クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

コメントはメーカー案内書より抜粋です。お問い合わせ:goodies2@pc.highway.ne.jp

12-03 No.31-1

2012年03月27日 12時34分18秒 | Weblog
<Universal France(Decca)>
480659 ¥2180
フランスの歌姫、ナタリー・マンフリーノ
魅惑のフランス・オペラ・アリア集
グノー:歌劇「ファウスト」
-「トゥーレの王……何と美しいこの姿」(宝石の歌)
マスネ:歌劇「エロディアード」-「美しくやさしい君」
マスネ:歌劇「マノン」-「さようなら,私たちの小さなテーブル」
ドリーブ:歌劇「ラクメ」-「Tu m’as donn? le plus doux r?ve」
マスネ:歌劇「タイス」-「私を美しいと言って」
ビゼー:カンタータ「ヴァスコ・ダ・ガマ」
-スペインのセレナード「君の心を開け」
グノー:歌劇「ロメオとジュリエット」-「「私は夢に生きたい」
ドビュッシー:カンタータ「放蕩息子」-「来る年も来る年もむなしく」
グノー:歌劇「ファウスト」-「糸紡ぎの歌」
マスネ:歌劇「マノン」-「私が女王様と同じように路を行けば」
マスネ:歌劇「マノン」-「彼らの声が甘い恋に誘うとき」
ラロ:歌劇「イスの王様」-「Tais-toi Margared」
ビゼー:歌劇「真珠採り」-「夜のとばりに唯一人」
ドビュッシー:歌劇「ロドリーグとシメーヌ」
-「Mais non, je n’en crois rien」
ショーソン:歌劇「アルテュス王」-「Ah, trahie, abandonnee」
ナタリー・マンフリーノ(Sp)
エマニュエル・ヴィヨーム(指揮)
モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団
《録音》 2007年7月, モナコ(デジタル:セッション)
2001年にドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」でデビューを果たしたナタ
リー・マンフリーノ。その後様々なフランスの歌劇に出演し絶賛。グノーの
「ロメオとジュリエット」、アルファーノの歌劇「シラノ・ド・ベルジュラッ
ク」で高い評価を得、「VICTOIRES de la MUSIQUE」賞を受賞しています。この
アルバムは彼女がDeccaと契約を結び、2007年に録音した初ソロ・アルバムです。
歌唱や演技の才能だけでなく、完璧な言葉の発音と官能的で魅力的な歌声を持
ち合わせたマンフリーノ。ここでは有名なオペラ・アリアだけでなく、珍しい
作品も取り上げられおり、フランス・オペラの醍醐味が楽しめます。エマニュ
エル・ヴィヨームの堅牢かつ流麗な指揮が、彼女の実力を見事に引き出してい
ます。





<NAXOS> 各1枚 ¥1000
8.572986
トニー・バンクス:管弦楽のための6つの小品
1.サイレン/2.静かな領海/3.バラード/4.野生の巡礼/5.神託
6.黄金の都市
チャーリー・シーム(ヴァイオリン)…3
マーティン・ロバートソン(アルト・サクソフォン)…1
プラハ市交響楽団
ポール・イングリッシュバイ(指揮)
2004年、あのトニー・バンクス(1950-)がNAXOSから管弦楽作品「セブン」
(8.557466)をリリースした時は、世界中に衝撃が走ったものでした。確かに
彼が作り上げたジェネシス・サウンドは、分厚い和音を駆使した攻撃的でシ
ンフォニックなもの(ショスタコーヴィチやマーラーの影響を受けているとも)
で、前作「セブン」でも実際のオーケストレーションこそ行わなかったもの
の、彼が描きたかった音世界がそのまま表現されているものでした。今回の
新しい作品は、様々なイメージが喚起される6つの小品で、この中には誘惑や
旅、英雄、試練など、わくわくするような要素が詰まっているといいます。
この構想は、ジェネシスが最後のツアーを終えた2007年にはもう芽生えてい
たといい、次々と湧き上がるアイデアがこのような壮大な作品になりました。
全ての人の期待通りの名作誕生です。

