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経営を考える6

2009年03月16日 | Weblog
経営管理
経営を管理するためには、経営分析が必要であるが、それは一般的には財務分析を指す。財務分析とは財務諸表である、損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)から得られる数値データから経営状態を明らかにすることをいい、当該企業の経営成績から、問題点を抽出することにある。

本によって表現の違いはあるが、経営分析では「安全性」、「収益性」、「効率性」、などを評価する。評価基準として、これまでの自社の実績との比較や同業種、同業態との比較などがある。利益が出ているかどうか。当座資金に余裕はあるか。不良在庫は増加していないか。売掛金の回収状況は良いか。金利の高い借金を抱えていないか。など一般的な着眼点で自社の財務諸表を診るだけでなく、「流動比率」、「当座比率」、「営業利益率」、「棚卸資産回転率」や「総資本回転率」などの経営指標を計算して確認する。「付加価値生産性」など労働生産性までにも踏み込めればなおいい。

これらは財務会計の勉強を少しした人なら常識であるけれど、日常管理として自社の経営に活かすことと、単に知っていることとは次元が異なる。難しい理論を振りかざす必要はない。四則計算ができれば十分である。

財務諸表は、自社の経営状況を知るための大切な管理会計のベースとなる。損益分岐点は確認しておく必要がある。費用を固定費と変動費に分ける*3)のも簡単ではないが、自社の費用をしっかり見極め、損益分岐点比率を余裕のあるレベルに維持したい。僅かな売上高低下で赤字になって慌てることのないようにしたい。

税務申告用に、年1回財務諸表を作って眺めるのではなく、日常的に財務状況をチェックすることが経営管理である。また全社としての財務状況や損益状況を診るだけでなく、製品・商品別に原価計算を行い、収益性を確認することや取引先別の収益性など、細やかな管理が望まれる。

また、経理部門だけにそれらの管理を委ねるのではなく、各職場のリーダーは、自職場の費用構造をしっかりと把握しておくことが必要である。職場毎に複式簿記は要らないが、リーダーは担当者から回って来た購入伝票や支払い伝票に単に判を押すだけでなく、自職場の費用簿をつけて無駄な経費の圧縮に努めるべきだ。真に不況に強い体質の企業とするためには、全社的品質管理活動と同様に全社的経費管理活動が必要である。

*3)固定費と変動費の分け方には、各勘定科目ごとに変動費か固定費かを決定しておく勘定科目法や、高低点法、散布図法、最小自乗法などがある。
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