JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

太鼓腹のヒマン

2009年11月12日 | a-c

暖かさも昨日まで、雨が冷たい風を置きみやげに通り過ぎていきました。

やれ、豊島区では結婚詐欺師の女のまわりでの不審死、鳥取では元ホステスの女のまわりでの不審死、
「女、コエ~~」
なんて思っていたら、島根では女子大生のバラバラ事件。さらには、市橋容疑者逮捕。そうそう大御所、森繁久弥さんもお亡くなりになりましたねぇ
なんだか、あまり愉快とは言えないニュースが新聞紙面をにぎわしています。
それに加え、昨日から始まった『事業仕分け』、オバマ大統領の来日と、ニュースには事欠かない毎日がしばらく続きそうです。

そんな中、昨日の朝日新聞一面に『奈良に3世紀最大の建物跡』との記事が掲載されておりました。「邪馬台国論争 新たな火種」となる発掘・発見なのだそうでありますが、
私のような素人でも、中国の正史『三国志』の中の「魏書」、いわゆる『魏志倭人伝』に記された『邪馬台国』そして女王『卑弥呼』の名はあたりまえのように知っており、「その『邪馬台国』が日本の何処にあったのか?」との論争が、古くは江戸時代から繰り広げられていたことも知っています。
まっ、小学生の頃、「卑弥呼の末裔が天皇なんでしょ」なんて思っていた東北人の私は、そこまで熱くなる論争の本当の意味は理解していないんでしょうけどね。
でも、あの映画『レッドクリフ』の時代、日本では何処でどんな事が起きていたのか、興味がないわけじゃありません。

「倭人は帯方郡の東南の大海の中にある山の多い島に住んでいる。漢の時代には百余国に分かれ、朝貢する者もあったが、いまは三十個が朝貢する。・・・・・・」
帯方郡から狗邪韓国、対馬国、一支国、末廬国、伊都国、奴国、不弥国、投馬国と経て『邪馬台国』へと向かう道のりは、どうたどっても日本の陸地には着かないというところに、多くの学者が、やれ九州だ、やれ畿内だ、やれ四国だ、やれ琉球だ、と喧々囂々しているわけです。

そんな中、奈良県桜井市の纒向遺跡(昨年発掘された木製仮面は、ちょっと不気味な感じがしましたよね)で今回発掘された大型建造物跡は、畿内説に大いなる力を与える発見だというのですが、一方の九州説派に言わせれば「時代考察に問題がある」と反論をする。
そうそう、四国阿波説派によれば、同地には、奈良、京都において花開く古代国家のルーツとなる原始的国家が存在していたという痕跡が残されており、この由来を伝える歴史書『阿波風土記』なるものが、明治時代まで現存していたそうです。ところが何者かによってこれが持ち去られ抹消されたのだとか。この『阿波風土記』には、卑弥呼の邪馬台国と大和朝廷を結びつける何かが書かれており、これが天皇家にとって何らかの不都合があるために抹消された・・・・・・怖いですねぇ(笑)

いずれ、当時はまだ混沌とした日本、新たな発掘と発見が今後も進み、学者さんばかりでなく、我々一般ヒープルも太古のロマンを語り合うことに、歴史の面白味があるのではないでしょうか。
だとすれば、決定的証拠、例えば朱印のような物は発掘されない方が良いのかもしれませんよね。
えっ?あんたの場合は「太古のロマン」じゃなくて「太鼓腹のヒマン」だって?失礼な!
ともかく、中国には及ばずとも、日本にも永い歴史があるって事ですよ。興味深いなぁ。

さて、今日の一枚は、アルバート・アイラーです。
私がアイラーを紹介するというのは、じつに珍しいことでありまして、
ご存じの通り、私はフリージャズに対して、違和感どころか多いに支持している一人だと思っています。
では何故にアイラーは?
どうにもアイラーの演奏というより、音が好きになれなかったのかなぁ?
丸みが無くてストレートすぎる?いや違うなぁ・・・・ともかく音です音。
音に対する違和感というのは、例えば「黒板を爪で引っ掻く音」(考えただけでゾゾってしますけど。笑)みたいに、ほぼ万人が嫌う音もあれば、「何処がどうだじゃなくて、ともかく嫌いなの」って音もあるでしょ、私にとってアイラーのサックスは後者の音だったんだと思います。