8.559709
バーンスタイン・バーバー・ダイアモンド:作品集
1-8.バーンスタイン(1918-1990):
アリアと舟歌(1988)(B.シェンによるメゾ・ソプラノとバリトン、弦楽合奏と
パーカッション編)(プレリュード /ラヴ・デュエット/スメリーちゃん/生涯
の恋人/あいさつ/私の結婚式で/ウェッブ夫妻のおやすみなさい/後奏)
9.バーバー(1910-1981):序曲「悪口学校」(1931)
10.ダイアモンド(1915-2005):
モーリス・ラヴェルの思い出に捧げる哀歌(1937)
ジェーン・バネル(メゾ・ソプラノ)…1-8
デイル・デュージング(バリトン)…1-8
シアトル交響楽団/ジェラード・シュワルツ(指揮)
アメリカを代表する3人の作曲家の作品集です。時として機能的になりがちな
アメリカ音楽にも、こんなにも抒情的な面があるということを再確認できる
選曲がステキです。バーンスタインの歌曲集「アリアと舟歌」は1988年、彼
の晩年に完成しましたが、1955年ころから構想が練られていたようで、1960
年にはタイトルが決められていて、しばしばメロディの断片が書きつけられ
るなど、バーンスタインがずっと温め続けた「愛と結婚」についてのツィク
ルスです。本来は声と4手ピアノのために書かれたものですが、ブライト・
シェンがバーンスタイン監修の下、弦楽合奏とパーカッション伴奏にと拡大
したヴァージョンが収録されています。バーバーの作品はエネルギーに溢れ
ていて、ダイヤモンドの作品は、ノーブルさの中に暴力的な嘆きを反映させ
た革新的なものです。

8.572743
ブロッホ:アメリカ・合奏協奏曲 第1番
1-3.アメリカ-叙事的狂詩曲(1620年:土-インディアン-(英国)-メイフラワー
号-巡礼者の上陸/1861-1865年:喜びのとき-悲しみのとき/1926年:現在-未来
(賛歌))
4-7.ピアノと弦楽オーケストラのための「合奏協奏曲 第1番」(前奏曲/挽歌
/田園曲と田舎の踊り/フーガ)
シアトル交響合唱団…トラック3
パトリシア・マイケリアン(ピアノ)
シアトル交響楽団
ジェラード・シュワルツ(指揮)
スイス、ジュネーヴに生まれ、ブリュッセル音楽院でウジェーヌ・イザイに
師事、1916年にアメリカに移住した作曲家ブロッホ(1880-1959)は、この地で
数多くの音楽家を育てあげるなど、アメリカの新古典主義音楽の興隆に尽力
した事でも知られます。彼は自作の中に、しばしばユダヤの民族音楽を取り
入れた独自の作風を示しましたが、この1926年に作曲された「アメリカ-叙事
的狂詩曲」は、彼を受け入れたアメリカに対する"愛国心"が描かれたもので、
実は、彼がアメリカへと向かう船の中で最初に構想されたものが10年を経て
ようやく実現したものだったのでした。ネイティヴ・アメリカンの時代から、
ブロッホが生活していた1926年、そして未来への予想図が3つの楽章に分けて
描かれ、そこには数多くのメロディの引用が織り込まれた音楽による歴史絵
巻となっています。1927年、ミュージカル・アメリカ誌の主宰する作曲コン
クールで受賞した作品です。合奏協奏曲は、バロック音楽の形式を再現した
新古典派の流儀による作品。ピアノが面白いように活躍します。

