kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

アマダサプライズ(その1)

2014-05-17 16:06:17 | 日記
16日のNY市場の大幅安や101円半ばの円高で東京市場は再び1万4000円
割れ寸前のところまで下げてしまいました。来週は4月14日の1万3885円(ザ
ラ場安値)あたりを再び意識しなければならないかもしれません。雇用統計
などの経済指標からは米国の景気回復が確実に進んでいるように見えます
が、住宅指標の弱さなどから回復の勢いは当初思ったほどではないのかも
しれません。株価上昇と同時に長期金利が低下するという不思議な現象が
起きています。

相反する現象のどちらかが間違っているということが表面化し巻き戻しが起き
た時には為替や株式市場も波乱は免れないのかもしれません。今言えること
は市場関係者が年末に想定したとおりに米国景気回復→長期金利上昇→110
円を目指す円安トレンドの進行というシナリオが少なくとも今までは起こらず
もしそのシナリオに沿ったポジションが何かのキッカケで解消され市場の波乱
要因となりかねないことです。

そして東京市場の流れもかなり変わってきたようです。企業が稼いだキャッシュ
の使い道は(1)設備投資(2)M&A(3)自社株買いや増配といった株主還元が
考えられます。経済成長のためには(1)及び(2)が効果的だと思われ株価も好
意的な反応を示すことが多かったようです。(3)の株主還元策は優先順位では
3番目という具合に捉えられていました。

ところが16日の東京市場を見る限り現状では(3)がもっとも市場から好感されて
いるようです。反対に(2)の代表銘柄でネット企業の代表銘柄であるヤフーや楽
天が年初来安値をともに更新しました。ソフトバンクも一日中軟調な展開でした。
背景にあるのは巨額なM&Aが成長を加速することに対して疑問符が付いたこ
とです。楽天は2011年にカナダの電子書籍販売のKOBOを236億円で買収しま
したが買収後ずっと赤字続きで黒字化の目途は立っていません。

2月には無料通話アプリのバイバーメディアを920億円で買収することを発表し
積極的なM&A戦略はまだまだ続きそうです。楽天はネット証券や銀行、旅行
代理店、クレジットカード企業などを次々に買収して業容を拡大してきました。
今までは楽天の成長にM&Aはこれまで大きく貢献しました。しかしKOBOや
バイバーメディア買収はもしかしたら高い買い物になってしまうかもしれません。

ヤフーは3月27日に親会社のソフトバンクから通信サービスのイー・アクセスを
3240億円という巨額な金額で買収することを発表しました。市場ではなぜこの
時期に競争の激しい通信事業に参入するのか。しかも親会社のソフトバンクか
ら買収したことにより米国のTモバイル買収に備えてキャッシュが必要なソフト
バンクへの資金支援の側面が強いのではないかとこの買収劇を疑問視する
見方もありました。

少なくとも市場からはM&Aなら何でも手放しで歓迎される時期は過ぎたよう
です。製薬大手の第一三共が買収した後発薬大手のインドのランバクシーや
ドコモが出資した同じくインドの携帯事業者タタ・テレサービスなど失敗に終わ
るケースも出てきました。それぞれ5000億円、2670億円といった巨額のM&A
で期待も高い案件でした。

一方16日の市場で話題をさらったのがアマダの株主還元策です。
この続きは明日の掲載します。

コメント
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