その違和感も、歳のせいか最近やっと取れてきて、このアルバムもなんとなく聴けるようになってきました。

そういえば、彼の命日は今月の25日でしたね。(えっ何で覚えてるかって?そりぁあ~た三島由紀夫割腹自殺の日ですから。)アイラーの死は、自殺だ、事故だ、他殺だ、事件に巻き込まれただのじつにミステリアスでありましたね。

おっと、そんな話はさておき、やはりこのアルバムで注目される曲と言えば「SUMMERTIME」ということになるんでしょうか?
じつに素直に涙を流すがごとく吹いてますよね。これならフリーがダメなあなたでも大丈夫でしょう。私的には「やっぱ「C.T.」でしょ」てな、フリーを毛嫌いするあなたにはフラれそうな事を言ってしまいますけど。(笑)

そうそう
このアルバムで何が驚きって、私好みのベーシスト、ニール・ペデルセンでしょ。この時なんと15才?う~~ん、唸ってしまいます。

ともかく、最近やっと素直に聴くこどができるようになった、アイラーでした。

MY NAME IS ALBERT AYLER
1963年1月14日
ALBERT AYLER(ss,ts) NIELS BRONSTED(p) NIELS-HENNING φRSTED PEDERSEN(b) RONNIE GARDINER(ds)

1.INTRODUCTION BY ALBERT AYLER
2.BYE,BYE BLACKBIRD
3.BILLIE'S BOUNCE
4.SUMMERTIME
5.ON GREEN DOLPHIN STREET
6.C.T.


新米に新米はわかるめぇ

2009年11月09日 | y-その他

今日は朝から曇り空かと思ったら、気持ちの良い陽射しで目覚めました。天気の崩れはいくぶん遅れているようですね。
昨晩は、ここ何日間かの疲れ(たいしたこともしてないんですが)が出たのか、アルコールに負けたのか、日曜劇場『JIN-仁-』を見ながら爆睡、途中寝床には移動したものの、ほぼ今朝まで9時間以上、充分過ぎるほどの睡眠を取ってしまいました。まっ、たまには良いでしょう。
てなことで、今日は、昼休みに更新です。

昨日、会津に住む伯母から新米が届きました。
今朝さっそく炊きたてをいただきましたが、色・艶・味、これに勝るものはありません。「日本人でよかったぁ~~」てなところですかねぇ、伯母には心から感謝しております。

「女は、とれたてよりちょっと熟成して色艶が増す。てなこともあるけど米は違うね。まっ女も限度はあるけど・・・そんでも新米を追いかける男も男だってか」なんて事は口が裂けても言えませんが、
「ところでさぁ、新米って、いつまで新米なんだろう?」
どうでもいいことをふと考えてしまうのは私の悪い癖でありまして、
「今年いっぱいくらいじゃないの」
とは家人。
「いや、違うだろ、翌年の新米が出るまでは、新米なんじゃね」

ちょっと調べてみると、これはじつにいいかげんらしく、明確な基準は無いようであります。しいて言えば、JAS法に「玄米及び精米品質表示基準」というものがあって、「新米と表示できるのは、収穫年の年末までに精白・包装された精米に限る。」ということらしいですが、これも表示に関する規定ですから、昨今の『偽装なんとか』を考えると何処まで信用できるものか・・・・・
つまりは、色・艶・味を自分で判断して「ここまでは新米で許せる」みたいな、「違いが分かる舌」が必要なんでありましょう。
「そもそも、てめぇみてぇな新米に新米の味の判断は無理だよ。」
ですかね。
いずれ、伯母が送ってくれたこれは、まぎれもない新米、この味を舌に覚え込ませることが肝心でありますね。

新米といえば、『新米ブロガー』の飲みダチS君、毎日の更新とはいかずとも今のところそこそこ続けているようでありまして、
「バブ、写真をブログに載せるにはどうすんだっけ?」
「いまさらかい!」

昨日、わざわざ行ってレクチャーしてまいりました。(笑)
ここ二、三日内には、写真付き記事が更新されることを期待しています。
米とは違い、この新米ブログの味は保証できませんが、よろしければ一度覗いてやってみて下さい。(新米ブロガーS君の『SATOUKEN日誌』は、こちらです。)

