kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

オーナー経営光と影

2023-02-16 06:26:53 | 日記
15日の東京市場は円安を材料に自動車セクターに買いが見られました。また日銀総裁が
植田氏に決まりそうなことから緩和政策からの出口が意識され金利上昇で恩恵を受ける
銀行セクターは年初来高値を更新する銘柄が目立ちました。

もっとも膠着感の強い地合いは変わらず2万7500円前後での値動きの範囲内の動きという
流れは3週間程度続いています。日足チャートを見ると陰線を形成する日が多く上値では
売り圧力が強そうです。円安は一定程度の日本株の下支えになっていますが、この程度の
水準では指数を押し上げるには力不足です。

数年前にはオーナー企業の投資は成功確率が高いという流れがありました。即断即決で成
長意欲が高く株価への関心も高いことが投資家に好感されました。もっとも現在はマイナ
ス面ばかりが目立つようです。

楽天グループは三木谷社長兼会長のもとで携帯電話事業に進出しましたが、契約者の減少
や基地局への巨額な投資負担が重荷になり4期連続で最終赤字になっています。EC事業や
金融事業での稼ぎでは携帯事業の赤字が補填できなくなっています。

結果的に借入金は膨らみ資本増強が急務となってきました。完全子会社の証券や銀行の上
場で資本増強を図りたいところですが、市場環境の悪化もあり上場の目途は現時点では明
らかに出来ない状況です。財務改善へ他社からの出資受け入れなども検討する。人員や店
舗の整理などコスト削減や法人需要の開拓などで収益性の改善を急ぐ方針ですが、どこま
で実現性があるのかは不明です。

SBGの孫会長も未公開株ファンド事業に乗り出しましたが、滑り出しは順調でしたが、金
融情勢の変化もあり昨年から一転巨額な赤字に転落しました。世界のユニコーン企業に幅
広く投資するという戦略が今となっては果たして良いタイミングだったのか大きな疑問です。

日本電産の躓きは後継者問題の迷走です。そこに業績悪化が表面化しました。実名こそ挙
げませんでしたが、業績悪化の要因が関前CEOの経営にあったとの発言が永守会長からあ
りました。一代で日本電産を世界的な企業に成長させた手腕は立派ですが、外部から後継
者を連れてきたのも永守氏です。

会社の経営方針との対立があったとしても業績悪化の責任を一手に前社長に押し付けるのは
カリスマ経営者としての晩節を汚すもののように感じます。会社の成長が続いている間はオ
ーナー経営者には賛辞が絶えませんが一旦業績不振に陥るとワンマン体制ゆえに経営者の暴
走を止められないという現実も見えてきます。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 特効薬 | トップ | 自動車セクターの賞味期限 »

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事