十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

残菊

2016-02-10 | Weblog
残菊に我が来し方を括るなり      本田久子

まだ咲き残っている菊を括りながら、残菊に自分の来し方を投影している作者である。最も美しい時を過ぎてなお、咲きつぐ菊を括るということは、「我が来し方」を括ることに似ているという一つの諦観。「括る」に二つの意味が込められた詩情高い一句である。「阿蘇」2月号より抄出。(Midori)