さて、今日の一枚は、ラリー・ヤングです。

以前「UNITY」を紹介したときに「私には「INTO SOMETHIN !」あたりから始まった彼の新しい挑戦には、どう聴いてもエルビン・ジョーンズが大きく影響したと思えてしまいます。エルビンあってこその「オルガンのコルトレーン」だったのかと。」てな事を書きましたが、そのブルーノート移籍第一弾が今日のアルバムです。

マイルスの「BITCHES BREW」以降はともかく、ブルーノート時代のヤングは、私の中ではジミー・スミスを超える存在であるように思います。
今日のこのアルバムも「UNITY」よりはかなりインパクトが薄いとはいっても、プレスティッジ時代などと比べると「オルガンは、スミスだけじゃない」と思わせるに充分な一枚ではないでしょうか。

これもやはり「エルビンの力が大きい」と思ってしまう私ですが、サム・リバース、グラント・グリーンというある意味対局の二人が参加することで、さらにスミス色を消すスパイスが加わっているとも思えます。
とか言いつつ「じつはリバースが抜けた「RITHA」が好きだ」なんて言うと、怒られそうですがね。

ともかく、「ブルーノートのヤングは「UNITY」だけじゃない。オルガンは、スミスだけじゃない。」そんな一枚です。

INTO SOMETHIN ! / LARRY YOUNG
1964年10月12日録音
LARRY YOUNG(org) SAM RIVERS(ts) GRANT GREEN(g) ELVIN JONES(ds)

1.TYRONE
2.PLAZA DE TOROS
3.PARIS EYES
4.BACKUP
5.RITHA

おまけ、
昨晩は更新もせずに熟睡してしまいましたので、ここで『料理当番、本日の一品』です。(正確には『昨日の一品』ですね)

まずは、鮭のちゃんちゃん焼き風です。
もちろん食べるときは鮭の身をほぐして、野菜と一緒に・・・・昨晩は「Mさんのコンビニのプライベートブランド白ワイン、598円也」の試飲も兼ねていたので、日本酒ではなく飲んだのはその白ワインでしたが、バターとニンニクをきかせた味噌味は、白ワインにも良く合いましたよ。
おっと、宣伝宣伝。このプライベートブランドの白ワイン、値段のわりにはじゅうぶんいただける代物でした。良かったらお試しあれ。

こちらは、鶏手羽の煮物。白ワインには・・・どうだったかなぁ(笑)


♪の、の、の、のが三つ?

2009年11月07日 | m-o

今日は『立冬』、暦の上ではいよいよ冬の始まりですね。これからは『小雪』、『大雪』、『冬至』と冬本番に季節は巡るわけでありますが、どうにも今日の天気は『立冬』という雰囲気ではありません。今、我が趣味部屋は窓全開で、おもてに漏れる音を気にしながらレコードを聴いています。

毎回毎回「またその話題かい」と言われそうですが、今日の朝日新聞土曜版『be』の「song 歌の旅」は、この秋、神戸に現れた復興の巨大シンボル『鉄人28号』を題材に『震災のまちに「ガオー」』という、デュークエイセスの同アニメ主題歌を取り上げたものでした。

『鉄人28号』といえば、まさに我が幼少期のヒーローでありました。もちろん主題歌もほぼソラで歌えるほどでありますが、「『28』という数字がアメリカの爆撃機「B29」からイメージされたものであった」とか、「実際に番組の冒頭で使われた主題歌が、じつは二番の歌詞だった」とか、知りませんでした。
さらに面白かったのは、歌詞とともに鮮明に覚えている最後の「♪グリコ、グリコ、グ・リ・コ~~♪」というスポンサー名が、始めから歌詞に盛り込まれていたという事です。つまり、主題歌そのものがCMソングであったわけですねぇ・・・・私のように未だ記憶に残る人は数多くいるはずですので、仕掛け人の電通さんの思う壺にはまった方は、私だけではなかったということでしょう。

