kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

総選挙後の株価はどのように動くか

2012-12-15 10:05:27 | 日記
野田総理が衆議院の解散を明示して以来東京市場は1100円上昇して9700円
台まできました。1か月前にこの水準を誰が予想したでしょうか。やはり円安
効果と外国人投資家の買いが東京市場の栄養剤であると改めて実感しまし
た。もっともこの上昇局面の期間、物色の中身は微妙に変化しています。当
初円安反転を梃子にして収益改善の大きな自動車株や精密株が急騰しました。

次に素材や機械株などが中国の経済指標の底打ちと上海市場の上昇もあり
騰勢を強めました。あれだけダメ株の象徴だった家電3社もシャープを筆頭
に今週大幅な値上がりをしました。そして自民圧勝が伝わると建設や橋梁銘
柄なども買い直されました。

一方多くの銘柄が値を上げる状況でも11月まで上昇基調だった食品や小売
株それに通信セクターの一角は軟調な展開でした。日の当たっていた銘柄に
翳りが出て雨模様だった銘柄に薄日が差した展開でした。この間でも上昇基
調を維持していたファーストリテイリングはおそらく小売株の中では特別な存
在なのでしょう。

いずれにしても多くの投資家の懐具合はこの1ケ月で大きく改善しました。も
っとも強気相場が市場を支配している時こそ慎重な投資行動が必要なことは
過去の事例が何度も示しています。そう考えるといくつかの気になるデータが
増えてきたのも事実です。

一つ目は信用評価損益です。今週の損益は一けた台後半まで改善したよう
です。利益の出ている銘柄を売りマイナスの出ている銘柄を持続しています
から損益が常にマイナスなのは当たり前です。問題は水準です。相場が大き
な調整局面だと20%を超えるケースもあります。反対に過熱気味の状況局面
では10%を割り込む場合もあります。

そして過去の例で言えばその後いずれのケースでもその後市場は前者は調
整に後者は上昇局面になる場合が多いようです。また移動平均との乖離率
5%超、騰落レシオは買われ過ぎの目安の120%越えとテクニカル的な数値
はいずれも過熱感を示しています。また空売り比率は13日、14日と続けて
20%を割れています。通常は20%前半と30%前後を行ったり来たりしていま
すからこの数字はいかに市場では強気ムードが支配していているかが分かり
ます。

また今回の上昇は政権交代で政策の変化を期待した相場です。それも16日
の投票で山場を迎えます。すべての事項が良い方向に転じてここまで上昇し
てきましたが節目の1万円を目前にして強気一辺倒の投資方針には一抹の
不安があります。目先調整入りも頭に入れながら来週は選挙結果と日銀の
決断を見守る局面かもしれません。掉尾の一振を期待しつつも高値波乱も
考えながらの投資が求められます。
コメント
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