<Universal France(Decca)>
480659 ¥2180
フランスの歌姫、ナタリー・マンフリーノ
魅惑のフランス・オペラ・アリア集
グノー:歌劇「ファウスト」
-「トゥーレの王……何と美しいこの姿」(宝石の歌)
マスネ:歌劇「エロディアード」-「美しくやさしい君」
マスネ:歌劇「マノン」-「さようなら,私たちの小さなテーブル」
ドリーブ:歌劇「ラクメ」-「Tu m’as donn? le plus doux r?ve」
マスネ:歌劇「タイス」-「私を美しいと言って」
ビゼー:カンタータ「ヴァスコ・ダ・ガマ」
-スペインのセレナード「君の心を開け」
グノー:歌劇「ロメオとジュリエット」-「「私は夢に生きたい」
ドビュッシー:カンタータ「放蕩息子」-「来る年も来る年もむなしく」
グノー:歌劇「ファウスト」-「糸紡ぎの歌」
マスネ:歌劇「マノン」-「私が女王様と同じように路を行けば」
マスネ:歌劇「マノン」-「彼らの声が甘い恋に誘うとき」
ラロ:歌劇「イスの王様」-「Tais-toi Margared」
ビゼー:歌劇「真珠採り」-「夜のとばりに唯一人」
ドビュッシー:歌劇「ロドリーグとシメーヌ」
-「Mais non, je n’en crois rien」
ショーソン:歌劇「アルテュス王」-「Ah, trahie, abandonnee」
ナタリー・マンフリーノ(Sp)
エマニュエル・ヴィヨーム(指揮)
モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団
《録音》 2007年7月, モナコ(デジタル:セッション)
2001年にドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」でデビューを果たしたナタ
リー・マンフリーノ。その後様々なフランスの歌劇に出演し絶賛。グノーの
「ロメオとジュリエット」、アルファーノの歌劇「シラノ・ド・ベルジュラッ
ク」で高い評価を得、「VICTOIRES de la MUSIQUE」賞を受賞しています。この
アルバムは彼女がDeccaと契約を結び、2007年に録音した初ソロ・アルバムです。
歌唱や演技の才能だけでなく、完璧な言葉の発音と官能的で魅力的な歌声を持
ち合わせたマンフリーノ。ここでは有名なオペラ・アリアだけでなく、珍しい
作品も取り上げられおり、フランス・オペラの醍醐味が楽しめます。エマニュ
エル・ヴィヨームの堅牢かつ流麗な指揮が、彼女の実力を見事に引き出してい
ます。
<NAXOS> 各1枚 ¥1000
8.572986
トニー・バンクス:管弦楽のための6つの小品
1.サイレン/2.静かな領海/3.バラード/4.野生の巡礼/5.神託
6.黄金の都市
チャーリー・シーム(ヴァイオリン)…3
マーティン・ロバートソン(アルト・サクソフォン)…1
プラハ市交響楽団
ポール・イングリッシュバイ(指揮)
2004年、あのトニー・バンクス(1950-)がNAXOSから管弦楽作品「セブン」
(8.557466)をリリースした時は、世界中に衝撃が走ったものでした。確かに
彼が作り上げたジェネシス・サウンドは、分厚い和音を駆使した攻撃的でシ
ンフォニックなもの(ショスタコーヴィチやマーラーの影響を受けているとも)
で、前作「セブン」でも実際のオーケストレーションこそ行わなかったもの
の、彼が描きたかった音世界がそのまま表現されているものでした。今回の
新しい作品は、様々なイメージが喚起される6つの小品で、この中には誘惑や
旅、英雄、試練など、わくわくするような要素が詰まっているといいます。
この構想は、ジェネシスが最後のツアーを終えた2007年にはもう芽生えてい
たといい、次々と湧き上がるアイデアがこのような壮大な作品になりました。
全ての人の期待通りの名作誕生です。
8.559709
バーンスタイン・バーバー・ダイアモンド:作品集
1-8.バーンスタイン(1918-1990):
アリアと舟歌(1988)(B.シェンによるメゾ・ソプラノとバリトン、弦楽合奏と
パーカッション編)(プレリュード /ラヴ・デュエット/スメリーちゃん/生涯
の恋人/あいさつ/私の結婚式で/ウェッブ夫妻のおやすみなさい/後奏)
