JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

八十八夜

2007年05月02日 | a-c

我が地域ではウニ漁も解禁となり、立夏を間近に気温も上がって、いよいよ初夏という雰囲気です。
皮膚の下に『万年防寒着』を羽織っている私としては、徐々に散歩もうとましく思える季節が近づいてきたということで、心から喜べないわけですが・・・・
そんなことはお構いなしに季節は進み、気が付けばもう今日は八十八夜なんですね。

夏も近づく八十八夜
野にも山にも若葉が茂る
・・・・・・・・・

私の八十七夜はまたも飲み過ぎの午前様でした。
「いゃあ、何だか今日は眠い・・・春眠暁を覚えずかぁ」
「あれだけ遅くまで飲んでれば、春じゃなくても眠いのがあたりまえでしょ!」

たしかに、明日が休日なんですから、八十七夜ではなく、八十八夜に飲めばいいわけで・・・・・・
だけどねぇ、連休明けの仕事日というのは、ほら、ちょっと疲れ気味でしょ。ついつい赤い提灯に誘われてしまうわけですよ。
えっ?それで翌日眠いって言っちゃダメだって?
ハイ、そのとおりです。

ところで、八十八夜は立春から数えて八十八日目ということはわかっても、どうして『夜』なのかって考えたことはありませんか?

あれに見えるは茶摘みじゃないか

って、夜は茶摘みはしないでしょうし、仮にしてても、あかねだすきに菅のかさは、無いと思うのですが。

そもそも、八十八夜は日本独自の農作業をにらんだ雑節でして、「この頃に遅霜が降りて、被害が出ることがあるよ」という警戒日なのであります。八十八夜の別れ霜、たしかに、昼には降りませんやね。
ここ何日かの気温なら、今晩は遅霜の心配は無いでしょうが、天候等々に影響されず、農家の皆さんの努力が報われますことを祈っております。
そして、農家の方も漁師さんも、美味しい食材を私の元へ届けていただければ、益々御酒が進むというもんで、
「おありがとうございます。」

さて、今日の一枚は、ソニー・クラークにしてみました。
以前、タイム盤の「SONNY CLARK TRIO」は紹介していたのが、なぜだかブルーノート盤は紹介してなかったんですよねぇ・・・・・きっと忘れていたんだと思います。(笑)
同じトリオでも対照的な二枚ですが、収録曲もタイム盤はオリジナルに対して、こちらはスタンダードとバップの名曲集といった感じです。

本国アメリカでは、名前すら知れていなかったといわれるクラーク。キャバレー・カードがもらえず、クラブ出演がほとんど無かったということもありますけど、最大の原因は早死ににあると思うわけで、つまりは、伴奏楽器としてのピアノのイメージが強すぎる時期に活躍し、ピアノが本当の意味で脚光を浴びる時期には、すでにいなかったわけですから、薬に手を出さなければ、度が過ぎなければ・・・・・
言ってもしかたのないことですよね。

日本人の大好きなクラーク節、「SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE」のシングル・トーンに集約されているように思います。
出しゃばらないピアニストが、出しゃばらないバックに引き立てられ、いつになく出しゃばった、そんなふうにも思える一枚です。

SONNY CLARK TRIO / SONNY CLARK
1957年9月13日録音
SONNY CLARK(p) PAUL CHAMBERS(b) PHILLY JOE JONES(ds)

1.BE-BOP
2.I DIDN'T KNOW WHAT TIME IT WAS
3.TWO BASS HIT
4.TADD'S DELIGHT
5.SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE
6.I'LL REMEMBER APRIL

最後は「四月の思い出」にひたりながら、5月最初の記事を締めましょう。