8.559695
ボルコム:ゴスペル・プレリュード全集
1-3.第1集
(いつくしみ深き/沈める寺(中世のロック)/ジャスト・アズ・アイ・アム)
4-6.第2集
(まもなくかなたの(幻想曲)/アメイジング・グレイス/私たちはイエスを呼ぶ)
7-9.第3集
(世の波騒げど 御声静かに /つみとがを赦され/主よ御許に近づかん)
10-12.第4集
(時には母のない子のように/しずけき祈りの/「神より生まれしものよ」と
「なんと確かないしずえなんだろう」による自由な幻想曲)
グレゴリー・ハンド(オルガン)
クラシックの作曲家というよりも、どちらかと言うとジャズの分野で知られ
るボルコム(1938-)ですが、NAXOSでは、25年の歳月をかけて作曲した「無垢
と経験の歌」(8.559216-18)がとりわけ人気を誇っているように、そのジャン
ルを超えた多彩な作品は、全ての人々に訴えかける力を持っています。この
「ゴスペル・プレリュード」もその流れに位置する作品群で、敬虔な響きと
ジャジーな和声が交錯する不可思議な親しみやすさを持っているものばかり
です。おなじみの「アメイジング・グレイス」も幻想的な面持ちで登場し、
刻々と姿を変えていきます。あの有名な讃美歌「主よ御許に近づかん」は、
重苦しい不協和音で始まり、どうなることか・・・と思っていると、突然鐘
の音とともに、メロディが現れます。スウィングしちゃうぞ!

8.572834
スイングしなけりゃ意味がない
1.デューク・エリントン:スイングしなけりゃ意味がない/2.デューク・エリ
ントン:ムード・インディゴ/3.コール・ポーター:マイ・ハート・ビロングス
・トゥ・ダディ/4.ホレス・シルヴァー:リベレイテッド・ブラザー/5.デイ
ヴ・ブルーベック:トルコ風ブルーロンド/6.ベニー・グッドマン:サボイで
ストンプ/7.ハロルド・アーレン:降っても晴れても/8.ジョー・ガーランド:
イン・ザ・ムード/9.ジミー・ジュフリー:フォー・ブラザーズ/10.ゲリー・
アンダーソン:マンハッタン・メドレー(マンハッタン-ララバイ・オブ・ブ
ロードウェイ-四十二番街)
ストリング・フィーヴァー
マリン・オールソップ(リーダー)
指揮者マリン・オールソップのもう一つの顔とも言える、1981年に創立された
「ストリング・フィーヴァー」の録音集です。彼女はマンハッタンに生まれ、
ジュリアード音楽院でヴァイオリンを学び、1989年にはタングルウッド音楽祭
クーセビッツキー賞を受賞し、バーンスタインから教えを受けています。この
時の体験は彼女の音楽生活に強い影響を及ぼし、まずはジャズとクラシック音
楽の融合に力を注ぐことにしました。この時立ち上げたのが「ストリング・
フィーヴァー」であり、また1984年にはもう少し大きな組織である「コンコー
ディア管弦楽団」も立ち上げています。そんな彼女を中心としたこの演奏は、
ジャズやポップスなどのスタンダード・ナンバーをクラシック調に編曲し、
楽しさと多様性を持たせることで、当時の批評家や聴衆の心をぐっとつかんだ
というものです。エリントンからブルーベックまでのゴキゲンなアレンジは、
確かに今聴いてもばっちりです。

8.572695
ヤナーチェク:
1-3.狂詩曲「タラス・ブーリバ」JWVI/15(1918)(アンドレイの死/オスタップ
の死/タラス・ブーリバの予言と死)
4-9.ラシュスコ舞曲 JWVI/17(1889-90)(昔の踊り 第1番/祝福の踊り/ふいご
/昔の踊り 第2番/チェラデンスキーから/のこぎりの踊り)
10-14.モラヴィア舞曲 JW VI/7(1891)(コジツ(コート)/カラマイカ(ウクライ
ナの輪舞)/トロイカ(三頭立てのソリ)/シルニツェ(街道)/ロジェック(隅っこ))
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団
アントニ・ヴィト(指揮)
ヤナーチェク(1854-1928)が1918年に作曲した表題音楽「タラス・ブーリバ」
は、ニコライ・ゴーゴリの小説を下敷きに、ヤナーチェク自身の愛国心を万遍
なく盛り込んだ野心作です。ラシュスコ舞曲は、ヤナーチェクが民謡収集を
積極的に行うようになった時期である1890年頃に作られたもので、こちらは
生き生きとした音楽が、極めてわかりやすい和声で歌われます。官能的なハ
ーモニーはありませんが、これはこれでヤナーチェクらしい音楽と言えるで
しょう。モラヴィア舞曲も同じテイストで、どちらかというとドヴォルザー
クに近いものかもしれません。
アントニ・ヴィトとワルシャワ・フィルは、前作のグラゴル・ミサ(8.572639)
を上回る熱気でこれらの曲を演奏しています。