9.バーバー(1910-1981):序曲「悪口学校」(1931)
10.ダイアモンド(1915-2005):
モーリス・ラヴェルの思い出に捧げる哀歌(1937)
ジェーン・バネル(メゾ・ソプラノ)…1-8
デイル・デュージング(バリトン)…1-8
シアトル交響楽団/ジェラード・シュワルツ(指揮)
アメリカを代表する3人の作曲家の作品集です。時として機能的になりがちな
アメリカ音楽にも、こんなにも抒情的な面があるということを再確認できる
選曲がステキです。バーンスタインの歌曲集「アリアと舟歌」は1988年、彼
の晩年に完成しましたが、1955年ころから構想が練られていたようで、1960
年にはタイトルが決められていて、しばしばメロディの断片が書きつけられ
るなど、バーンスタインがずっと温め続けた「愛と結婚」についてのツィク
ルスです。本来は声と4手ピアノのために書かれたものですが、ブライト・
シェンがバーンスタイン監修の下、弦楽合奏とパーカッション伴奏にと拡大
したヴァージョンが収録されています。バーバーの作品はエネルギーに溢れ
ていて、ダイヤモンドの作品は、ノーブルさの中に暴力的な嘆きを反映させ
た革新的なものです。
8.572743
ブロッホ:アメリカ・合奏協奏曲 第1番
1-3.アメリカ-叙事的狂詩曲(1620年:土-インディアン-(英国)-メイフラワー
号-巡礼者の上陸/1861-1865年:喜びのとき-悲しみのとき/1926年:現在-未来
(賛歌))
4-7.ピアノと弦楽オーケストラのための「合奏協奏曲 第1番」(前奏曲/挽歌
/田園曲と田舎の踊り/フーガ)
シアトル交響合唱団…トラック3
パトリシア・マイケリアン(ピアノ)
シアトル交響楽団
ジェラード・シュワルツ(指揮)
スイス、ジュネーヴに生まれ、ブリュッセル音楽院でウジェーヌ・イザイに
師事、1916年にアメリカに移住した作曲家ブロッホ(1880-1959)は、この地で
数多くの音楽家を育てあげるなど、アメリカの新古典主義音楽の興隆に尽力
した事でも知られます。彼は自作の中に、しばしばユダヤの民族音楽を取り
入れた独自の作風を示しましたが、この1926年に作曲された「アメリカ-叙事
的狂詩曲」は、彼を受け入れたアメリカに対する"愛国心"が描かれたもので、
実は、彼がアメリカへと向かう船の中で最初に構想されたものが10年を経て
ようやく実現したものだったのでした。ネイティヴ・アメリカンの時代から、
ブロッホが生活していた1926年、そして未来への予想図が3つの楽章に分けて
描かれ、そこには数多くのメロディの引用が織り込まれた音楽による歴史絵
巻となっています。1927年、ミュージカル・アメリカ誌の主宰する作曲コン
クールで受賞した作品です。合奏協奏曲は、バロック音楽の形式を再現した
新古典派の流儀による作品。ピアノが面白いように活躍します。
8.559695
ボルコム:ゴスペル・プレリュード全集
1-3.第1集
(いつくしみ深き/沈める寺(中世のロック)/ジャスト・アズ・アイ・アム)
4-6.第2集
(まもなくかなたの(幻想曲)/アメイジング・グレイス/私たちはイエスを呼ぶ)
7-9.第3集
(世の波騒げど 御声静かに /つみとがを赦され/主よ御許に近づかん)
10-12.第4集
(時には母のない子のように/しずけき祈りの/「神より生まれしものよ」と
「なんと確かないしずえなんだろう」による自由な幻想曲)
グレゴリー・ハンド(オルガン)
クラシックの作曲家というよりも、どちらかと言うとジャズの分野で知られ
るボルコム(1938-)ですが、NAXOSでは、25年の歳月をかけて作曲した「無垢
と経験の歌」(8.559216-18)がとりわけ人気を誇っているように、そのジャン
ルを超えた多彩な作品は、全ての人々に訴えかける力を持っています。この
「ゴスペル・プレリュード」もその流れに位置する作品群で、敬虔な響きと
ジャジーな和声が交錯する不可思議な親しみやすさを持っているものばかり
です。おなじみの「アメイジング・グレイス」も幻想的な面持ちで登場し、
刻々と姿を変えていきます。あの有名な讃美歌「主よ御許に近づかん」は、
重苦しい不協和音で始まり、どうなることか・・・と思っていると、突然鐘
の音とともに、メロディが現れます。スウィングしちゃうぞ!
