クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

コメントはメーカー案内書より抜粋です。お問い合わせ:goodies2@pc.highway.ne.jp

12-03 No.12

2012年03月11日 18時57分16秒 | Weblog
<NIFC>
NIFCCD 030 ¥2300
ヤヌシュ・オレイニチャク - ショパン:
夜想曲第20番嬰ハ短調《レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ》
マズルカ第13番イ短調Op.17-4/マズルカ第14番ト短調Op.24-1
ポロネーズ第3番イ長調Op.40-1《軍隊》/マズルカ第26番嬰ハ短調Op.41-1
マズルカ第15番ハ長調Op.24-2/マズルカ第49番イ短調Op.68-2(WN14)
ワルツ第9番変イ長調Op.69-1《別れ》(WN47)/ワルツ ホ長調(WN18)
バラード第1番ト短調Op.23/夜想曲第13番ハ短調Op.48-1
ワルツ第7番嬰ハ短調Op.64-2/ポロネーズ第6番変イ長調Op.53《英雄》
夜想曲第19番ホ短調Op.72(WN23)/マズルカ第21番嬰ハ短調Op.30-4
ワルツ第6番変ニ長調Op.64-1《小犬》
ヤヌシュ・オレイニチャク(フォルテピアノ/エラール1838)
ポーランド・ピアノ界の重鎮にして現代最高のショパン弾きの1人、ヤヌシュ・
オレイニチャクが2011年のショパン・ライヴで弾いたフォルテピアノは、ショパ
ン協会(NIFC)第3の楽器「1838年製のエラール」!
これまで使用されてきた「1849年製のエラール」、「1848年製のプレイエル」に
続く形でNIFCのコレクションに加わった"ショパンが生きた時代の楽器"「1838年
製のエラール」。ちなみに1838年は、28歳のショパンがジョルジュ・サンドと共
にスペインのマジョルカ島へ向かった年であり、「軍隊ポロネーズ」や「雨だれ」
が作曲された年でもある。
「1838年製のエラール」のお披露目となったコンサートは、オレイニチャク最高
のショパン・リサイタルの1つという最大級の賛辞が送られたというから期待も
高まるばかり!
録音(ライヴ):2011年2月27日、ロイヤル・キャッスル(ワルシャワ)

NIFCCD 021 ¥2300
タチアナ・シェバノワ - ショパン:
前奏曲変イ長調《プレスト・コン・レッジェレッツァ》(WN44)/
4の前奏曲Op.28/前奏曲嬰ハ短調Op.45
ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調Op.35《葬送》
タチアナ・シェバノワ(フォルテピアノ/エラール1849)
旧ソ連からポーランドへと渡り、"ポーランド"のショパン弾きとしての名声を築
きながらも2011年に惜しくも他界したタチアナ・シェバノワ(1953-2011)。
NIFCからリリースされる追悼盤は、1849年製のエラールでレコーディングされた
「前奏曲全集」と「ピアノ・ソナタ第2番」。
名ピアニスト、タチアナ・シェバノワの至芸は永遠に ――。
録音:2009年6月30日&2010年4月20日、
ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ
(ワルシャワ)




<PentTone>
PTM 1029(SACD-Hybrid) ¥2300
ベートーヴェン:後期三大ソナタ集 ――
ピアノ・ソナタ第30番ホ長調Op.109/ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111
児玉麻里(ピアノ)
1999年のロサンゼルス、2003年の東京&名古屋での全曲演奏会や6タイトルのレ
コーディングを経て「後期三大ソナタ」を取り上げる児玉麻里。
日本を代表するベートーヴェン弾きの1人となった名ピアニストが、「後期三大
ソナタ」が持つ深く、そして広いベートーヴェンの世界をその両手で描く。
録音:2011年3月、ファルテルモント(オランダ)

PTC 5186 447(SACD-Hybrid) ¥2580
ブルックナー:交響曲第1番ハ短調(リンツ稿)
マレク・ヤノフスキ(指揮)スイス・ロマンド管弦楽団
ベルリン放送響とのワーグナー・プロジェクトが絶好調のポーランドの名匠マレ
ク・ヤノフスキが、名門スイス・ロマンド管弦楽団と進めるブルックナー・チク
ルス。リリースを重ねるたびに評価を高めているチクルスの第6弾は「交響曲第1
番」の1866年リンツ稿(ノヴァーク版)!
ヤノフスキが指揮する後期の交響曲へと繋がる壮大なアダージョ、白熱のフィナ
ーレが、後半の番号に比べると演奏機会に恵まれていない「交響曲第1番」のイ
メージを刷新してくれることだろう。
録音:2011年6月、ヴィクトリア・ホール(ジュネーヴ)

PTC 5186 461(SACD-Hybrid) 2枚組 ¥3180
イン・メモリアム・ヤコフ・クライツベルク ――
ドヴォルザーク:
交響詩《水の精》Op.107、交響詩《真昼の魔女》Op.108、
交響詩《金の紡ぎ車》Op.109、交響詩《野ばと》Op.110
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ワーグナー:リエンツィ序曲
チャイコフスキー:《なつかしい土地の想い出Op.42》より 瞑想曲+
シュトラウスII世:ワルツ《北海の絵》Op.390*
フランツ・シュミット:《ノートル・ダム》より 間奏曲
ハチャトゥリアン:《ヴァイオリン協奏曲ニ短調》より 第3楽章+/#
ヤコフ・クライツベルク(指揮&ピアノ)、
オランダ・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン交響楽団*、
ロシア・ナショナル管弦楽団#、ユリア・フィッシャー(ヴァイオリン)+
イリヤ・ムーシンから指揮法を学び、オランダ・フィル、ウィーン響、モンテカ
ルロ・フィルなどで目覚ましい活躍を繰り広げながらも、51歳という若さで志半
ばにしてこの世を去ったヤコフ・クライツベルク。
この追悼盤は、堅実なスタイルと巧みなオーケストラ・コントロールで多くの名
演を聴かせてくれた不世出の天才クライツベルクがペンタトーンに遺した音楽の
遺産である。2002年-2008年の録音。