8.571204
ドラッテル:
1.悲しみは憂鬱ではない/2.炎の踊り:クラリネット協奏曲/3-4.リリス
5.炎の中に/6.Syzygy-連接
デヴィッド・シフリン(クラリネット)/スコット・ゴフ(フルート)
シアトル交響楽団
ジェラード・シュワルツ(指揮)
ニューヨーク、ブルックリンで生まれたユダヤの血をひくドラッテル(1956-)
は19歳という比較的遅い時期に作曲を始めたといいます。それまではヴァイ
オリニストとしての勉強を続けていた彼女ですが、この仕事に夢中になり、
「書き始めたら止まらなかった」と語るほど熱い情熱を曲つくりに向けるよ
うになります。最初は器楽曲を書いていましたが、2000年以降は劇音楽やオ
ペラを作曲し、2003年の「ニコラウスとアレクサンドラ」ではドミンゴが主
役を演じ話題となりました。彼女の音楽は、その鮮やかな色彩感が、ネオ・
ロマンティックの様式の中で生かされるというものであり、独自の官能性と
心躍るリズムを内包しています。ひたすら悲しみと諦めに満ちたトラック1、
クラリネットの扱いが素晴らしいトラック2、など聴きどころの多い曲が並び
ます。名手シフリンのクラリネットも最高です。

8.572607
フックス:
1-4.セレナード 第3番 ホ短調 Op.21
5-9.セレナード 第4番 ト短調 Op.51
10-13.セレナード 第5番 ニ長調 Op.53
ケルン室内管弦楽団
クリスティアン・ルートヴィヒ(指揮)
オーストリアに生まれ、教師としても多くの作曲家を育てあげたローベルト
・フックス(1847-1927)ですが、彼自身は先進的な作曲語法には興味がなかっ
たようで、その作品は、まるでブラームスの時代に遡ったかのように古風で
端正な佇まいを見せています。数多くの作品を残していますが、生前もっと
も人気を博したのは5曲のセレナードであり、NAXOSではすでに第1番と第2番
がリリースされ(8.572222)高い人気を得ており、今回の第3番-第5番の登場で、
その全貌を知ることができることでしょう。第3番はまさにブラームス風です
が、冒頭の寂しげな旋律は、後のシベリウスの「悲しきワルツ」を彷彿させ
ます。第4番はその17年後に書かれたもので、一層練り上げらたオーケストレ
ーションと心地よいメロディに満ちた豊かな作品です。そして第5番は、まる
でマーラーの交響曲を予感されるようなアダージョで始まり、時折辛口な音
をはさみつつも、全体的にはウィーン的な軽妙さと優雅さを持つ名作となっ
ています。精妙な響きを堪能したい人にオススメの1枚です。

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12-03 No.31-2

2012年03月27日 12時33分48秒 | Weblog
8.572779
ワインベルク:
1.モルダヴィアの主題によるラプソディ Op.47-1(1949)
2-6.交響曲 第6番 Op.79(1963)
グリンカ・コラール・カレッジ少年合唱団…3.5.6
サンクトペテルブルク交響楽団
ウラディーミル・ランデ(指揮)
ポーランドに生まれ、ショスタコーヴィチの友人としても知られる20世紀の
最大の作曲家の一人、ワインベルク(1919-1996)の2つの作品です。1949年、
彼が30歳の時に作曲した「モルダヴィアの主題によるラプソディ」は物憂い
風情を湛えた前半部と、興奮の坩堝と化した後半部のコントラストが見事で
す。民謡を多用したこの「親しみやすい」作品は、当時の社会情勢の求めで
書いた曲であり、必ずしも彼の本意が表出されているとはいえませんが、人々
の賞賛を集めたことは間違いありません。1949年11月30日にアレクサンドル
・ガウク指揮、モスクワ放送交響楽団によって初演されました。交響曲第6番
は、児童合唱を用いる描写的な音楽で、初演を聴いたショスタコーヴィチが
大絶賛したと言います。確かにショスタコの一連の作品を上回るほどの凶暴
性を持つスケルツォはロシア好きでなくとも、一聴の価値ありです。