8.572834
スイングしなけりゃ意味がない
1.デューク・エリントン:スイングしなけりゃ意味がない/2.デューク・エリ
ントン:ムード・インディゴ/3.コール・ポーター:マイ・ハート・ビロングス
・トゥ・ダディ/4.ホレス・シルヴァー:リベレイテッド・ブラザー/5.デイ
ヴ・ブルーベック:トルコ風ブルーロンド/6.ベニー・グッドマン:サボイで
ストンプ/7.ハロルド・アーレン:降っても晴れても/8.ジョー・ガーランド:
イン・ザ・ムード/9.ジミー・ジュフリー:フォー・ブラザーズ/10.ゲリー・
アンダーソン:マンハッタン・メドレー(マンハッタン-ララバイ・オブ・ブ
ロードウェイ-四十二番街)
ストリング・フィーヴァー
マリン・オールソップ(リーダー)
指揮者マリン・オールソップのもう一つの顔とも言える、1981年に創立された
「ストリング・フィーヴァー」の録音集です。彼女はマンハッタンに生まれ、
ジュリアード音楽院でヴァイオリンを学び、1989年にはタングルウッド音楽祭
クーセビッツキー賞を受賞し、バーンスタインから教えを受けています。この
時の体験は彼女の音楽生活に強い影響を及ぼし、まずはジャズとクラシック音
楽の融合に力を注ぐことにしました。この時立ち上げたのが「ストリング・
フィーヴァー」であり、また1984年にはもう少し大きな組織である「コンコー
ディア管弦楽団」も立ち上げています。そんな彼女を中心としたこの演奏は、
ジャズやポップスなどのスタンダード・ナンバーをクラシック調に編曲し、
楽しさと多様性を持たせることで、当時の批評家や聴衆の心をぐっとつかんだ
というものです。エリントンからブルーベックまでのゴキゲンなアレンジは、
確かに今聴いてもばっちりです。
8.572695
ヤナーチェク:
1-3.狂詩曲「タラス・ブーリバ」JWVI/15(1918)(アンドレイの死/オスタップ
の死/タラス・ブーリバの予言と死)
4-9.ラシュスコ舞曲 JWVI/17(1889-90)(昔の踊り 第1番/祝福の踊り/ふいご
/昔の踊り 第2番/チェラデンスキーから/のこぎりの踊り)
10-14.モラヴィア舞曲 JW VI/7(1891)(コジツ(コート)/カラマイカ(ウクライ
ナの輪舞)/トロイカ(三頭立てのソリ)/シルニツェ(街道)/ロジェック(隅っこ))
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団
アントニ・ヴィト(指揮)
ヤナーチェク(1854-1928)が1918年に作曲した表題音楽「タラス・ブーリバ」
は、ニコライ・ゴーゴリの小説を下敷きに、ヤナーチェク自身の愛国心を万遍
なく盛り込んだ野心作です。ラシュスコ舞曲は、ヤナーチェクが民謡収集を
積極的に行うようになった時期である1890年頃に作られたもので、こちらは
生き生きとした音楽が、極めてわかりやすい和声で歌われます。官能的なハ
ーモニーはありませんが、これはこれでヤナーチェクらしい音楽と言えるで
しょう。モラヴィア舞曲も同じテイストで、どちらかというとドヴォルザー
クに近いものかもしれません。
アントニ・ヴィトとワルシャワ・フィルは、前作のグラゴル・ミサ(8.572639)
を上回る熱気でこれらの曲を演奏しています。
8.571204
ドラッテル:
1.悲しみは憂鬱ではない/2.炎の踊り:クラリネット協奏曲/3-4.リリス
5.炎の中に/6.Syzygy-連接
