JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

裾野が広がりますように

2010年06月22日 | a-c

昨日は夏至、ほんとどうしてこんなに時の流れが速いんでありましょうか、毎日「まだ一花二花!」との気合いを入れてはいるんですが、空回りしているうちに全てが終わってしまいそうで・・・怖い怖い。(笑)

ご存じのごとく私はいくぶんミーハーなところがありまして、しばらく買わずにいた『スイング・ジャーナル』を最終刊だというだけで、一昨日海に出掛けた帰りに
「特集は『復活!ディスコグラフィー ジョン・コルトレーン』だし、まっいいか」
てなノリで購入してきてしまいました。

「へぇ~~~あのカゴちゃんが、ジャズスタンダードのアルバムなんて出してたんダァ」
って、まぁそんな事はどうでも良いんですが、昨日今日、車に積み込んで暇さえあれば読んでいました。SJにこんなに隅々まで目を通したのは久しぶりだったかもしれません。

細かい内容はともかく、最終刊だからといった変な意味での気負いもなくて、良くも悪くもいつものSJであった事に、再発刊への密かな企みが見えたようで、私は安心したのですけど、みなさんはいかがだったでしょうか?

そうそう「ジャズ・フェスティバル・ガイド2010 Summer」なる記事を見て思った事が一つ、
「世間のジャズに関する興味は、けして衰えていないのではないか」
という錯覚です。(笑)

SJの休刊はもとより、「私がジャズを聴いている」と言っても誰も関心を示さない現実を見るに、一夏にこれほど多くのジャズフェスが行われると知ると「集客は大丈夫なのだろうか?」てな、いらぬ心配をしてしまいます。
「あのねぇ、アンタがジャズを聴いていることに誰も興味を持たないのは、ジャズに魅力を感じないわけじゃなくて、たんにアンタに興味がないだけだから」
「なるほど納得・・・・って、オイオイ」

いずれにしても、きっかけが加護亜依であろうと、友達に誘われて行ったジャズフェスであろうと、始めて聴きに行ったライブハウスであろうと、一枚のCDであろうと、つまらないバブの話であろうと、少しでもジャズファンの裾野が広がり、SJだけでなく、多くのジャズ誌、ジャズ本の発刊、そして地方ジャズ喫茶の復活なんてぇ事になって、私みたいなリスニングオンリーのジャズファンも増えたりなんぞしたら嬉しいんですがねぇ

ジャズだけでなく、多種多様な音楽を耳にする場や、多種多様な音楽情報を得られる環境、そういったものが身近にどんどん普及することを願っています。

さて、今日の一枚は、ビル・エバンスです。
SJにエバンスの特集があったからというわけではないんですがね。(笑)

ワールドカップ日本代表、次の大一番の相手はデンマークでしたよね。
このアルバムは、「デンマークはコペンハーゲンでジャズといえば」というあのカフェ・モンマルトルでのライブ盤です。「YOU'RE GONNA HEAR FROM ME」とは同一日録音盤ですね。

「何故に二枚のアルバムにし、発売日も変えたのか?しかもエバンスの死後に」
てな話は、生粋のエバンス・ファンにお任せするとして、

まず、この頃のエバンスのライブ演奏を聴くと、いわゆるリリカルというよりはハイテンポで激しいイメージがあります。
これは「AT THE MONTREUX」あたりから続くエバンスのライブ演奏の特長とも言われていますけど、それにはやはりジャック・デジョネットの影響が大きかったのか?それとも、エバンス、エディ・ゴメスの、いわゆるエバンスの代名詞「インター・プレイ」の結果からだったのかはさておき(また置いちゃいます。よく分からない事は、私も相撲協会のように先送りが得意ですから。笑)、少なくともこの後エバンスが進む多重録音やエレピより、私的には好きなエバンスの一面です。

ということで、ジョン・デンツは飛ばして、この頃まだ荒削りであったとはいえ、ジャック・デジョネット同様、エバンス、ゴメスの想像力をかき立てるマーティー・モレロとの出会いはじつに大きなものであったのでしょうね。

トリオとしての成熟度には、まだまだ感が漂いますが、以降の熟成をじゅうぶんに期待させる演奏だと思います。
(ジャケットは国内盤です。あのタラップから三人で降り立つジャケより、私はこちらの方が好きなんですけど。)

JAZZHOUSE / BILL EVANS
1969年11月24日録音
BILL EVANS(p) EDDIE GOMEZ(b) MARTY MORELL(ds)

1.HOW DEEP IS THE OCEAN
2.HOW MY HEART SINGS
3.GOODBYE
4.AUTUMN LEAVES
5.CALIFORNIA, HERE I COME
6.A SLEEPIN' BEE
7.POLKA DOTS AND MOONBEAMS
8.STELLA BY STARLIGHT
9.FIVE (THEME)

おまけ、
めったに嬉しい事など無い今日この頃の私ですが、昨夜はちょっとムフフとしたことがありまして、Mさんのお店での出来事です。
ときおりお越しいただく親子連れのお客様がいらっしゃいるのですが
「ほら、ここにはバブさんがいるでしょ」
と、5歳くらいのお嬢ちゃんにお母さんがそうつぶやかれました。
「うん」(笑顔)
とはお嬢ちゃん。
「えっ?なに?なに?」

お母さんの話では、他のコンビニに行ったときに
「お母さん、ここにはバブさんはいないの?」
と、お嬢ちゃんが言ったんだそうで(いつの間に私の名札を見たのか?)
「○○は、バブさんが好きなんだもんね。」
「そうだよ」
「あらま、嬉しいなぁ、ここにはちゃんといるから、またバブおじちゃんに会いに来てね。」
「うん」

若い女の子に好かれるのは、男冥利に尽きるというもんじゃござんせんか。(ちと若すぎますが。笑)
じつに単純でちっぽけな事ですけど、とても嬉しかった瞬間でした。