8.572635
カーゲル:フルートのための作品集
1.コンチェルト(2001-02)/2.幻想小曲集(フルートとピアノ編)(1987-88)
3.ピッコロと弦楽四重奏のための「パン」
4.幻想小曲集(フルート、ピアノとアンサンブル編)(1987-88)
ミヒャエル・ファウスト(フルート…1.2.4/ピッコロ…3)
パウロ・アルバレス(ピアノ)…2.4/アンサンブル・コントラスツ…3.4
ロベルト・HP・プラッツ(指揮)…4
シンフォニア・フィンランディア・ユバスキュラ…1
パトリック・ガロワ(指揮)…1
アルゼンチンのブエノスアイレスに生まれ、作曲は独学で習得したというカー
ゲル(1931-2008)。1957年にケルンに移住し、すぐさま独自の「破壊的な」作
風を確立、電子音楽や前衛音楽の先鋒者として、音楽と劇、映画を統合した
「総合音楽」を提唱したことで知られます。そんな彼の作品は、どれもパフォ
ーマンス的な要素が強く、ここで聴ける4つの作品も一筋縄ではいかないもの
ばかりです。コンチェルトは、一応フルート協奏曲の形式をとっていますが、
伴奏の弦楽合奏、パーカッション、ハープなどは全てフルートと同等の扱いを
受けているため、名前の通りの印象を受けることはあまりありません。トラッ
ク3の「パン」は、あの有名なパパゲーノの笛をモティーフにしたもので、現
代に迷い込んだ鳥刺しの困惑が描かれているかのようです。またシューマンに
敬意を表した「幻想小曲集」では、2つのヴァージョンを聴くことができます。
フルートとピアノ版で古典的とも言えるアンサンブルを堪能した後に、もう一
つのヴァージョンを聴いてみると、一層の面白さを感じられることでしょう。

8.570985
ストラヴィンスキー:
1-7.プルチネルラより「イタリア組曲」(1932)(ドゥシュキン編)
8-13.妖精の口づけより「ディヴェルティメント」(1934)(ドゥシュキン編)
14-18.協奏的二重奏曲(1932)
キャロリン・ヒューブル(ヴァイオリン)
マーク・ウェイツ(ピアノ)
「新古典派」の作曲家ストラヴィンスキー(1882-1971)の面目躍如と言った感
のある、このプルチネルラの「イタリア組曲」は、バレエ・リュスの主宰者
ディアギレフの発案によって1919年に書かれました。最初はペルゴレージの楽
曲を素材に。と考えられていたようですが、結局は数多くの作曲家たちの曲を
元に、ストラヴィンスキーが近代的な和声を取り入れて、きわめて小粋な合
奏協奏曲風の組曲として仕上げたのです。その後、ストラヴィンスキーが最初
のヴァイオリン曲である「ヴァイオリン協奏曲」を作曲する際、協力してくれ
たドゥシュキンのために、この「イタリア組曲」をはじめとしたいくつかの作
品をヴァイオリンとピアノで演奏できるように編曲、またオリジナルの「協奏
的二重奏曲」も作曲しています。シュニトケのソナタ(8.570978)で鮮烈な演
奏を聴かせたヒューブルが、ここでも見事な切れ味で、この一癖も二癖もあ
る痛快な音楽を演奏しています。