デヴィッド・シフリン(クラリネット)/スコット・ゴフ(フルート)
シアトル交響楽団
ジェラード・シュワルツ(指揮)
ニューヨーク、ブルックリンで生まれたユダヤの血をひくドラッテル(1956-)
は19歳という比較的遅い時期に作曲を始めたといいます。それまではヴァイ
オリニストとしての勉強を続けていた彼女ですが、この仕事に夢中になり、
「書き始めたら止まらなかった」と語るほど熱い情熱を曲つくりに向けるよ
うになります。最初は器楽曲を書いていましたが、2000年以降は劇音楽やオ
ペラを作曲し、2003年の「ニコラウスとアレクサンドラ」ではドミンゴが主
役を演じ話題となりました。彼女の音楽は、その鮮やかな色彩感が、ネオ・
ロマンティックの様式の中で生かされるというものであり、独自の官能性と
心躍るリズムを内包しています。ひたすら悲しみと諦めに満ちたトラック1、
クラリネットの扱いが素晴らしいトラック2、など聴きどころの多い曲が並び
ます。名手シフリンのクラリネットも最高です。
8.572607
フックス:
1-4.セレナード 第3番 ホ短調 Op.21
5-9.セレナード 第4番 ト短調 Op.51
10-13.セレナード 第5番 ニ長調 Op.53
ケルン室内管弦楽団
クリスティアン・ルートヴィヒ(指揮)
オーストリアに生まれ、教師としても多くの作曲家を育てあげたローベルト
・フックス(1847-1927)ですが、彼自身は先進的な作曲語法には興味がなかっ
たようで、その作品は、まるでブラームスの時代に遡ったかのように古風で
端正な佇まいを見せています。数多くの作品を残していますが、生前もっと
も人気を博したのは5曲のセレナードであり、NAXOSではすでに第1番と第2番
がリリースされ(8.572222)高い人気を得ており、今回の第3番-第5番の登場で、
その全貌を知ることができることでしょう。第3番はまさにブラームス風です
が、冒頭の寂しげな旋律は、後のシベリウスの「悲しきワルツ」を彷彿させ
ます。第4番はその17年後に書かれたもので、一層練り上げらたオーケストレ
ーションと心地よいメロディに満ちた豊かな作品です。そして第5番は、まる
でマーラーの交響曲を予感されるようなアダージョで始まり、時折辛口な音
をはさみつつも、全体的にはウィーン的な軽妙さと優雅さを持つ名作となっ
ています。精妙な響きを堪能したい人にオススメの1枚です。
480659 ¥2180
フランスの歌姫、ナタリー・マンフリーノ
魅惑のフランス・オペラ・アリア集
グノー:歌劇「ファウスト」
-「トゥーレの王……何と美しいこの姿」(宝石の歌)
マスネ:歌劇「エロディアード」-「美しくやさしい君」
マスネ:歌劇「マノン」-「さようなら,私たちの小さなテーブル」
ドリーブ:歌劇「ラクメ」-「Tu m’as donn? le plus doux r?ve」
マスネ:歌劇「タイス」-「私を美しいと言って」
ビゼー:カンタータ「ヴァスコ・ダ・ガマ」
-スペインのセレナード「君の心を開け」
グノー:歌劇「ロメオとジュリエット」-「「私は夢に生きたい」
ドビュッシー:カンタータ「放蕩息子」-「来る年も来る年もむなしく」
グノー:歌劇「ファウスト」-「糸紡ぎの歌」
マスネ:歌劇「マノン」-「私が女王様と同じように路を行けば」
マスネ:歌劇「マノン」-「彼らの声が甘い恋に誘うとき」
ラロ:歌劇「イスの王様」-「Tais-toi Margared」
