kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

巨額な減損リスクに注意

2020-03-24 05:12:38 | 日記
欧米中心に爆発的な感染拡大が続いている新型コロナウイルスの
猛威はまだ鎮静化の目途さえつきません。東京でのオリンピック
の開催はほぼ延期で間違いないでしょう。新型コロナウイルスも
当初の半年で終息という甘い期待は消え失せています。

夏を迎える前に終息するという期待もほぼ絶望的です。当面は経
済を犠牲にしてまで感染拡大阻止が世界の共通の目標です。感染
のピークを越えた後は新型コロナウイルスと上手く折り合いを付
けながら徐々に出来ることから経済を正常の姿に戻すことが始ま
りそうです。最も現時点ではその時期がいつになるか見当もつき
ません。

欧州共同体はヒト、カネ、モノの自由な往来が理念の一つです。
人が中に行き来すれば感染症のような病気はあっという間に広が
ります。1月末に武漢を閉鎖した時点で武漢からは既に500万人が
中国の他の地域や海外に出たと言われています。

中国は武漢閉鎖と同時に国民の移動を厳しく制限しましたから武
漢以外の地域で爆発的な感染は発生しませんでしたがその時点の
新型コロナウイルスはアジアで発生した感染症で自分たちには無
関係だと決めつけていた欧州で中国以上に感染者が爆発的に増え
るとはこの時点で知る由もありませんでした。

対岸の火事だ決めつけていた欧州でそして米国でオーバーシュート
が発生した一方、中国のお隣の台湾はいち早く水際対策を進めたこ
とで現時点では爆発的に感染者は増加していません。感染症に対す
る初動がいかに大事か大きな教訓になりました。

この感染症がリーマンショックを超える経済への打撃を与えるとい
う前提に立って国も企業も国民も取り組む必要がありそうです。株
式市場が経済の鑑で先見性があるとしたら記録的な株価の下落は既
に経済低迷が10年に一度あるか無いのかを示唆しています。

経営者も企業も年初までの事業計画を白紙に戻し様々な対策を打た
なければなりません。今後の投資でいくつかの注意点を投資家は調
べ確認しておかなければなりません。そうすれば既に感染のホット
スポットが中国からイタリアに広がった時点で欧州全体にやがて広
がることは想像できます。

数年前に欧州でビール事業の巨額買収をしたアサヒは昨年も1兆2000億
円で豪州のビール事業を買収しました。市場にお懸念はアサヒが近年
強化してきた高級ビール事業が業務用中心に大きな逆風になり巨額な
減損が発生するといった懸念でしょうか。ライバルのキリンの3月1日
から19日まで7%の上昇に対してアサヒは22%も下落しています。

アサヒに積極的な限らず積極的なM&Aをここ数年してきた企業には
巨額な減損のリスクが高まっていることに注意が必要です。株価の
大幅下落で値ごろ感があってももし巨額な減損の可能性がある企業
への投資には特に注意が必要です。

新型コロナウイルスの影響はレバレッジを使った積極経営が売りだっ
たSBGにも大きな政策変更を迫りました。あれだけ保有資産の売却に
慎重だった孫社長兼会長も資産を売却して負債返済や自社株買いをす
ることを発表しました。それだけこのところの株価暴落で追い詰めら
れたということでしょう。今は成長期待よりも健全性が重視される局
面です。
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