8.572472
ドビュッシー&メシアン:2台のピアノのための音楽
1-3.ドビュッシー:
白と黒で(1915)(無我夢中で/ゆるやかに。沈痛に/スケルツァンド)
4-10.メシアン:
アーメンの幻影(1943)(I.創造のアーメン/II.星たちと、輪のある惑星のアー
メン/III.イエズスの苦悶のアーメン/IV.欲望のアーメン/V.天使、聖者、
鳥の歌のアーメン/VI.神の裁きのアーメン/VII.終わりのアーメン)
ラルフ・ファン・ラート(第1ピアノ)/ヘコン・アウストベ(第2ピアノ)
ともに戦時中に書かれた2つの「2台のピアノのための音楽」です。第一次世
界大戦中に書かれたドビュッシー(1862-1918)の「白と黒で」は、その第2曲目
に戦争の影響がはっきり表れています。タイトルについては、鍵盤の白と黒、
そしてそれを混ぜ合わせた灰色がイメージされているといい、そちらもなかな
か意味深です。活動的な第1曲、フランソワ・ヴィヨンの詩による第2曲、ドル
レアンの詩による第3曲から出来ています。メシアンの作品は、深淵なる宗教
的な瞑想の曲で、2台のピアノの役割が明確に分かれています。リズミックで
華やかさを表現する第1ピアノはイヴォンヌ・ロリオが演奏し、メシアン(1908
-1992)は第2ピアノでメロディと表現を担当するというものでした。この演奏
では、2人の「現代音楽ピアニスト」が素晴らしい解釈を聞かせています。

8.572916
期待の新進演奏家シリーズ/ラファエル・アギーレ ギター・リサイタル
1.ヘロニモ・ヒメネス(1854-1923):
「ルイス=アロンソの結婚式」より間奏曲(山下和仁編)
2.ドビュッシー(1862-1918):
版画第2集より「グラナダの夕べ」(C.トレパット編)
3.パコ・デ・ルシア(1947-):ガヒーラズ・デ・ルシア
4-6.セルジオ・アサド(1952-):
スペインの印象(R.アギーレに捧ぐ)
(アストゥリアーノ/バレンシアーノ/アンダルーサ)
7.ドビュッシー:前奏曲 第2集より「ヴィーノの門」(C.トレパット編)
8.マヌエル・ロペス=キローガ(1899-1988):
フランシスコ・アレグレ(C.トレパット編)
9.アルベニス(1860-1909):イベリア 第2集より「トリアーナ」
10.ロドリーゴ(1901-1999):トッカータ
11.タレガ(1852-1909):グラン・ホタ
12.ホアキン・マラツ(1872-1912):セレナータ・エスパニョーラ(タレガ編)
※4-6…世界初録音
録音 2011年9月7-10日カナダ オンタリオ,聖ジョン・クリソストム教会
2007年タルレガ・ギター・コンクールで優勝したことにより、既にNAXOSから
アルバムが1枚発売されている(8.572064)1984年生まれの若手ギタリスト、ア
ギーレが一層パワーアップして戻ってまいりました。今回は2010年に開催さ
れたアルハンブラ・国際ギターコンクールの優勝を讃えた録音ですが、彼は
他にも合計13もの国際コンクールで1位を獲得していて、現代の最も有名、か
つ有望なギタリストとして世界中から注目を集めています。今回のプログラ
ムは、ドビュッシーやアルベニスを始めとした「イベリア」の影響を受けた
作品を集めたという練りに練った1枚。フラメンコや闘牛など、まさに「血が
騒ぐ」曲が集められています。ヒメネスの間奏曲は、山下和仁が編曲した超
絶技巧を駆使したヴァージョンであり、こちらも興味深いものです。

