鯛の子

2015-04-03 17:59:13 | 食べる
春ですね。
デパ地下に鯛の子を売っていました。

年に一度は春、鯛の子。といきたいもんで

ところがカミサンが魚卵は好きではない。
特に白子が駄目。
(クモコなら食べるという不思議)

もちろん辛子明太子などは食べます。

どうも、安物の魚臭い魚卵煮付なんかのイメージが
あるらしい。
(私だって、不味いものはパス)

よって、売り場で夫婦間の談判がはじまり
「あなたが作るのなら」となります。


昆布出汁に、酒、味醂、醤油で薄味を付け
生姜の千切を加えます。

よく洗った鯛の子を上記のダシで煮ます。
ブレゼという煮方ですね。

ゆっくりと火を通して、卵だけを引き上げ
残った煮汁を煮詰めてソースに。

出初めの木の芽を散らせば、完成。

鮮度の良い魚卵であれば、臭みなどまったくない
舌触りのよい、春の潮が醸す濃くて、且あっさりとした
料理が出来あがります。

簡単。


余談ですが、先日、上沼恵美子が料理番組で
「目分量で料理をする人は不味い
 レシピをきちんと守るべき」と言っていました。

何、言ってんだかオバハン。

料理は目分量。
それができなきゃ、余りものの活用をしてもう一品
なんてできやしない。

私が若かりしころ『檀流クッキング』とか
辰巳浜子『料理歳時記』なんてベストセラーがありましたが
すべて「目分量」の世界です。

そこから抜け出たのが、『鉄人』で名をなした陳健一の
レシピ本です。
画期的でした。

でも、今はレシピに頼りすぎ。

上沼オバハンのような「冗談」まじりの言動が
料理下手を増やすのです。


鯛の子には、『天寶一』をちびちびと。
瀬戸内の食文化ですねえ。

『折々のことば』4/3

2015-04-03 14:02:00 | 「折々」読んで
コラム『折々のことば』は4/3で第3回です。
毎回、イチャモンは品が無いのですけれど。

4/3は芭蕉の引用。
芭蕉にはひれ伏さざるを得ませんね。


『ちちは汝を悪(にくむ)にあらじ、
母は汝をうとむにあらじ。
唯これ天にして汝が性(さが)のつたなきをなけ。』
                 松尾芭蕉

ただしこれも短すぎる引用では誤解を
与えかねないようです。
筆者はここをスタートにして芭蕉に入れと言われるのかなあ。

旅の途中に捨子に遭遇した場面の内面描写でした。

お前に何もしてやれないけれど、これは教えられる。
「捨てた親を恨むな。お前の運命だと思って生きよ。」という
ことなのでしょう。
何もできない自分を責めつつ。

とはいえ、かなり、上から目線ですね。
時代がそうさせる文章なのでしょう。
ノンフィクションとフィクションの境目が融通無碍であった
芭蕉ならではの作品かもしれません。

それらを加味しないと、お前の運が悪いのだ、とは
いかにもチベタイ申されようじゃありませんか。