個別だって問題はある

2011-08-31 10:32:52 | 塾あれこれ
ADHDの少年についてミニ連載がありました。
誤解を恐れずにいえば落ち着きがない人のこと
ですが、病気からきているケースです。

ADHDは注意欠陥多動障碍(害)と訳されます。
(当ブログで09年9/28などでも触れています)

まだ分からないことも多い病気のようで
人により診断も違ってくるそうですから
私のような素人が勝手なことを書くのは危険。

学校で一斉授業などをするときにADHDの生徒は
流れに乗れないで先生が困ってしまうことがあります。
教室を立ち歩いたり、関係のないおしゃべりをしたり
などですが、しつけとか訓練の問題ではなく
病気からの場合もあるということで、間違った偏見を
抱かないように病気を知っておかねばなりません。

けれど生半可な知識では危ないし、かといって専門家に
なれるわけでもないし、難しい話ですね。


上記の連載で興味を引いたのが
「個別授業はイヤだ、皆と同じ一斉授業を受けたい」
という少年の気持ちです。

小学校では「特別扱い」で個別に対応されていたのが
当人にとっては苦痛だったのです。

中学になり、ADHDゆえに授業についてゆくのは
難しいけれど、それでもクラスに参加できる体制が
嬉しいといいます。

分かりますよね。

心の底から拒否反応が噴き出して授業を乱すことが
あるのに、それでも皆と授業を受けたいのです。
(それを許してくれるクラスメイトの素晴らしさ!)


上記の例で分かるように「個別」だって万能では
ありません。

特に一斉授業をしている同じ屋根の下で「個別」も
というのは難しい場合があります。

補習などでも同じような問題が起こりえます。

子供のプライドを傷つけてしまうのです。

傷ついても我慢する子が多いと思われます。
あるいは自分の気持ちを訴えられないのです。

うっかりすると大人が見逃すのではないでしょうか。

そうでなければ,個別に対応してもらっているのに嫌で
嫌で仕方なかった,という生徒がそんなに出るわけが
ありません。

副担任がべったりついたり、皆と対応が違ったり
子供は深く傷つくことがあるのです。
(親御さんから直接伺ったこともあります)

推測するに、これらはどの塾でも起こりうることです。
個別方式ではありえない、ともいえません。

ADHDとかアスペルガーとか、に関係なくすべての
生徒に大なり小なり起きうることです。

以前、ブログで触れているのであまり書きませんが
30年前、京都の塾の先生に教えられました。

「何が一番大切かやて?プライドやろ。
 出来ん子を 居残りさして教えたりしとらんか?
 その子のプライドをよう考えとかんと、逆につぶす
 ことにもなりかねん」


私の塾でもグンと負荷を掛けるタイミングが難しいことは
しばしば感じております。
シンドイ塾ですから、どこかで負荷をかけます。

負荷がかかって出来ないとプライドにも関わります。
中には塾を辞めてしまう子もいます。

負荷がかかっても乗り越えられる生徒になってほしい。
が、そのタイミングを間違えると本人がシンドすぎる。

親切に手とり足とりでその子のためになるとは思えません。
楽しい授業で、なおかつ負荷ですか・・・ん~

ン十年やってこれです。
難しいですね。

・・・あ。
   私の個人的能力の問題か?