一方、景気後退に伴う
企業収益の悪化といった逆風が想定されている。プロの投資家の多くは後者を重視し
て来年の株価を慎重に予想しています。

もっともロシアのウクライナ侵攻で資源価格や穀物価格の急騰から米国や欧州などで
想定以上のインフレが高くなり中央銀行が急激な引き締めを余儀なくされるなど想定
外の出来事が重なったとはいえ21年末にプロが想定した22年の株高シナリオは年明け
から大きく外れたのも事実です。

もし悲観シナリオの反対の状況が生まれれば強気で買いを入れた投資家は大きな果実
を手に入れることが出来ます。投資の世界でリスクを取らなければ大きな成果は得ら
れません。機関投資家のように顧客の資産を運用している投資主体は安全策を取り冒
険は出来にくいですが、自己資金を運用している個人投資家はリスクを取りやすいの
も事実です。

ただし米国株にサンタラリーが来ても日本株が追随できるかどうかは分かりません。
これまで日本株の支えとなっていた日銀の大規模緩和が修正されたため、日本の金融
政策の不透明感がくすぶり、株価の重荷となっているという見方があります。

今週は日銀ショックの余韻が残る日経平均はダウに比べて明らかに劣後しています。
日銀の大規模緩和はこれまで日本株が底堅く推移していたバックボーンでしたから市
場が消化するには時間が必要です。

明日の更新は急用のためお休みします。
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締めくくりは黒田サプライズ

2022-12-22 05:12:56 | 日記
黒田日銀の突然の方針転換で揺れた為替市場や株式市場の余震は一夜明けた21日も続き
ました。日経平均は180円安と4日続落しました。もっとも4営業日で1700円近く下落し
たことや10月の中旬以来の2万6500円割れまで下落したことで今日以降は自律反発を試
す展開もあるかもしれません。

為替相場はいち早く落ち着き130円の節目の目前で切り返す展開になりそうな兆候もあり
ます。輸入企業の実需の円買いもこの水準では期待できるのでしょうか。ともあれクリス
マス休暇で海外参加者が限られていますから落ち着きどころを探るのはもう少し時間がか
かるかもしれません。

今月は日銀の事実上の緩和政策転換だけでなく中国の突然のゼロコロナ政策の緩和とビッ
グサプライズが続きました。あれだけ頑なに粘り強い緩和にこだわり続けた黒田総裁にも
驚きました。

また習主席は厳格なコロナ政策が看板政策でした。世界で一番コロナ政策を上手くいって
いると豪語していていましたから、まさか急転直下の方針転換があるとは思いもよりませ
んでした。もっとも感染爆発で世界経済にとっては新たな不安材料となりそうです。ノー
プランによる緩和は混乱だけを引き起こしました。

黒田日銀は異次元の緩和である黒田バズーカで当時の市場を救いました。習主席の厳格な
コロナ政策は少なくとも2020年から21年にかけては世界でコロナによる経済や社会不安が
高まっていた時に中国はもっともコロナに打ち勝った国であるという評価もありました。

二つのケースはかつての成功体験の負の部分が出てしまったことです。余りにも素晴らし
い成功体験はその後の方針転換のタイミングを見誤る事にも繋がります。取り巻きも中々
トップに直言できないということは度々あることです。

権威主義国の中国と西側諸国の日本で同じ比較はできないかもしれませんが、円安が150円
を越えた円安は資源高と相まって電気料金や政府製品そして食料高となり世論は世界の趨勢
と反対の緩和を進める日銀批判に繋がりました。

確かに金利は低い方が全体的に見れば経済にはプラス効果をもたらします。しかし日本の
低金利は潜在成長力の乏しさの裏返しです。好況でも不況でもほぼ金利が上下動が乏しい
日本は世界から見れば衰退国家とみなされます。賃金と物価の緩やかな上昇が理想です。

当初は大成功だった黒田バズーカも時間の経過とともに色あせてきました。金利上昇での
弊害は住宅ローンの不安増や中小企業の資金繰り悪化などマイナス面もありますが、日本
経済の再生には避けられない試練なのかもしれません。
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黒田緩和の終焉

2022-12-21 05:58:00 | 日記
今年市場関係者の間ではこれまで日銀会合に対する注目度はほとんどなかったでしょう。
市場の注目はFOMCの結果やパウエル議長の会見内容ばかりでした。もっとも無理はあり
ません。今年欧米だけでなくG7各国でもインフレ抑制から金利を引き上げ続けました。

G7各国で日本だけが異次元緩和の継続を断固として貫きました。黒田日銀総裁の発言でも
3%を越える物価上昇は一時的で今後低下して目標としている2%を再び割り込むという見
通しでした。少なくとも市場では黒田日銀総裁に任期が切れる来年4月8日までは緩和政策
の変更は期待できないというムードでした。

それだけに市場にとっては今回の決定は大きなサプライズでした。円相場は137円台から
一気に133円台へと4円の円高になりました。株価も午前中は77円高と米株安にも拘らず底
堅い動きでしたが、日銀会合の内容が伝わった昼頃にはまず先物が一時1000円を超える急
落、午後の取引が始まると日経平均は600円を超える大幅安でした。

その後も売り物は止まらず大引けは669円安でした。800円を超える場面もありました。海
外投資家など早めのクリスマス休暇入りで市場参加者が少なくなっていることも値幅を大き
くしました。これでどうやら未曽有の円独歩安だった2022年の為替市場で円安修正が2023年
には定着しそうです。レンジはこれまでの予想よりも円高方向になるのではないでしょうか。