8.660295-96 2枚組
ヴァッカイ:歌劇「メッシーナの花嫁」
ドンナ・イザベラ…ジェシカ・プラット(ソプラノ)
ドン・エマニュエーレ…フィリッポ・アダミ(テノール)
ドン・チェザーレ…アルマンド・アリオスティーニ(バリトン)
ベアトリーチェ…小野 和歌子(メゾ・ソプラノ)
ディエゴ…マウリツィオ・ロ・ピッコロ(バス)
ブルノ・クラシカ・チャンバー・コア
ヴィルトージ・ブルネンシス
アントニオ・フォリアーニ(指揮)
1803年にシラーが書いた「メッシーナの花嫁」は、のちに社会的な流行を引き
起こす「ロマン派運命悲劇」の先駆とみなされています。この作曲家ヴァッカ
イ(1790-1848)は、声楽教師として有名であり、またベッリーニのライバルとし
ても知られています。この作品は1939年の初演時に不評を被り、結果優れた作
品であるにも拘らず、すっかり忘れられてしまったものです。2009年のこの蘇
演では万全のキャストを配しており、作品の真価に光を当てたものと言えるで
しょう。2人の王子から愛されるベアトリーチェを歌うのは、日本が誇るメゾ・
ソプラノ、小野和歌子さんです。彼女の深い表現力に満ちた輝かしい声をどう
ぞお楽しみください。

8.111384
クライスラー:完全録音集 第4集
1.ブランドル(1835-1913):昔の歌/2.グラナドス(1867-1916):アンダルーサ
3.クライスラー(1875-1962):ロマンティックな子守歌 Op.9
4.ドヴォルザーク(1841-1904):わが母が教え給いし歌
5.マスネ(1842-1942):タイスの瞑想曲/6.クライスラー:愛の喜び
7.クライスラー:クープランの様式によるプロヴァンス朝の歌
8.フォスター:故郷の人々/9.ブラームス(1833-1897):ハンガリー舞曲 第5番
10.スメタナ(1824-1884):わが故郷から「ボヘミアの幻想」
11.チャイコフスキー(1840-1893):アンダンテ・カンタービレ
12.ボッケリーニ(1743-1805):メヌエット
13.クライスラー:ベートーヴェンの主題によるロンディーノ
14.ビゼー(1838-1875):アルルの女から「アダージェット」
15.スペンサー(1878-1944):星の下に
16.ハベル(1879-1954):ビッグ・ショー「プア・バタフライ」
17.シューベルト(1797-1828):ロザムンデより「アンダンティーノ」
18.ウィンターニッツ(1872-1948):若き夢
19.パデレフスキ(1860-1941):メヌエット/20.クライスラー:道化役者
21.シューベルト:楽興の時 Op.94-3/22.ラモー(1683-1764):タンブーラン
23.キング(1862-1932):美しきオハイオ
24.クラカウアー(1866-1894):天国にて
25.クライスラー:ジプシーの女
26.バルデス:セレナーデ・ドゥ・ツィガーヌ
フリッツ・クライスラー(ヴァイオリン)
カール・ラムソン(ピアノ)…1-10/モーリス・アイスナー(ピアノ)…21.22
スタジオ・オーケストラ…15-20,23-26
ジョセフ・A・パステルナック(指揮)…15-20,23-26 他
録音1916,1917,1919年ウォード・マーストン復刻
1914年に第一次世界大戦が勃発、ニューヨークに住んでいたクライスラーも召
集され、東部戦線に出征しますが、重傷を負い名誉の除隊となります。その後、
演奏活動を再開、このアルバムで演奏が聴くことができる1916年から1919年頃
は、彼のアーティストとしての絶頂期といっても過言ではないでしょう。1916
年に録音された「愛の喜び」を含む一連の作品は、驚異的な技術と、彼独特の
「話すように歌う」奏法が駆使されていて、グラナドスの「アンダルーサ」や、
チャイコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ」などは、その特徴をはっき
り物語るものと言えます。また「美しきオハイオ」は後に州の公式ソングにも
なるほどの人気を博しました。

