kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

信頼の大切さ

2014-05-19 09:02:59 | 日記
先週の市場で大きな話題になったニュースはアマダの積極的な株主還元策で
した。増配と自社株買いで利益のすべてを還元するという方針は新鮮な驚きを
市場に与えました。円安基調の変調から今期業績に対して過大な期待が剥落
して全体相場の大きな水準訂正が期待できない状況で増配で配当利回りの向
上や自社株買いでROEの改善を経営目標に据えるという会社側の方針は新鮮
でした。

勿論アマダの今期業績の明るい見通しも支援材料ですがそれ以上にかねてから
日本企業は必要以上に現金を溜め込み株主還元に消極的だという流れが変わる
かもしれないという期待感を持たせるには十分な内容でした。アマダの大幅上昇
は市場の期待感を高めたことが大きかったようです。

その事例と反対な企業はジャパンディスプレイでした。上場後1ヶ月も足らずで
業績の下方修正をしたことで完全に市場からの信頼は地に落ちました。そのこ
とを改めて改めて確認したのは16日の市場の反応でした。前日2015年3月期に
は65%の増益予想だと発表したにも拘らず株価は取引直後から売りが殺到し
結局前日比12%の下落で終わりました。

週末の株価は3月19日の初値769円から251円下落(下落率32.6%)公開価格
900円に対しては382円下落(下落率は42.4%)となりました。IPOとしては一度
も公開価格を超えることなく大幅に下落した訳ですから完全に失敗案件だった
ということになります。業績見通しの甘ささから市場の信頼を完全に失ったジャ
パンディスプレイ株の本格的な株価出直りはしばらく期待できないかもしれま
せん。

投資における信頼を失くことが如何に大きいことか会社側は身を以て今後も
感じることでしょう。信頼を失った株価は単に数字の羅列に過ぎません。大切
なお金を投じるに値しない無機質なものとなります。株式市場は当面成長より
も安定感、安心感を持てるような銘柄に焦点が当たりそうです。
コメント
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