もっとも行き過ぎた円安は輸出企業への恩恵が大きい反面、国民生活にとってマイナス面の
大きさが大きな社会問題になりました。日常生活にとって重要な電気料金、ガソリン価格
食料品価格などの急激な上昇は低所得者中心に看過できないほど深刻な問題を引き起こしま
した。

円高は日本経済にマイナス、円安はプラスというのが市場の見方でしたが、今年のように150円
を超えるような行き過ぎた円安は弊害も多いことが明らかになりました。円安はある意味輸出
企業の本当の実力を見えなくしていた部分もありました。例え来年円相場が120円になっても
動じないような筋肉質の企業だけが生き残るでしょう。

黒田サプライズは海外市場でも影響が大きかったのでしょう。円相場は一時130円まで円高が
加速しました。もっとも市場参加者が少なく流動性が低下していたことも忘れてはいけません。
いずれ市場も冷静を取り戻し落ち着きどころを探すでしょう。

円高が一服すれば輸出関連銘柄のリバウンドも期待できるでしょうが。これまでの想定よりも
円相場のレンジが円高方向になるとしたら今期の下方修正だけでなく来期業績への不透明感が
出てくる企業もあるでしょう。下期の想定為替レートの数字も気になるところです。


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中国のウィズコロナ

2022-12-20 05:59:57 | 日記
中国での感染拡大に関するニュースが連日伝えられています。中国のPCR検査では効率
性と費用削減の面から10人分の検体をまとめて検査する方法を取り入れていました。感
染者数が抑えられていた時にはうまく機能していましたが、一人でも陽性者がいれば10人
を個別に検査しなければなりません。

中国当局が今月突然に全員PCR検査体制を取りやめたのは感染の拡大で検査体制が崩壊
してしまったからだという見方もあるようです。中国ではゼロコロナ政策を2年以上続け
ていたことで市中感染者が抑えられていました。

感染することで自然免疫を獲得した国民は少なく、しかも中国製ワクチンの予防効果が
ファイザーやモデルナ製のワクチンに比べ遥かに低いことも感染者数が急増している背
景にあります。結果論ですが欧米のようにいち早くウィズコロナ政策を取り入れてきた
国が優位になったようです。勿論予防効果の高いワクチンの開発が感染者数の増加や重
症化を一定程度防いだことが見逃せません。

自然免疫を持った国民の少なさや国産ワクチン効果の低さから中国での感染拡大で欧米
各国よりも致死率が高まるのは事態も予想されます。しかも厄介なのは感染が一旦終息
しても再び感染の波が周期的に繰り返すことです。日本や他の国でも繰り返しているこ
とを見れば明白です。

永い目でみれば中国がゼロコロナ政策を転換することは世界の潮流と歩調を合わせるこ
とになるので世界経済にとってはプラスです。しかし正常化への道は凸凹です。日本の
ケースでも見られたように経済を回しながら感染拡大を抑制するウィズコロナは茨の道
です。

周回遅れでコロナ対策を修正する中国経済の行方は不確実性が低くはありません。もっと
も足元では中国経済の正常化の遅れから原油など資源価格の低迷に繋がっています。イン
フレ抑制が当面の課題である欧米経済にとっては都合の良い状況です。

中国経済が緩やかな回復となることが案外、世界経済にとってはベストなシナリオかもし
れません。日本株にとっては来年も米国のインフレと景気それに中国経済の動向は重要な
ポイントです。


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悪いニュースは・・・

2022-12-18 06:03:29 | 日記
今月のFOMC前までは経済の悪いニュースは市場にとって良いニュースでした。CPIの低下
や雇用統計の悪化、景況感の悪化などはインフレの鎮静化に繋がりFRBの利上げ幅の縮小
に繋がるからでした。

しかしFOMCを通過したら今後は経済を巡る悪いニュースは市場にとっても悪いニュースに
なってしまいました。CPIが市場予想を下回ったこと利上げが市場予想通りの0.5%に収まっ
たこと。ターミナルレートは引き上げられたことはマイナスでしたが、イベント通過でクリ
スマスラリーへの突入期待も残っていました。

しかし小売り売上高の不振で市場が大きくした方向に反応したことでラリーへの期待は一気
に萎みました。経済を巡る悪いニュースが市場にとっても悪いニュースとして変質したこと
で市場の注目は金融政策から景気に焦点が変わったようです。

おそらく来年以降も利上げが続くとしてもほぼ天井は見えてきたことで株価材料としては色
あせてきたのでしょう。そして市場が気になってきたことは米国経済の景気が軽いリセッシ
ョンでなく大きな谷が来るのではないかという不安なのでしょうか。

スタートは好調が伝えられていた小売売上が失速したことでGDPの7割を占める個人消費の
先行き不安が一気に高まりました。賃金上昇を上回る物価高で消費者の財布の紐は固くなっ
たようです。コロナ禍で積みあがった過剰貯蓄も使い果たしてしまったのかもしれません。

米国の消費の不振は中国の輸出不振に繋がります。中国にとってもう一つのお得意先である
欧州は米国市場にインフレが深刻で当面引き締めが続きます。当然景気悪化でモノの消費は
振るわないでしょう。中国国内でもゼロコロナ緩和で当初は回復が期待された国内景気です
が、今度は感染爆発で大混乱の様相を示しています。

中国国内の消費不振は現地で商売をしている日本や欧米企業の販売不振が懸念されます。そ
うなると1月後半からの決算発表が心配になります。市場に一度立ち込めた霧は簡単には晴
ないかもしれません。金融政策から景気動向に市場の方向が変わっただけに、当面は景気に
関するニュースに過敏に反応するようになりそうです。

9月からの反発相場が終了したとなれば調整はどこまでどのくらい続くのかに関心が向かい
ます。その答えはまだ多くの時間と判断材料が必要のようです。

次回の更新は20日を予定しています。
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