ビゼー:歌劇「真珠採り」-「夜のとばりに唯一人」
ドビュッシー:歌劇「ロドリーグとシメーヌ」
-「Mais non, je n’en crois rien」
ショーソン:歌劇「アルテュス王」-「Ah, trahie, abandonnee」
ナタリー・マンフリーノ(Sp)
エマニュエル・ヴィヨーム(指揮)
モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団
《録音》 2007年7月, モナコ(デジタル:セッション)
2001年にドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」でデビューを果たしたナタ
リー・マンフリーノ。その後様々なフランスの歌劇に出演し絶賛。グノーの
「ロメオとジュリエット」、アルファーノの歌劇「シラノ・ド・ベルジュラッ
ク」で高い評価を得、「VICTOIRES de la MUSIQUE」賞を受賞しています。この
アルバムは彼女がDeccaと契約を結び、2007年に録音した初ソロ・アルバムです。
歌唱や演技の才能だけでなく、完璧な言葉の発音と官能的で魅力的な歌声を持
ち合わせたマンフリーノ。ここでは有名なオペラ・アリアだけでなく、珍しい
作品も取り上げられおり、フランス・オペラの醍醐味が楽しめます。エマニュ
エル・ヴィヨームの堅牢かつ流麗な指揮が、彼女の実力を見事に引き出してい
ます。
<NAXOS> 各1枚 ¥1000
8.572986
トニー・バンクス:管弦楽のための6つの小品
1.サイレン/2.静かな領海/3.バラード/4.野生の巡礼/5.神託
6.黄金の都市
チャーリー・シーム(ヴァイオリン)…3
マーティン・ロバートソン(アルト・サクソフォン)…1
プラハ市交響楽団
ポール・イングリッシュバイ(指揮)
2004年、あのトニー・バンクス(1950-)がNAXOSから管弦楽作品「セブン」
(8.557466)をリリースした時は、世界中に衝撃が走ったものでした。確かに
彼が作り上げたジェネシス・サウンドは、分厚い和音を駆使した攻撃的でシ
ンフォニックなもの(ショスタコーヴィチやマーラーの影響を受けているとも)
で、前作「セブン」でも実際のオーケストレーションこそ行わなかったもの
の、彼が描きたかった音世界がそのまま表現されているものでした。今回の
新しい作品は、様々なイメージが喚起される6つの小品で、この中には誘惑や
旅、英雄、試練など、わくわくするような要素が詰まっているといいます。
この構想は、ジェネシスが最後のツアーを終えた2007年にはもう芽生えてい
たといい、次々と湧き上がるアイデアがこのような壮大な作品になりました。
全ての人の期待通りの名作誕生です。
8.559709
バーンスタイン・バーバー・ダイアモンド:作品集
1-8.バーンスタイン(1918-1990):
アリアと舟歌(1988)(B.シェンによるメゾ・ソプラノとバリトン、弦楽合奏と
パーカッション編)(プレリュード /ラヴ・デュエット/スメリーちゃん/生涯
の恋人/あいさつ/私の結婚式で/ウェッブ夫妻のおやすみなさい/後奏)
9.バーバー(1910-1981):序曲「悪口学校」(1931)
10.ダイアモンド(1915-2005):
モーリス・ラヴェルの思い出に捧げる哀歌(1937)
ジェーン・バネル(メゾ・ソプラノ)…1-8
デイル・デュージング(バリトン)…1-8
