JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

円盤一つ無い青空?

2010年06月06日 | p-r

昨日は雨が降ったかと思えば晴れて、晴れたかと思えば曇り、寒(?、涼しい?)かったり暑かったり、わけのわからない土曜日でしたが、今日は朝からピーカン、気持ちの良い一日でした。

そんな今日は、昨日の新聞のお話しを一つ、といっても菅総理関連ではありませんで、またまた朝日新聞土曜版『be』の話題です。

『今さら聞けない +』に『空飛ぶ円盤 江戸にもあった謎のUFO?』という記事が載っておりましてね。
もと「UFO超心理学研究会」の一員としては、ついつい目が行ってしまうわけですな(笑)
「どれどれ」

1947年6月24日、ワシントン上空に超音速で飛び回る9機の謎の飛行物体があらわれました。
「あれは何だ!鳥だ!飛行機だ!・・・いや空飛ぶ円盤だ!」
という、『空飛ぶ円盤』の命名話から始まるこの記事では、それより以前、日本にもあった『空飛ぶ円盤噺』として、江戸時代に曲亭馬琴(滝沢馬琴)が編纂した『兎園小説』で紹介されている『虚舟(うつろぶね)の蛮女』というお話しを取り上げています。

これはけっこう有名なお話しですのでご存じの方もいるかと思います。
たしかに蛮女なる異国の女性が乗った円盤形の乗り物が出てくるんでありますが、ただねぇ、空から落ちてきたわけじゃなくて海を流れていた乗り物ですから『空飛ぶ円盤』と呼べるかどうか?

時は享和三年春、二月二十二日の午後、常陸の国ははらやどり浜で、沖はるかになにやら舟のようなものが漂っています。
「ありぁ何だべ」
不思議に思った土地の漁民たちは、小舟を漕ぎ出して、それを浜辺まで引いてまいりました。
「なんじゃこりゃ?」
この舟、舟といっても形は香の入れ物のような円形で、上部はガラス張りで、松ヤニを用いて塗り固めてあり、底は鉄板を連ねて張ってあるという、なんとも不可思議な舟でありまして、もちろん漁民たちも見たことがない。
「どれどれ」
ガラス部分から中を覗くと、眉と髪が赤く、顔色は桃色、白い付け髪を長く背中に垂らしている異様な風体の女が、箱を一つ抱えて乗っております。
「でぇじょうぶかい?」(常陸の国ですから、江戸弁ってぇことはないでしょうが)
誰が話しかけても全く言葉が通じません。
そこに割って入ったのは一人の物知り古老、
「この女は蛮国の王女で、おそらくは嫁に行った先で、密夫のいるのが露見したに違いない。男のほうは処刑されたけど、この女は王女だから殺すのがためらわれて、この虚舟(うつろぶね)に乗せて流し、生死は天に任せたのであろう。ひょっとすると、あの大切に持っている箱の中身は密夫の首かもしれぬ。その昔にも蛮女を乗せた虚舟が、近くの浜辺に漂着したことがあって、舟の中には、俎板(まないた)のようなものに載せた生々しい人の首があったという言い伝えがあるし、箱の中身はそういった類なんじゃなかろうか。だから、あの女が愛着して肌身離さないのだ。」
いやいや、この洞察力、刑事コロンボも『相棒』の右京さんもビックリってヤツですな

今ならすぐに110番てなところですが、この頃は後始末にかかる費用云々が全て漁民たちにかかってくる時代でありましたから、
「こりゃぁ見なかったことにしたほうがエエ」
てな事で相談がまとまり、女もろともまた沖に流してしまったという、なんとも人情の欠片もないお話し。

まっザックリ『虚舟の蛮女』はこんなんであります。

新聞では、「茨城県に古くから伝わる『金色姫』の伝説をもとに、曲亭馬琴が作り上げたお話しではないか」という、岐阜大学工学部の田中嘉津夫教授の説を取り上げておりますが、それでも「それでは、何をヒントにこんな奇妙な乗り物を考えついたのか?」との疑問符で記事をしめてありました。
つまり、『金色姫』は繭に乗ってあらわれる養蚕の女神のお話しであって、この円盤形の乗り物のヒントはそこには無いという事に疑問符を残しているのです。

面白いですねぇ、楽しいですねぇ、ひょっとして曲亭馬琴は、江戸時代の日本で未知との遭遇をしていて、これに『金色姫』の伝説を重ね『虚舟の蛮女』をつくったのかもしれない・・・・・

庭のホースリールが水漏れをおこし使い物にならないというので、ホームセンターからいろいろ買って来て修理をして、青空に向かって霧を散布しながらそんなことを考えていたのでありました。残念ながら『空飛ぶ円盤』は飛んできませんでしたけどね。(笑)

てなことで、咲きかけた芍薬に水をやった後は、『料理当番、本日の一品』です。
今日は、純和食ですよ。(笑)

まずは鰹のたたき、ニンニク、葱、大葉、茗荷といった薬味とともに、レモン酢を効かせた自家製ポン酢でたたきました。
生ものNGの母には、同じ薬味とポン酢で冷や奴を食べさせましたけど(笑)

こちらは、大根とタコの煮付けです。
もちろん日本酒付、クイクイッと美味しくいただきました。

さて、今日の一枚は、久方ぶりのアート・ペッパーです。

復帰を待ちわびたファンは、このジャケ写真を見てどう思ったのでしょうねぇ?
あのどちらかといえば優男で、どうみても喧嘩はあまり強そうでもなかったペッパーが、突如腕っ節の強い、マッチョのような姿で、しかも入れ墨まで入れちゃって・・・・・
さらに中身を聴いたら、またまた驚いたりして。

当時このペッパーの心機一転を良しとした人とエ~~?と疑問視した人と色々いたかとは思いますが、私なんぞはあまり違和感なく入って行けたくちかもしれません。

変化がなければ「進歩がない」と言われ、変化すれば「昔が良かった」・・・こんなんはまさに自分では何も行動を起こさないバカ者どもの意見なんでありまして、その点は私も同類ではありますけどね。

ともかく、後期ペッパーの出発点となった一枚です。

LIVING LEGEND / ART PEPPER
1975年8月9日録音
ART PEPPER(as) HAMPTON HAWES(p) CHARLIE HADEN(b) SHELLY MANNE(ds)
1.OPHELIA
2.HERE'S THAT RAINY DAY
3.WHAT LAURIE LIKES
4.Mr. YOHE
5.LOST LIFE
6.SAMBA MOM-MOM