kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

円安頼みに再び危うさ

2016-12-05 08:02:13 | 日記
今日の東京市場はどんな展開になるのでしょうか。注目のイタリア国民
投票の結果が最初に市場に織り込まれるのはまたしても東京市場にな
ります。早ければ寄り付き前に接線になればお昼頃結果は判明しそうで
す。事前予想では否決されるという見方がやや多いようです。もっとも英
国国民投票、米国大統領選挙といずれも世論調査と逆の結果となり事
前予想の信頼性はかなり低下しています。もっとも今回のイタリア国民
投票の結果がどちらに転んでも英国や米国のように当日の市場に大き
な影響はないという見方が多いようです。

そろそろ来年の相場見通しが証券各社から出てくる時期になりました。
大幅な円安を支えに11月相場はトランプ・ラリーに沸きました。トランプ
リスクに怯えていた市場は一転トランプ歓迎相場となりました。この流れ
を受けて外資系証券の中にはトランプ新大統領の政策で巨額な財政出
動から長期金利が一段と上昇する。片や日銀による低金利政策を続け
る日本は金利上昇が抑えられ金利差が拡大してさらに円安が進み株高
も続くという見通しを出すところがあるようです。

結局来年の日本株も円相場次第だと海外からは見られていると言う事
だけは確かなようです。円相場の前提水準をどこにするかで日本株に
対して強気・弱気が分れるという図式になりそうです。一段の円安懐疑
論の根拠は既に通貨の総合的な実力を表すドルの実効レートは1995年
以来の高い水準であること。トランプ氏は米国第一を掲げ国内の雇用
増を優先度の高い政策の柱としていてします。自由貿易よりも保護主
義政策を取ると再三発言しています。

一連の発言から米国企業の競争力が低下するドル高政策を取るとは
思えません。米国にとってデメリットの大きなドル高を何時までも黙認す
るとは考えられないという円安懐疑論を主張する為替専門家は決して
少数派ではありません。ドル高はトランプ氏が掲げる4%成長達成のた
めには明らかにマイナス要因でです。

円安頼みの相場の諸さは今年前半嫌というほど投資家は見せつけら
れました。為替の見通しほど難しいものはありません。今年の年初か
らの急激な円高そしてトランプ氏勝利で一転急激に進んだ円安を言い
当てられたプロは皆無だったと思います。むしろ多くの為替のプロたち
は真逆な見通しを出していました。結果的に年明け以降も円安が進み
日本株も上昇を続けるかもしれません。しかし円安ありきの株高期待
が失望に変わった時には大きなリスクになり得ます。

もし大幅に円安が進むというシナリオはドルの一段高が進むということ
です。それは一段と新興国からマネーが逃げ出し通貨安を食い止める
ために利上げをすることになり新興国景気にマイナス要因となります。
為替の世界はすべての国がWIN、WINになることはありません。メリッ
トを多く受ける国もあればデメリットが大きく出る国もあります。日本だけ
円安で潤うという夢のようなことは長続きする筈がありません。
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