8.111385
ジョン・マッコーマック 録音集 第9集
ビクター・トーキング・マシン・カンパニー・レコーディングス(1920-1923)
1.ウィッガーズ:ザ・ベアフット・トレイル
2.ヘンデル(1685-1759):セメレ HMV58より「おお眠りよ,なぜ私から去るの?」/
3.シューマン(1810-1856):歌人の慰め Op.127-1/4.伝承曲:次の市の日
5.伝承曲:A Ballynure Ballad
6.ラフマニノフ(1873-1943):夜の静けさに Op.4-3
7.ラフマニノフ:乙女よ、もう私のために歌うな Op.4-4
8.クレーマー(1890-1969):最後の時/9.ジョンソン(1873-1954):君去りし後
10.マーシャル(1857-1927):僕を呼ぶあなたの声が聞こえた
11.ヒルシュ(1887-1924):オブライエンの少女-笑ってごらん
12.サンダース(1882-1956):古い都の小さな街/13.ロブレド:朝3時
14.カーン,グリフィン,ライマン:島の母
15.サイモンズ(1896-1949):彼女の系図-ばらを思い出して
16.サリヴァン(1842-1900):失われた音階
17.バーンビー(1838-1896):イエス、わが主、わが神、わがすべて
18.ニコルズ(1888-1964):瞳の中の王国
19.メリカント(1868-1924):炎の妖精の物語
20.ラフマニノフ:子どもたちに Op.26-7
21.ホワイトマン,グローフェ:ワンダフル・ワン
22.オープンショウ:小さなばらの花束で愛を伝えよう
23.エイヤー:虹の彼方に/24.エイヤー:世界のどこかに
25.ルックウッド:モリーを見て/26.スクヮイア(1871-1963):夢よ再び
27.ブレーヘ(1885-1956):神への感謝
ジョン・マッコーマック(テノール)
エドウィン・シュナイダー(ピアノ)…3-9
フリッツ・クライスラー(ヴァイオリン)…6-9
スタジオ・オーケストラ
ジョセフ・A・パステルナック(指揮)…1-2,10-17,20
ロザリオ・ブールドン(指揮)…18,21-27 他
録音1920-23年ウォード・マーストン復刻
NAXOSの人気シリーズ、マッコーマックの第9集です。アイルランドが生んだ比
類なきテノール、マッコーマックはその絶妙な息のコントロールで美しい響き
を生み出し、オペラ・アリアだけでなく、故郷のアイルランドの民謡や、当時
流行していた歌まで幅広く歌い、絶大なる人気を誇っていました。この第9集
には、1920年4月から1923年9月にニュージャージーのカムデンで録音された27
曲を収録しています。トラック6-9まではクライスラーとのコラボレーション
です。またメリカントと、ラフマニノフの「子どもたちに」、シューマン「歌
人の慰め」はマッコーマックの生前にも発表されたことがなく、今回初めての
リリースとなります。




<MARCO POLO>
8.225341 ¥1780
J.シュトラウス1世:管弦楽作品集 第21集
1.どんちゃん騒ぎのカドリーユ Op.196/2.ワルツ「花束」Op.197
3.ワルツ「牧歌的に、道徳的に」Op.198/4.新年のポルカ Op.199
5.カドリーユ「1847年の謝肉祭のおみやげ」Op.200
6.ワルツ「テミスの音」Op.201
7.ポルカ「アイゼレとバイゼレ-ジャンプ」Op.202
8.ワルツ「心の旋律」Op.203/9.ヘレンのワルツ Op.204
10.勝利のカドリーユ Op.205/11.ナイヤードのカドリーユ Op.206
12.ワルツ「スウェーデンの歌」Op.207
スロヴァキア・シンフォニエッタ/クリスティアン・ポラック(指揮)
1846年から1847年にかけて、ヨハン・シュトラウス1世(1804-1849)はさまざま
は記念日や、貴族、各界の名士のために、数多くのワルツやポルカ、カドリー
ユを作曲しました。1940年代には彼の楽団とともに、ウィーンの郊外にあるカ
ジノに定期的に出演、その際に演奏したカドリーユにつけられた「Charivari」
というタイトルは、最初「カラフルな品ぞろえ」という意味でしたが、のちに
「どんちゃん騒ぎ」と言った意味が加えられるなど、不思議な広まり方をした
ようです。他にも、医師たちの集まりのために書かれた曲や、当時最高のソプ
ラノ歌手ジェニー・リンドのために書かれた「スウェーデンの歌」など、19世
紀中頃のウィーンの世相を感じさせる作品が集結しています。

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