<TUDOR>
TUDOR 7176(SACD-Hybrid) ¥2080
マーラー:交響曲第7番ホ短調
ジョナサン・ノット指揮
バンベルク交響楽団
録音:2011年7月11-15日ヨーゼフ・カイルベルト・ザール、バンベルク
好評のジョナサン・ノットのマーラー交響曲録音シリーズ第7弾。今回はマー
ラーの交響曲中、最も解釈が難しいとされる第7番。《夜の歌》と呼ばれるこ
ともあるこの作品は夢とうつつの境目を往き来するかような夢幻的な雰囲気と
美しい旋律で溢れています。全体の構成がラプソディックであるため、全体の
ポイントをどこに置くかによって演奏の方向性が指揮者によって著しく異なる
問題作でもありますが、さてノットはいかなるアプローチをとっているのかは
聴いてのお楽しみ。管楽器ソロの出番も多く、艶やかで流麗なバンベルク響の
管楽セクションの妙技も聴き逃せません。ハリウッドの映画音楽かと見紛うほ
ど効果絶大かつ豪華絢爛な両端楽章とシェーンベルクらに霊感を与え表現主義
音楽の確立に決定的な影響を与えた中間楽章の「夜の音楽」の鮮烈なコントラ
スト。豪快な大管弦楽のサウンドと繊細な室内楽の要素を併せ持つ複雑な総譜
をこれほどの解像度でリアリゼーション出来る指揮者は今日ノットをおいて他
にいません。高音質SACDによってマーラーの意思があますところなく表現され
た同曲の決定盤の登場です。
※日本語オビ・解説付き

TUDOR 7181(SACD-Hybrid) ¥2080
シューマン:
ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
序奏と協奏的アレグロ ニ短調 Op.134
協奏的小品 ヘ長調 Op.86
序奏とアレグロ・アパッショナート ト長調 Op.92
ゲルハルト・オピッツ(ピアノ)
マルク・アンドレーエ(指揮)
バンベルク交響楽団
録音:2010年6月28日-7月2日、バンベルク,77'11
TUDORのバンベルク交響楽団のシリーズ、ゲルハルト・オピッツを迎えての
シューマンのピアノ協奏曲集。オピッツはシューマンも得意としているが、
ピアノ協奏曲も含めてこれらの曲は意外なことに初録音(恐らく)。過度の思
い入れをせず、我を押し出し過ぎずしかししっかりと自己主張をする、身の
詰まったシューマンを聞かせてくれる。バックをスイスの名匠マルク・アン
ドレーエが受け持っている。
※日本語オビ・解説付き

TUDOR 7178(SACD-Hybrid) ¥2080
「ハンス・ゾンメル:管弦楽伴奏つき歌曲集」
ハンス・ゾンメル(1837-1922):
(1)サッフォーの歌Op.6(テキスト:カルメン・シルヴァ)
(2)管弦楽伴奏つき歌曲集
(オデッセウス/夜/漁師/王様と蚤/宮殿の見張り台で塔守は歌う/月へ
/他全15曲)
エリザベト・クルマン(M.S)、
ボー・スコウフス(Br)、
セバスティアン・ヴァイグレ指揮
バンベルク交響楽団
録音:2010年5月-8月、バンベルク
ハンス・ゾンメルは日本では殆ど知られていないが、ブラームスと同い年の
ドイツの作曲家。生涯に多くの歌劇(その多くはおとぎ話を題材としている)
とおびただしい数の歌曲を作曲している。ワーグナーとR.シュトラウスの間
のミッシング・リンクを埋めるような作風で極めて興味深い存在といえよう。
またイタリア歌劇から影響を感じさせる伸びやかで美しい旋律性をも兼ね備
えている。いずれも管弦楽の伴奏つきで、さながら歌劇のアリアを思わせる
ドラマティックな歌曲。
ソプラノのエリザベス・クルマンはオーストリアの若手でウィーン・フィル
の演奏会に度々登場し、アーノンクール、メータ、ムーティらと共演してい
る。バリトンのボー・スコウフスはデンマーク出身でドン・ジョヴァンニか
らツェムリンスキー、ヴォツェックなどオペラも得意としているが、ドイツ
歌曲も得意としSONY CLASSICALから多数のアルバムが発売になっている。