この曲を作ったのは三木鶏郎氏。この方の名は私も知っています。CMソングの草分け的存在ですよね。あの船橋ヘルスセンターのCMソングや「♪明るいナショナル 明るいナショナル・・・・♪」「♪キリン レモン キリン レモン・・・・♪」あれを作った方でしょ?
そういえば、昔、彼女と「歌のしりとり」をすることが、ちょっとしたマイブームになったことがありましてね。間を持て余すとよくやってました。
手をつないで街を歩きながら、大声ではありませんが歌を唄って、歌詞を途中で止めて「♪・・・・て♪、の『て』ね」なんてね。(笑)
そんでもって、いずれ歌に詰まると、
「♪・・・の♪ の『の』だよ」
「の・の・の・の・・・・・・・♪の の のぉ のが三つ、の の のぉ のが三つ♪」
「それは『わ』でしょ」
最後は必ずこれなんであります。
たしかその『ミツワ石鹸』のCMソングを作ったのも三木氏だったと思います。

そういえば、当時のテレビアニメは、スポンサーがバーンと頭に浮かんできますもんねぇ
「鉄人はグリコ、アトムは明治、エイトマンはのりたま」みたいな。(笑)
そんなところにも、現代とは大きな違いがあったんですね。

いずれにしても「神戸の復興のシンボル、住民を元気づけるモニュメント」として作られたと私も思っていた『巨大鉄人28号』も、じつは「観光客やテナントを呼び込む切り札として作られた」と知って、神戸の方々のたくましさと、最初にスポンサーありきの主題歌とに、みょうに共通点を感じてしまった私でした。
いやいや、これは良いことだと思います。この精神が復興を続ける神戸のバイタリティーなのでしょう。まさに見習うべき精神です。

さて、今日の一枚は、先ほどまで漏れる音を気にしながら聴いていたジュニア・マンスです。
彼を「オスカー・ピーターソン系」という方も多くおられますが、私はこの「○○系」というのがどうも好きくありません。電車マニアでもありませんしね。(笑)
前回のランディ・ウエストンはモンク系だとか、どうにも誰かに似せないと済ませないという人がいるんでありましょうかねぇ。
もっと素直に、ソウルフルなブルース弾きの演奏を楽しみゃあエエじゃありませんか。って何怒ってんだろ?(笑)

ともかく、「ジュニア・マンスのアルバムというと、ヴァーブの「JUNIOR」だけじゃないんだぞ」と言いたいのでありますよ、はい。

JUNIOR'S BLUES / JUNIOR MANCE
1963年2月14日録音
JUNIOR MANCE(p) BOB CRANSHAW(b) MICKEY ROKER(ds)

1.DOWN THE LINE
2.CREOLE LOVE CALL
3.RAINY MORNIN' BLUES
4.YANCEY SPECIAL
5.GRAVY WALTZ
6.CRACKLIN'
7.IN THE EVENING
8.BLUE MONK
9.THE JUMPIN' BLUES


我が愛に自信なし

2009年11月05日 | v-x

昨晩は久しぶりにはやく帰宅したので、ビールでも飲みながら野球の日本シリーズでも見ようかと思ったのですが、どうにもこうにもジャイアンツの分が悪い。ここで見るのを止めてしまうのはいかにも真のファンではない証拠なのでありますけど、ともかく、深酒前に風呂を済ませ、他のチャンネルをバチバチバチ
「いやぁ、やっぱりつまらん」
ちっとも面白そうな番組をやっちゃいません。(あくまで私感です。)
なら、おとなしくレコードでも聴きながら本でも読んでいればいいものを、
「動く画像が、み・た・い」

見出したのは、パトリス・ルコント監督の映画『歓楽通り』であります。

パトリス・ルコントといえば『仕立て屋の恋』『髪結いの亭主』『橋の上の娘』『ダンデム』『タンゴ』なんてぇのもありましたねぇ、じつに、いかにも、まさしく、フランス映画といった作品を多く手がける監督さんです。
私は、このジタンやゴロワーズのごとき独特なフランス臭漂うルコントの映画が嫌いじゃありません。
派手さや奇抜な驚きなど全くなく、かといってとても身近にある現実ともいえず、淡々と進むストーリー、それでいて知らぬ間にのめり込んでいく、しかもこうして何度か見直しても何故か新鮮味を感じる・・・じつに不思議です。

