kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

2万円は適正水準か

2017-05-23 05:00:19 | 日記
5月相場も三分の二が過ぎました。決算発表も終わり市場が注目する
ような経済統計発表も今週はありません。北朝鮮リスクは燻ったまま
ですが、マクロン候補の勝利で5月の波乱要因だった地政学リスクの
一つは無難に通過しました。地方選挙の結果からドイツのメルケル体
制は安泰のようです。株価の足を大きく引っ張るような不安材料は現
状では余りないように感じます。

トランプ大統領に纏わる疑惑は依然として火種になっていますが、トラ
ンプ大統領が外遊中の今週は米国内では目立った動きは起きないと
いう見方があるようです。26日と27日のイタリアサミットで国際社会への
デビューを果たすトランプ大統領が国内問題の失点をカバーするため
に過激な発言を繰り返す不安はあるかもしれません。それでも市場に
は免疫が出来つつありますから大きな波乱は起こらないという見方も
多いようです。

世界経済の持ち直しから日本企業の前期決算は円相場が前年度より
も12円円高が進んだにも拘わらず減収増益決算でした。今期も会社側
の慎重な想定レートから市場予想には届きませんが、それでも2期連続
で最高益が見込まれます。今期業績見通しからはじき出した先週末時
点での日経平均のPERは14倍台です。

アベノミクス相場がスタートしてから日本株のPERはおおむね13倍から
17倍のレンジで推移していますから円相場や世界経済に波乱がなけれ
ば理論上は現在の水準から下値不安は少ないように感じます。もっとも
市場は理論通りには動いてくれません。世界の景気敏感株という位置
づけが変わらない限り日本株のボラティリティは欧米市場に比べて大き
いという事実には違いありません。一時的には円高・株安が加速する
場面がこれまでも何度かありましたから安心は出来ません。

何しろ日本の輸出産業の稼ぎ頭の自動車各社の今期業績は会社側の
予想によると二桁減益です。これを嫌気して自動車各社のPERは10倍
前後と市場平均よりも4割程度低い状態です。時価総額の大きな自動
車銘柄の株価が低迷したままでは投資家心理は冷え込んだままです。

日本株のPERが低いのは欧米市場に比べて稼ぐ力は以前よりも高まっ
てきたがまだその差は大きいという裏返しかもしれません。日本株の中
でも効率よく利益をあげている中堅企業のPERは市場平均を大きく上回
っています。しかし残念ながらがコア30銘柄のような時価総額の大きな
企業は少ないのが寂しい限りです。欧米企業並みに肩を並べるにはま
だまだ現状に満足することなく収益力に磨きをかけなければならないよ
うです。日本株の水準が2万円にふさわしいかどうかは微妙なところです。
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