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12-03 No.11-1

2012年03月11日 18時57分01秒 | Weblog
<BONGIOVANNI>
GB 1224 ¥2180
ニコラ・マルティヌッチ ライヴ録音集 第2集
ベッリーニ:「ノルマ」
ヴェルディ:
「アッティラ」,「リゴレット」,「トロヴァトーレ」、「仮面舞踏会」、
「シモン・ボッカネグラ」
ポンキエッリ:「ジョコンダ」
プッチーニ:「マノン・レスコー」
レオンカヴァッロ:「パリアッチ」
チレーア:「アドリアーナ・ルクヴルール」
マスカーニ:「ピッコロ・マラート」
ジョルダーノ:「フェドーラ」
からのアリア、場面
ほか
ニコラ・マルティヌッチ(T)
録音:1976-2003年、ライヴ
長いことイタリアオペラのトップテノールを務めてきたニコラ・マルティヌッ
チ。1941年、南イタリア、ターラントの生まれ。ここ40年ほどの本場イタリ
アで正統派テノールとして活躍していますが、残念なことに録音が極端に少
なく、オペラマニアを嘆かせてきました。そんな中、ライヴ音源を集めたア
リア集(GB 1216)が好評を博し、第2集が登場。「ノルマ」のポッリオーネ、
「リゴレット」のマントヴァ公、「アドリアーナ・ルクヴルール」のマウリ
ツィオなど、貴重な歌を聞くことができます。なお録音状態が良くないもの
もあることをご理解ください。

GB 5172 ¥2180
ヴェネツィアからワルシャワへ -16世紀、17世紀の複合唱曲集
シンブラッキー:空に喜びがあり
ミエルチェフスキ:幸せな神の御母,とても聡明な処女
スティヴォーリ:名高い博士よ
ヴェッキ:主がシオンの捕われ人を連れ帰られるときいて
アネーリオ:キリエ,ブドウのように
パチェッリ:真夜中に
アゾーラ:天の女王
ベルトルージ:主の御使い
グワルティエーリ:大いに祝福されたマルコ
ガブッシ:喜びは失せ
マリーナ・マラヴァージ(指)
アンサンブル・ドデカントゥス
録音2011年6月30日-7月2日、ヴィチェンツァ
16世紀のヴェネツィアでは、サン・マルコ聖堂の構造に由来する複合唱の音
楽が流行、これはやがてヨーロッパ全土に広がります。このCDには、イタリ
ア人作曲家はもちろん、珍しい北方の作曲家の複合唱曲も集められています。
ヤン・シンブラッキー(?-1657)はボヘミアの作曲家。マルチン・ミエルチェ
フスキ(?-1651)は17世紀のポーランドでももっとも高名だった作曲家。イタ
リア人フランチェスコ・スティヴォーリ(1550頃-1605)はクラウディオ・メー
ルロとジョヴァンニ・ガブリエッリの弟子で、晩年をグラーツで過ごしまし
た。オルフェオ・ヴェッキ(1551頃-1603)はミラノ近辺で活躍した人。ジョ
ヴァンニ・フランチェスコ・アネーリオ(1569頃-1630)は、1624年から1630年
にかけてポーランドで活躍した作曲家。ローマ出身のアスピーリオ・パチェッ
リ(1570頃-1623)も、1602年以降ポーランドで20年以上活動。ジョヴァンニ・
マッテオ・アゾーラ(1532頃-1909)。ヴィンチェンツォ・ベルトルージ
(?-1608)は、ヴェネツィア出身で、1595年から1607年までポーランドのジグ
ムント3世の宮廷で働いたオルガニスト。アントーニオ・グワルティエーリ
(1574-1661)はヴェネトを中心に活動。ジューリオ・チェーザレ・ガブッシ
(1562頃-1611)は、ミラノの聖堂の楽長を務め、1601年から翌年の短期間、
ポーランドでも働いた人。いずれも珍しい人ばかり。
アンサンブル・ドデカントゥスは、1984年に結成された合唱団で、ルネサンス
からバロックにかけての合唱曲を主に扱う団体。指揮のマリーナ・マラヴァー
ジは合唱指揮者としても有名で、2007年1月のベルガモ・ドニゼッティ劇場来日
公演でも合唱指揮を担当していました。




<HATART>
※現代音楽の名門、HATARTレーベルの取扱を再開します。
HATART 175 ¥2250
(1)ジョン・ケージ:ピアノのための音楽 42 
(2)ブーレーズ:ストリュクテュール 第1集 
(2)ケージ:ピアノのための音楽 4-9 / 53-68 
(3)ブーレーズ:ストリュクテュール 第2集 
ケージ:(4)ピアノのための音楽 47 (5)ピアノのための音楽 53-84
ピ=シェン・チェン(Pf)、イアン・ペイス(Pf)
録音:2007年10月2-5日、ケルン
20世紀前衛音楽界にセンセーショナルを巻き起こした巨匠ジョン・ケージと、
今なお現代音楽界を牽引し続ける音楽家ブーレーズのピアノ作品集。ピアノ
のための音楽は、ケージがおよそ6年間かけて書き上げた全84曲に及ぶ大作で、
鍵盤だけでなく、ピアノの枠を叩いたり、弦を手で弾いたりなどの内部操作
を交えて演奏される作品です。無機質な音の不規則な連続が生む独特の響き
と、断続的に生まれる張り詰めた無音空間に魅入られます。ストリュクテュ
ールは、ケージのピアノのための音楽とほぼ同時期に作曲されたブーレーズ
初期の傑作。2台のピアノによって、予期できない音の連続が冷たく、無機質
に演奏されます。「偶然性」という共通の音楽観を持ちながらも、ケージと
はまた違った音楽性で現代音楽を牽引してきたブーレーズ。2人の大音楽家の
音楽性に迫る1枚です。
演奏するのは台湾が誇る実力派ピ=シェン・チェンと、現代音楽演奏の大家
イアン・ペイス。ピ=シェン・チェンはブーレーズの自作自演公演にてスト
リュクテュールを経験したこともあり、この作品に造詣のある演奏家といえ
ましょう。圧倒的なレパートリーと積極的な演奏活動によって現代音楽の第
一線を担う名手ペイスとのアンサンブルは圧巻です!