時は1940年代、フランスの歓楽通りにある娼館オリエンタル・パレスで、娼婦の子として生まれ育ったプチ・ルイ、娼婦達に弟のように可愛がられる存在であり、彼女達を、日々必至にバックアップする存在でもあります。

そんなある日、オリエンタル・パレスに娼婦マリオンがやって来ます。彼女を一目見た瞬間、プチ・ルイは恋をするんですなぁ、いわゆる「ビビっときた」ってやつですか、ところが、この恋が普通の恋とはちょと違う、プチ・ルイは「お付き合いしたい」「自分だけの彼女でいて欲しい」「抱きたい」てなゲスなことは考えもしない。彼の想いはただ「マリオンが幸せをつかむこと」「マリオンの夢が叶うこと」。
マリオンが運命の人と信じたじつはろくでもない男、ディミトリ。運命の人と信じるマリオンの想いを壊すまいと奮闘するプチ・ルイ。
マリオンの夢である「レコード歌手」になんとかさせたいと奮闘するプチ・ルイ。

売春禁止法の施行後ずいぶんとたってからなんでしょうが、冒頭で若い路地娼婦がベテラン路地娼婦に
「この商売を辞めて幸せをつかんだ女がいる?」
と訊ねると
「いないわね、一人を除いては・・・・」
それが、マリオン。
う~~~~ん、深いねぇ。

・・・・・・・もう、後は映画を観てください。
ただ、プチ・ルイの献身という愛のかたち、そして、愛すればこそそれに甘えるマリオン、二人とも否定できるほど、我が愛に自信が持てない私です。(笑)

こういう映画って、その余韻だけでお酒が飲めるんですよねぇ
なんかこう悲しくて、せつなくて、それでいてホワ~~ンと暖かいような・・・・・
「ウイスキーうめぇ」
ログの更新も忘れ、またしても深酒に酔うバブ君でありましたとさ。

さて、今日の一枚は、内容からすればシャンソン・・・なわけありません、ランディ・ウエストンです。

我がログをご覧いただいている方には、このノッポなピアニスト、ウエストンが私好みであることはご承知かと思いますが、思うに、シングルトーンをうんと強く弾き込んだり、また時には和音をうんと重く押し込んだり、そうですねぇ、野球のピッチャーならコースをついてくるいやらしいタイプ(これが悪いわけじゃありませんけど)ではなく、緩急で勝負してくる直球派というか、そこに個性が加われば言うこと無い、みたいな(笑)
そんなピアノ演奏を生み出すのが、このデカイ手なんでありますよ。

このアルバムではトリオ演奏もさることながら、セシル・ペインのバリトンも光ってますね。「I CAN'T GET STARTED WITH YOU」の後追いでペインが入ってくるとこなんざぁゾクゾクします。

これもまた、私好みの一枚です。

WITH THESE HANDS / RANDY WESTON
1956年3月14,21日録音
RANDY WESTON(p) CECIL PAYNE(bs) AHMED ABDUL MALIK(b) WILBERT HOGAN(ds)

1.THE MAN I LOVE
2.SERENADE IN BLUE
3.I CAN'T GET STARTED WITH YOU
4.THIS CAN'T BE LOVE
5.THESE FOOLISH THINGS
6.LIFETIME
7.DO NOTHING TILL YOU HEAR FROM ME
8.LITTLE NILES


枯れちゃいない、紅葉さ

2009年11月03日 | m-o

予報どおり、昨日から一気に気温が下がり、昨夜帰宅する頃には吐く息が白くなっておりました。一昨日との温度差は・・・・考えると具合が悪くなりそうですので止めましょう。(笑)

一夜明けた今日、『文化の日』も昨晩降っていた冷たい雨は上がり青空が拡がったものの、寒い一日でした。
午前中は何もする気がおきずダラダラとレコードを聴きながら過ごしましたが、昼食後はここ一週間ほど鬱陶しくてしょうがなかった髪を切りに出掛けました。
「お客さん、髪型は?」
「鬱陶しさが無くなれば何でもいいから好きにして」
前にもお話ししたことがありましたが、私の髪は天パで、細くて、量が多いという、どうにかしようにもどうにもならない代物でありまして、それを自覚していますから、床屋に行って多くの注文を付けたことは生まれてこの方一度もありません。しかも眼鏡を外せばどんな髪型にされているのかもわかりゃしない。
「鏡をかざして、これでよろしいですか、ってぇのもいらないから」
後は目を閉じ、まな板の鯉よろしく理容師さんにお任せするだけなのであります。

