きぬぎぬの別れ

きぬぎぬの別れ

ホテルのチェックアウト間際。
すれ違う女性の肌が「艶（つや）っぽく」感じてしまうのは、
偏見、それとも、思い込みなのでしょうか。
いずれにせよ、色が豊になり、艶を感じる。
この漢字の体現した、肌の女性とすれ違うことが多い。
そう思うのは、私だけでしょうか。

「素顔を曝せないから、（化粧が）濃くなってしまう。」
そんな声も聞こえてきそうですが、
それを考慮しても、化学の力ではなく
生き物の、自然の力によって、肌の色が豊かになっていると感じるのです、
表面だけではなく、皮膚の内側からの色香なのでしょう。
むろん、ホテルの照明などが理由ではないはずです。

「きぬぎぬ」を漢字で書くと「後朝」となります。
衣（ころも）の音を重ね、この漢字を当てる。
朝が来る前、重ねたとのは、衣だけではないかも。
そんな意味と光景すべてを重ねて、言葉をつくってしまう。
日本語は、古い言葉は、とても艶（なまめ）かしいのです。
すれ違った女性の肌の艶の色香ともに、
後朝にせよ、艶にせよ、こんな素敵な言葉に感動してしまいます。
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%A4%AD%A4%CC&kind=jn&mode=0&base=21&row=8