HATART 184 ¥2250
シェーンベルク:
(1)3つのピアノ曲 (2)3つのピアノ曲(1909) op.11 
(3)6つの小さなピアノ曲 op.19 (4)5つのピアノ曲 op.23 
(5)組曲 op.25 (6)ピアノ曲 op.33a (7)ピアノ曲 op.33b
ピ=シェン・チェン(Pf)
録音:1996年5月21日、7月3日、10月5日
バッハからブーレーズまで幅広く活躍する実力派ピアニスト、ピ=シェン・
チェンによるシェーンベルクピアノ作品集。後期ロマン派の響きを残す初期
の作品から、12音技法によってそれを凌駕した後期作品までを一度に堪能で
きる、シェーンベルクファン必聴の1枚です。シェーンベルクといえば12音技
法を創始し、無調音楽を開拓した大音楽家として20世紀音楽を語るに欠かせ
ない存在。彼が無調音楽に身を投じ始めたのは1908年頃からと言われますが、
今回2番目に収録された「3つのピアノ曲op.11」からは明らかにその流れを感
じ取ることが出来ます。最初に収録された「3つのピアノ曲」と聴き比べれば、
作風の差は歴然。未出版の「3つのピアノ曲」に関しては、シェーンベルクが
こんな曲を書いていたのか!と驚かされるほど、抒情的でロマンティックな
作品です。「組曲」はシェーベルクが全曲に12音技法を用いた初めての作品。
以降、彼は12音技法に没頭していくこととなります。
本CDではピ=シェン・チェン渾身の名演にも注目。初期作品は情感たっぷり
な演奏に魅せられる一方、後期作品では非常に力強い音色と安定した演奏技
術に圧倒されます。シェーンベルクの作風の変化を見事に表現しきった熱演
によって、シェーンベルクの圧倒的な音楽性を堪能できる名盤といます!

HATART 180 ¥2250
フェルドマン(1926-1987):オペラ「Neither」(1977)
サラ・レオナルド(S)、
ゾルタン・ペスコ(指揮)、フランクフルト放送交響楽団
録音1990年2月20日
これまでフェルドマンの作品の処女録音を多くリリースしてきたHATARTから、
またひとつ世界初録音盤の登場です。ケージ、ブラウンらと共に20世紀前衛
音楽を牽引した作曲家、モートン・フェルドマン。図形楽譜の発案によって
音楽史に大きな名を残すフェルドマンですが、その作品にはCDになっていな
いものも多く、CD化要望の声を多く集める音楽家の1人でもあります。今回
収録されたのは、往年のフェルドマンが作曲したオペラ「Neither」。ペス
コ率いるフランクフルト放送交響楽団が1990年に録音したものを収録したも
のとなります。晩年に長大かつ静謐な音楽を多く作曲したことで知られる
フェルドマンですが、今回収録された作品もその作風を思わせる1曲。晩年の
フェルドマンの作品としては、およそ50分という比較的聴きやすい作品とい
えましょう。ゆったりとしたテンポ感に乗って、息の長い静かなフレーズが
綿々と続いていきます。抽象絵画に強い影響を受けたといわれる晩年のフェ
ルドマン。どこか官能的な色を帯びたソプラノの歌声に、イデアの世界へと
誘われることでしょう。フェルドマンファンの方にはもちろん、静かな夜に
瞑想したい方におすすめの1枚です。

HATART 182 ¥2250
1. カタリーナ・ローゼンバーガー(スイス):
六重奏のための≪スカッター 2.0≫
(フルート、クラリネット、パーカッション、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ)
(2010)
2. アーダ・ジェンティル(イタリア):
ピアノ独奏のための≪ピッコロ・スタジオ・ダ・コンチェルト≫(2004)
3. カルメン・マリア・カルネチ(ルーマニア):
六重奏のための≪オメンズ・テサウロス≫(2009)
4. リザ・リム(オーストラリア):
クラリネット独奏のための≪鳴り響く身体≫(2008)
5. 久田典子:六重奏のためのイエロー・アクシス(2009)
ハンスーペーター・フレナー(Fl)、マンフレド・シュピタラー(Cl)、
ローレンツ・ハース(percussion)、
ヴィクトル・ミューラー(Pf)、ウルス・ブンバッハー(Vn)、
ニコラ・ロマノー(Vc)
録音:2010年6月27日(2、4)、2010年10月2-3日(1、3、5)
世界各国で活躍する女性作曲家の現代音楽作品集。非常に面白い楽器編成に
よる六重奏は、聞き応え十分。特に、リザ・リムの≪鳴り響く身体≫は驚異
的な迫力とエネルギーに満ちた作品で、強い印象を残します。久田典子の鮮
明なイエロー・アクシスも、完璧に対照的な雰囲気が独特の世界を織りなし
ています。暖色系の一要素である黄色はヒトの脈拍、呼吸、血圧に影響を及
ぼすといわれていますが、この表現力豊かな曲を聴いた後ではきっと脈が速
く打っていることでしょう。ヴァイオリンのミニ協奏曲で、ミニマリズムを
ベースとしています。非常に面白い作品です。
男性奏者で構成されるチューリッヒ新音楽アンサンブル(ENMZ)は、1980年代、
女性作曲家の作品群が正当に評価されていない現状を受け、その状況を改善
すべく、積極的に初演・演奏に取り組んでいます。才能ある女性作曲家のサ
ポート、作曲へのコミッションにも携わり、収録を行いつつ、彼女たちの音
楽を世界に向けて発信し続けています。