そんなこんなでサッパリしてきた後は、珈琲でも飲みながらゆっくりと・・・・
「おい、なんだよ、珈琲がねぇ~ジャン」
しかたがありません、愛車『カオウ号』にまたがり、公園を巡りながらヤナイ珈琲さんまで行ってきました。

途中、『イチョウ公園』(私が勝手にそう呼んでいるだけなんですが)に立ち寄ってみると、まだ真っ黄色までは黄葉が進んでおりません。
「やっぱ、一晩くらいの寒さじゃ、まだまだかなぁ」
てな独り言を言いつつ帰宅、さっそく珈琲をたてていると
「○○、気が付かなかったけど、白髪がずいぶん増えたんでねぇがぁ」
と母。
「え~~???」
床屋から帰って、この時まで鏡を見ない自分にも驚きなんでありますが、


写真がかなりピンぼけで分かりにくいですが
○のあたりが特にひどいんです。

「ひぇ~~~、イチョウは黄葉してなくても、オレの髪が紅(白)葉してる~~~」
すると
「イチョウは黄葉だから、また春には芽吹くけど、だれかさんの場合は、もう芽吹かないからねぇ、紅葉と言うよりは枯れたってことでしょ」
「ククク~~~~~」
よくもまぁ傷口に塩を塗るような・・・・・・
なんだか美味しいはずの珈琲が、みょうに苦く感じた『文化の日』でした。

さて、気を取り直して、今日の一枚は、ハンク・モブレーです。
またまた、ブルーノートのお蔵入り録音の発掘盤であります。

これこそ、お蔵入りになった理由がよく分からない録音でありますねぇ、しいて考えられるとすれば曲数が足りなかった?
いやいや、アルバム「WORKOUT」(ブルーノート4080)の未発表曲「THREE COINS IN A FOUNTAIN」以外は半年以上たった12月5日に16Take録音され、曲数は5曲。つまりボツになった曲は無い事を考えると、「WORKOUT」に入りきらなかった一曲のために再度録音したと考える方が正解なわけで・・・・じゃあ、なしてボツ?
じつに不可解です。
もちろん、今更、モブレー本人にも、ライオンにも訊くことはできないわけですが。

内容は、さらにボツにさせられた理由が分からないほど、最も脂ののったモブレーが聴けるのであります。
「GETTIN' AND JETTIN'」「HANK'S OTHER SOUL」エエですねぇ(笑)
今晩は、Mさんのお店で598円のワインでも買ってきて、飲みながら聴きましょうかね。

ANOTHER WORKOUT / HANK MOBLEY
1961年3月26日, 12月5日録音
HANK MOBLEY(ts) WYNTON KELLY(p) PAUL CHAMBERS(b) PHILLY JOE JONES(ds)

1.OUT OF JOE'S BAG
2.I SHOULD CARE
3.GETTIN' AND JETTIN'
4.HANK'S OTHER SOUL
5. HELLO YOUNG LOVERS
6.THREE COINS IN A FOUNTAIN


王子、星に帰る

2009年11月01日 | m-o

今日から11月、気が付けば今年もあと二ヶ月で終わりなんですねぇ・・・
ここ何日間かは(昨日は曇ってそうでもなかったかな)何を着たらよいものやら戸惑うような暑さ(?)で、今日も自転車にちょっと乗っただけで大汗をかくような気候でした。「えっ?ほんとに11月?」てなもんです。
それが明日からは急激に冷え込むってんですから、体調管理も大変です。新型インフルエンザの猛威も未だ衰えず、その他のよからぬ菌もウヨウヨ蠢いているようですから、みなさまも風邪など召されませぬようお気を付け下さい。

昨晩は『ハロウィン』、「トリック・オア・トリート」と言って見知らぬお宅に訪問すれば、酒の一杯も・・・ないない、見た目は仮装したお化けよりそれらしいかもしれないけど、それはない。しかたがないのでおとなしく自宅で飲んでおりました。(笑)
と、『ハロウィン』の話題でもとは思ったのですが・・・・