<Accent>
ACC 24243 ¥2300
ブクステフーデ:
(1)受難曲「われらがイエスの四肢」BuxWV75
(2)安らぎと喜びもてわれは逝くBuxWV76
シギスヴァルト・クイケン(指)
ラ・プティット・バンド
[録音:2010年]
クイケンとプティット・バンドお待ちかねの新録音はブクステフーデの連作
カンタータ「われらがイエスの四肢」。キリストの身体の7部分を器楽のソナ
タ、声楽アンサンブルのコンチェルト、アリア、コンチェルトで描くブクス
テフーデの代表作のひとつですが、意外に録音が少なく、クイケンの演奏で
出ることはまさに朗報と申せましょう。瞑想的かつ胸をうつ内容で、震える
ほどの感動をおぼえます。

ACC 24259 2枚組 ¥4450
ゼレンカ:
(1)聖週間のための27のレスポンソリウム ZWV55
(2)預言者エレミアの哀歌 ZWV53
ヴァーツラフ・ルクス(指)
コレギウム1704、コレギウム・ヴォカーレ1704
[録音:2011年]
ヤン・ディスマス・ゼレンカ(1679-1745)はボヘミア出身で、ドレスデンのカ
トリック教会作曲家として活躍しました。第2次世界大戦で自筆譜のかなりが
失われ、作品が鑑賞できるようになったのは比較的最近ですが、いずれもお
宝発見的な魅力作が多く目が離せません。ここでは比較的初期の1723年頃に
作られた宗教合唱曲がとりあげられています。どちらも歌詞は暗く重いもの
の、音楽は天国的に美しく聴き惚れてしまいます。これぞゼレンカの真骨頂、
コレギウム1704とコレギウム・ヴォカーレ1704の透明な合唱の美しさも光り
ます。




<Coviello CLASSICS>
COV 21202 2枚組 ¥2980
パーセル:劇音楽による組曲
(1)言行不一致 (2)アブデルアーザー 
(3)ゴルディオスの結び目はほどかれた
(4)苦しめられた無実 (5)ボンデューカ
CD1ドイツ語によるナレーション:リナード・バーディル、
CD2 英語によるナレーション:ジョン・ホロウェイ、
マティアス・クライビューマー(指)
オルケストル・ル・フェニックス
[録音:2010年10月/グリュニンゲン教会(スイス)]
ヘンリー・パーセル(1659-95)はその短い生涯に43以上の舞台音楽を残したと
されますが、死の年に女流作家アフラ・ベーンの「アブデルアーザー」に取
組みながら、管弦楽組曲のみ完成しました。この中の「ロンドー」を、後に
ベンジャミン・ブリテンが「青少年のための管弦楽入門」の主題に用い、ク
ラシック・ファンなら誰でも知るメロディとなりました。ここでは「アブレ
ルアーザー」のほか4つの劇音楽に、ドイツ語と英語のナレーションを付け
た2種が収録されています。言葉の響きで音楽も異なって聴こえるのが興味
津々です。

COV 51203 ¥2350
(1)ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲イ長調Op.81
(2)ブラームス:ピアノ五重奏曲ヘ短調Op.34
シヴァン・シルヴァー(1)、ジル・ガルブルク(2)(Pf)、
ノモス弦楽四重奏団
[録音:2011年]
注目のイスラエルの美男美女ピアノデュオ、シルヴァー&ガルブルク。今回
は別々にノモスSQと組んで、ピアノ五重奏の名作に挑戦しています。デュオ
で華麗な演奏を見せる彼らですが、ひとりでも充実度満点。ベテランのノモ
スSQと見事な一体感を示しています。

COV 51204 ¥2350
ブラームス:
(1)チェロソナタ第1番ホ短調Op.38
(2)同第2番ヘ長調Op.99
ラウラ・ブルイアーナ(Vc)、マテイ・ヴァルガ(Pf)
[録音:2011年]
ブラームスのチェロソナタといえば、秋のイメージの渋く内省的な世界が広
がりますが、1980年ルーマニア出身の美人女流チェロ奏者ラウラ・ブルイア
ーナが取り組みました。フランス・ヘルメション門下の彼女は、音楽の初恋
がブラームスのチェロソナタだったそうで、CDリリースは見事な自己実現と
申せましょう。情熱的で奔放な感性を持つブルイアーナ、晩秋を思わす世界
から意外な情熱を引き出しています。

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12-03 No.11-2

2012年03月11日 18時55分38秒 | Weblog
<naive>
OP 30535 ¥2280
ヴィヴァルディ:室内ソナタ集 op.1
(1)第12番 ニ短調「ラ・フォリア」RV63 (2)第9番 イ長調 RV75 
(3)第1番 ト短調 RV73 (4)第11番 ロ短調 RV79
(5)第8番 ニ短調 RV64 (6)第4番 ホ長調 RV66 (7)第3番 ハ長調 RV61 
(8)第7番 変ホ長調 RV65 
(9)第10番 変ロ長調 RV78
レストラヴァガンテ{ステファノ・モンタナーリ(Vn)、
ステファノ・ロッシ(Vn)、フランチェスコ・ガッリジョーニ(Vc)、
マウリツィオ・サレルノ(Cemb)}、
フランコ・パヴァン(テオルボ)、ピエトロ・パスキーニ(Org.)
録音:2010年11月、ジャルディーノ・スタジオ(イタリア)
naiveの人気シリーズ、ヴィヴァルディ・エディション待望の新譜!このシリ
ーズからは既に40タイトル以上のCDがリリースされておりますが、室内協奏
曲ジャンルとしてはラストレの協奏曲&カンタータ集(OP 30381)に続いて本
CDが5枚目となります。今回収録されているのはヴィヴァルディの室内ソナタ
集op.1。全12曲から8曲を抜粋、収録されています。心地よい舞曲のリズムに
乗せて、ヴィヴァルディならではの清廉かつ優美な音楽を堪能できます。演
奏を担当するのはイタリア古楽界を代表する名手達からなるレストラヴァガ
ンテ。透明感ある音色と活気あふれる清々しい演奏で高い評価を得ている古
楽器演奏団体です。1stヴァイオリンを担当するのはバロック・ヴァイオリン
界を代表する名手ステファノ・モンタナーリ!近年は指揮者としても注目を
集めるモンタナーリですが、本CDでは持ち味の艶のある音色と溌溂とした発
音で魅せてくれます。モンタナーリがコンサートマスターを務めるアカデミ
ア・ビザンティーナで活躍するヴァイオリニスト、ロッシとの息の合った掛
け合いは圧巻。繊細かつ大胆、優美かつ快活な魅力あふれるアンサンブルを
堪能できます!