またしても訃報が届きましたねぇ、「三遊亭円(圓)楽さん死去」
以前、落語界引退の折にも話題にさせていただきましたが、没となれば、やはりこの話題に触れないわけにはいきません。


五代目三遊亭圓楽が、希代の名人、六代目三遊亭圓生の元に弟子入りしたのは、昭和30年(1955年)、京大第二次滝川事件、第1回原水爆禁止世界大会開催・・・おうおう、 石原慎太郎 が『太陽の季節』で芥川賞を受賞した、そんな年でありますか。
二つ目までは三遊亭全生を名乗り、昭和37年、五代目三遊亭圓楽を襲名して真を打ったのでありました。
まっ、私なんぞは、全生時代など知るよしもなく、笑点等々テレビで活躍する「星の王子様」こと、三遊亭圓楽を見て育った世代でありますが。

ともかく、三遊派正統の古典の継承者として若くから嘱望されていた圓楽ですが、やはり三遊亭圓楽といえば、師匠譲りの人を引きつける人情噺ですかねぇ、以前紹介した『芝浜』はもちろん、『鼠穴』『浜野矩随』『藪入り』、『豊志賀の死』や『中村仲蔵』なんかも良かったですなぁ。

昭和53年、晩年の圓生、痛恨の極みとも言われる、落語協会の体制批判に端を発した「三遊騒動」、もちろんこの時圓楽は、師匠の落語三遊協会旗揚げに参画したわけですが、師匠没後は独立、圓楽一門を率いて『圓楽党』を結成、そういえば深川に若竹なる寄席を営業したのもこの時でしたね。寄席そのものは成功とは言えなかったのでしょうけど、『圓楽党』を世に知らしめた事はたしかだと思います。

いずれ、現代落語界の巨星であったには違いない三遊亭圓楽。一方の雄、立川談志も「一緒の時期に入門し、共に若い時代を過ごしました。残念です」とコメントしておりました。
またひとり巨星を失うことは落語界においては大きな痛手でありましょうが、「失ったのではなく、ひょっとして星の王子様は王となってより輝く星に帰って行ったのかもしれない」と想いながら、ご冥福をお祈りいたしましょう。

さて、今日の一枚は、ブルー・ミッチェルです。
これもまたブルーノートお得意のお蔵入りアルバム。
理由は「レオ・ライトのチューニングが狂っていた」との定説ですが、私はそれだけでは無いと思っています。
つまり、ミッチェル+ジョー・ヘンダーソンとレオ・ライトの三管、さらにはハービー・ハンコック、ジーン・テイラー、ロイ・ブルックスというリズム隊、この編成に何を期待するかという予測を立てたとき、この演奏の出来がどうかということ。
アルフレッド・ライオンは、何を期待したんでしょうかねぇ?

いつものように、ブルーノートの没盤を聴いても没になるほどの違和感は感じられません。「レオ・ライトのチューニング?」そう言われればそう思うしかない、そんな程度だと思いますし・・・・・・
ただ、私がミッチェルに期待するものは、おそらくこれ以上の演奏であるとは感じることができます。それは過度な期待なのか?

ともかく、ハズレ盤ではありませんし、特にB面は聴いて損はないと思います。思いますが、お蔵入りした理由は、私なりに理解できる一枚であるとも思っています。

STEP LIGHTLY / BLUE MITCHELL
1963年8月13日録音
BLUE MITCHELL(tp) JOE HENDERSON(ts) LEO WRIGHT(as) HERBIE HANCOCK(p) GENE TAYLOR(b) ROY BROOKS(ds)

1.MAMACITA
2.SWEET AND LOVELY
3.ANDREA
4.STEP LIGHTLY
5.CRY ME A RIVER
6.BLUESVILLE

おまけ、
今日は日曜日、飽きもせず『料理当番、本日の一品』です。


三つは料理に使いましたので、残りはこれだけ

昼間、隣のお宅から塀越しに「味は保証しないけど」と庭に実をつけたというミカンをいただきました。
まずはそのまま食べたのですが・・・・いやはや酸っぱいのなんのって、そこでこんなものを作ってみました。

豚肉のミカンソース焼きです。甘酸っぱいソースがへんに豚肉にあっておりました。
はてさて、残りのミカンはどうしたものでしょう?