<LA DOLCE VOLTA>
LDV 01 ¥2280
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988
フレデリク・アース(Cem)
録音:2010年10月18-19日、ロンシンヌ城(ベルギー)
【使用楽器:1751年エムシュ製チェンバロ】
ヨーロッパ古楽界注目のチェンバロ奏者、フレデリク・アースによるゴルト
ベルク変奏曲。かのインマゼールも認めたアースの演奏は、安定感抜群の質
実剛健な演奏。一音一音粒の立った明瞭な音の運びと理性的な演奏でJ.S.バッ
ハが作り上げた密な音楽世界を見事に表現しています。不眠症を治すために
作曲されたという逸話も残されるゴルトベルク変奏曲ですが、シンプルなが
らも奥深い音楽の数々には思わず眠りも忘れてじっくりと聴き入ってしまい
ます。アースが使用するエムシュのチェンバロは、かのクリストフ・ルセも
愛用するフランスの名器!J.S.バッハの音楽を奏するにもふさわしい、澄ん
だ艶やかさと気品あふれる極上の響きを堪能できます。
フレデリク・アースはベルギー出身のチェンバリスト。J.S.バッハだけでな
く、ラモーやクープランなどのフランス・バロックも得意とし、静謐で落ち
着きのある演奏でヨーロッパを中心に高い評価を得ています。2012年にはゴ
ルトベルク変奏曲をヨーロッパ各地で披露する予定のアース。今後注目必至
の演奏をいち早く聴くことが出来るおすすめ盤です!




<AMBRONAY>
AMY 032 ¥2500
ルイ・マルシャン(1669-1732):
(1)組曲 ニ調〔プレリュード、アルマンド、クーラントI&II、
サラバンド、ジーグ、シャコンヌ、ガヴォット〕(第1巻、1699)
(2)組曲 ト調〔プレリュード、アルマンド、クーラント、サラバンド、
ジーグ、ガヴォット、メヌエットI&II〕(第2巻、1702)
(3)3つの小品〔ヴェニシエンヌ(ヴェネツィア風)、バダン(おどけた)、
ガヴォット〕
(4)ラモー(1683-1764):組曲 イ調〔プレリュード、アルマンドI&II、
クーラント、ジーグ、サラバンドI&II、ヴェニシエンヌ、ガヴォット、
メヌエット〕(第1巻、1706)
クリストフ・ルセ(チェンバロ/1716年ドンゼラーグ製)
録音:2011年2月20-22日/装飾芸術博物館(リヨン、フランス)
クリストフ・ルセ、チェンバロ・ソロ待望の新譜は、リヨンの有名な装飾芸
術博物館に収蔵されている銘器ドンゼラーグのチェンバロを用いてのマルシャ
ンとラモーという、なんともそそられる内容。マルシャンもラモーも、
17~18世紀当時を代表するヴィルトゥオーゾ奏者・作曲者でした。マルシャン
の作品は、高貴さと荘重な雰囲気、そしてセンチメンタルな感情の表出がみ
られ、中・低音域が効果的に響くように書かれており、そのヴィブラートを
思わせるような装飾のかけ方と相まって、まるでテオルボのような印象。ラ
モーの作品は、これに比べると比較的高めの音域中心に書かれており、チェ
ンバロ特有の繊細な音色がより活きるものとなっています。今回ルセが用い
たのは、リヨンの地に遺された貴重な楽器ドンゼラーグ。マルシャンは、リ
ヨンに生まれ学び、そしてラモーは1703年の一時期をリヨンで過ごしました。
ルセがユゲット・ドレフュスの下で学んだのもリヨンの地でした。リヨンと
いう地で時代を超えて結び付けられる人物と楽器による、豪華なコラボレー
ションです。それまでのG’-Bまでの楽器よりも音域が拡張(Fまで低音が拡
張)され、パンチ力を増し、それでいて透明な魅力に満ちた音色をもつ楽器、
ドンゼラーグ。フランスの二人の巨匠が遺した様々な表情に満ちたエレガン
トな作品を、ルセ一流の歌心と装飾とで印象的に聴かせてくれます。




<MIRARE>
=ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」関連=
MIR 172 ¥2500 ※5月31日までのセール特価 ¥2180
(1)グラズノフ:「エレジー」ト短調 op.44
チャイコフスキー:
(2)「夜想曲」嬰ハ短調op.19-4 
(3)なつかしい土地の思い出より「メロディ」変ホ長調 op.42-3 
(4)6つの小品より「感傷的なワルツ」イ短調op.51-6
(5)ラフマニノフ:14の歌曲より「ヴォカリーズ」op.34-14 
(6)ショスタコーヴィチ:ヴィオラ・ソナタ op.147
ブリジット・エンゲラー(P)、ジェラール・コセ
録音:2011年9月、la Fondation Singer-Polignac
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2012で来日予定のブリジット・エンゲ
ラー&ジェラール・コセら、世界的ソリスト二人組によるエレジー作品集!
ラ・フォル・ジュルネのテーマ「サクレ・リュス(ロシアの祭典)」に合わせ、
新譜もロシアの作曲家に焦点を当てた内容となっています!エレジーは、こ
の世の儚さや人の死を悼むことに用いられる哀歌。20世紀を代表するリルケ
のエレジー「ドゥイノの悲歌」では「強大な集団権力下における孤独とそこ
から導かれる自己の内面への逃避」が強く謳われましたが、ソ連下で活躍し
ていた音楽家のエレジーには、どこかこの悲歌を思わせる魅力があると共に、
他のエレジーにも増して痛ましくも甘美な旋律にあふれているように感じら
れます。本CDに収録されているのはグラズノフ、チャイコフスキー、ラフマ
ニノフ、ショスタコーヴィチという19世紀末-20世紀ロシアを代表する音楽
家たち。収録曲は全てビオラ・ソロとピアノ編成での演奏です。コセが奏で
るヴィオラの音色は極上の艶やかさ。「ヴォカリーズ」ではヴィオラならで
はのしっとりとした高音に心揺さぶられます。哀愁漂うふくよかな響きに、
ヴィオラという楽器の音色とエレジーの相性の良さを実感する1枚といえま
しょう。力強い音と情感あふれる表現で高い評価を受けるエンゲラーのピア
ノとの息の合ったアンサンブルは圧巻の一言です!




<naive>
DR 2152(2DVD+1CD) ¥4050
字幕:英
[DVD1]
(1)演奏会でのトーク映像 (2)ユダヤの祈り 
(3)モンテヴェルディ:
祝福されし聖母マリアのための晩課より「二人のセラフィムが叫んだ」 
(4)ベリオ:言葉は消える (5)ヤナーチェク:プレスト 
(6)ブラームス:チェロ・ソナタ第1番 ホ短調 
(7)モンテヴェルディ:リトルネッロ (8)シューベルト:リタナイ 
(9)デュティユー:ザッハーの名による3つのストローフェ
ソニア・ヴィーダー=アサートン(Vc)、イモージェン・クーパー(Pf)、
サラ・イアンク(Vc)、マシュー・ルジューヌ(Vc)
[DVD2]
PART1:(1)ラフマニノフ:晩祷 (2)ハンガリー牧歌 
(3)ユダヤ民謡:シューベルトの思い出 
(4)チェレプニン:タタール舞曲「歌と踊り」 
(5)クラフチク:ヤナーチェクのモラヴィア民謡-子供の遊び 
PART2:(1)コダーイ:ハンガリーのロンド (2)プロコフィエフ:死の戦場 
(3)マルティヌー:スロヴァキア民謡による変奏曲 
(4)マーラー:リュッケルト歌曲集 (5)ユダヤ民謡:舞曲
ソニア・ヴィーダー=アサートン(Vc)、シリル・デュピュイ(ツィンバロン)、
クリストフ・マング(指)、
シンフォニア・ヴァルソヴィア
[CD]「カウチ・イン・ニューヨーク」オリジナルサウンドトラックより抜粋:
ニューヨーク四重奏、ロメオ・デュオ、他
【DVD】シャンタル・アケルマン(映像監督)
収録:2007年10月、ポーランド
ロストロポーヴィチ、ジャンドロンらに師事し、力強くも優美な演奏で高い
評価を受けるフランス人チェリスト、ソニア・ヴィーダー=アサートン。独
創性のある音楽活動で話題の名手による注目の新譜は、フランス映画界を代
表する名匠シャンタル・アケルマンを監督に迎えた演奏映像DVD。DVD2枚組
+特典CDの豪華内容を特典価格でお届けします!ユニークな芸術家二人のタ
ッグによって創られた作品ですから、凡庸な演奏映像に留まるわけがありま
せん!音楽に合わせてゆっくりと変化する光と影の演出はまるでフェルメー
ルの絵画を思わせる繊細な美しさ。特にユニークなのはデュティユーの作品!
ヴィーダー=アサートンが演奏するアパルトマンの窓越しに向い部屋の男女
の日常生活が見える演出は、まるで一つの短編映画を見ているようです。ヴィ
ーダー=アサートンの演奏も映像のインパクトに負けぬ素晴らしいもの!デュ
ティユーの3つのストローフェでは超絶技巧をいかんなく披露し、「東欧諸国
の歌」と題されたDISK2では、得意の民族調作品で艶やかな演奏をたっぷりと
聴かせてくれます。各DVDの最初では、ヴィーダー=アサートンが自身の人生
や作品について語る映像も収録。さらに、彼女が音楽を担当したアケルマン
の映画「カウチ・イン・ニューヨーク」のサウンドトラックを抜粋収録した
特典CD付となっています。単なる演奏映像ではなく、ヴィーダー=アサート
ンという一人のアーティストの真に迫る作品に仕上がったこだわりのBOXです!

V 5290 ¥1650
アクサンチュス・ベスト20
フォーレ:レクイエムOp.48(1896年版)より
バーバー:「アニュス・デイ」
〔弦楽のためのアダージョOp11を作曲者本人が編曲〕ほか
ロランス・エキルベイ(指揮)、
アクサンチュス室内合唱団、ほか
ロランス・エキルベイ率いるアクサンチュス室内合唱団が、これまで発売し
たCDから珠玉の名演の数々を抜粋したベスト盤をna?veレーベルから特別価格
でリリースします!1992年に設立され、柔らかい歌声と抜群の歌唱力で今や
フランスを代表する合唱団と名高いアクサンチュス室内合唱団。naiveレー
ベルでの活動も長く、2000年より10年以上にわたって様々な名盤を発信して
きました。今回は18枚にも及ぶ過去のCDから珠玉の20曲を選曲。エキルベイ
&アクセンチュス室内合唱団の名を一躍有名にした「トランスクリプション
集」(V 4947)や、癒しの歌声で高い評価を集めたブラームスの「ドイツ・レ
クイエム」(V 4956)など、これまで話題を集めてきた名演の数々を一つに集
約した豪華内容となっています。ブックレット末には抜粋元のCDリストもあ
り、気に入ったCDを探すことも可能。アクサンチュスの変わらぬ美声と、幅
広いレパートリーに圧倒されるおすすめ盤です!




<Profil>
=エディション・シュターツカペレ・ドレスデン=
PH 07040 2枚組 ¥2980
マーラー:交響曲第2番ハ短調「復活」
シャルロッテ・マルジョーノ(S) ヤルト・ヴァン・ネス(A)
ザクセン州立ドレスデン歌劇場合唱団、ドレスデン交響合唱団
ベルナルド・ハイティンク(指揮) 
シュターツカペレ・ドレスデン
録音:1995年2月13日ドレスデン、ゼンパーオーパー(ライヴ・デジタル)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管首席指揮者時代(1963-1988)の早い段階で、交
響曲の全集録音を完成させたハイティンクは、これまでにレコーディングと
並行して実演でも数多く、マーラーの交響曲を取り上げてきました。ゆたか
な実績から現代屈指のマーラー指揮者として名高いハイティンクは、第2交響
曲について次のように、第1番とならぶ最多の7種のレコーディングを発表し
ています。
1968年 ロイヤル・コンセルトヘボウ管(セッション録音) ※全集シリーズ
1984年 ロイヤル・コンセルトヘボウ管(ライヴ録音) ※映像作品
1990年 ロッテルダム・フィル(ライヴ録音)
1993年 ベルリン・フィル(ライヴ録音) ※映像作品
1993年 ベルリン・フィル(セッション録音)
1995年 ロイヤル・コンセルトヘボウ管(ライヴ録音)
2008年 シカゴ響(ライヴ録音)
このたびProfilより登場する音源は、第2次大戦下の民間人大量殺戮として知
られる「ドレスデン爆撃」から50周年の節目にあたる1995年2月13日に、ハイ
ティンクがシュターツカペレ・ドレスデンを指揮して、ドレスデンのゼンパー
オーパーでおこなったコンサートの模様を収めたもので、ハイティンクにとっ
て8つ目の録音ということになります。
よく知られるように、ドレスデン爆撃が敢行された毎年2月13日に、レクィエ
ムやミサ曲などのプログラムによる追悼演奏会をおこなうのが、シュターツ
カペレ・ドレスデンの慣例となっており、この前年1994年には、コリン・デイ
ヴィスの指揮でベルリオーズの「レクィエム」を演奏していました。
マーラーの「復活」は、絶望の淵そのものというべき葬送行進曲に始まり、
やがてついには合唱を大掛かりに動員して感動的なフィナーレで閉じられる
という、きわめてドラマティックで聴き映えのする作品なので、おそらくは
こうしたモニュメンタルなイベントにふさわしいとの判断も働いてのことな
のでしょう。じっさい、ハイティンクは、上記のように1990年にロッテルダ
ム爆撃50周年記念演奏会で、この作品を演奏して大成功を収めた経緯から、
同じくここでもハイティンクはマーラーの「復活」を取り上げたものとおも
われます。
ちなみに、シュターツカペレ・ドレスデンとの共演にあたり、ハイティンク
はソリストに、その1990年のロッテルダム・フィル、1995年のコンセルトヘ
ボウ管とも共通する顔触れ、マルジョーノとヴァン・ネスを起用して本公演
に臨んでいるのも興味深いところです。
こののち2002年にハイティンクは、急逝したシノーポリの後任として当楽団
の首席指揮者に就任していますが、ひたむきな音楽運びから導き出された迫
真の内容を通して、当ライヴの充実ぶりがハイティンクへのオファーの少な
からぬ要因となったに相違ないと強く実感されることでしょう。




<日本伝統文化振興財団>
SACG 30001(SACD) ¥4200
シングルレイヤー
ブルックナー:交響曲第8番(ノヴァク版)
ロヴロ・フォン・マタチッチ(指揮)、NHK交響楽団
録音:1984年3月7日、NHKホール(N響 第925回定期公演ライヴ)
XRCDのあまりの出来の良さにSACD化を望む声が多くあがっておりましたが、
今回満を持しての発売で、より美しさが増し、オリジナルの音をつきつめる
とここまで美しい音質であったのかと驚き、また広レンジの迫力、臨場感に
圧倒されます。JVCスタジオ渾身の出来栄えです。
このディスクはSuper Audio CD(シングルレイヤー)です。対応プレーヤーで
Super Audio CD再生モードにしてお楽しみください。

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