シアトル交響楽団/ジェラード・シュワルツ(指揮)
アメリカを代表する3人の作曲家の作品集です。時として機能的になりがちな
アメリカ音楽にも、こんなにも抒情的な面があるということを再確認できる
選曲がステキです。バーンスタインの歌曲集「アリアと舟歌」は1988年、彼
の晩年に完成しましたが、1955年ころから構想が練られていたようで、1960
年にはタイトルが決められていて、しばしばメロディの断片が書きつけられ
るなど、バーンスタインがずっと温め続けた「愛と結婚」についてのツィク
ルスです。本来は声と4手ピアノのために書かれたものですが、ブライト・
シェンがバーンスタイン監修の下、弦楽合奏とパーカッション伴奏にと拡大
したヴァージョンが収録されています。バーバーの作品はエネルギーに溢れ
ていて、ダイヤモンドの作品は、ノーブルさの中に暴力的な嘆きを反映させ
た革新的なものです。
8.572743
ブロッホ:アメリカ・合奏協奏曲 第1番
1-3.アメリカ-叙事的狂詩曲(1620年:土-インディアン-(英国)-メイフラワー
号-巡礼者の上陸/1861-1865年:喜びのとき-悲しみのとき/1926年:現在-未来
(賛歌))
4-7.ピアノと弦楽オーケストラのための「合奏協奏曲 第1番」(前奏曲/挽歌
/田園曲と田舎の踊り/フーガ)
シアトル交響合唱団…トラック3
パトリシア・マイケリアン(ピアノ)
シアトル交響楽団
ジェラード・シュワルツ(指揮)
スイス、ジュネーヴに生まれ、ブリュッセル音楽院でウジェーヌ・イザイに
師事、1916年にアメリカに移住した作曲家ブロッホ(1880-1959)は、この地で
数多くの音楽家を育てあげるなど、アメリカの新古典主義音楽の興隆に尽力
した事でも知られます。彼は自作の中に、しばしばユダヤの民族音楽を取り
入れた独自の作風を示しましたが、この1926年に作曲された「アメリカ-叙事
的狂詩曲」は、彼を受け入れたアメリカに対する"愛国心"が描かれたもので、
実は、彼がアメリカへと向かう船の中で最初に構想されたものが10年を経て
ようやく実現したものだったのでした。ネイティヴ・アメリカンの時代から、
ブロッホが生活していた1926年、そして未来への予想図が3つの楽章に分けて
描かれ、そこには数多くのメロディの引用が織り込まれた音楽による歴史絵
巻となっています。1927年、ミュージカル・アメリカ誌の主宰する作曲コン
クールで受賞した作品です。合奏協奏曲は、バロック音楽の形式を再現した
新古典派の流儀による作品。ピアノが面白いように活躍します。
8.559695
ボルコム:ゴスペル・プレリュード全集
1-3.第1集
(いつくしみ深き/沈める寺(中世のロック)/ジャスト・アズ・アイ・アム)
4-6.第2集
(まもなくかなたの(幻想曲)/アメイジング・グレイス/私たちはイエスを呼ぶ)
7-9.第3集
(世の波騒げど 御声静かに /つみとがを赦され/主よ御許に近づかん)
10-12.第4集
(時には母のない子のように/しずけき祈りの/「神より生まれしものよ」と
「なんと確かないしずえなんだろう」による自由な幻想曲)
グレゴリー・ハンド(オルガン)
クラシックの作曲家というよりも、どちらかと言うとジャズの分野で知られ
るボルコム(1938-)ですが、NAXOSでは、25年の歳月をかけて作曲した「無垢
と経験の歌」(8.559216-18)がとりわけ人気を誇っているように、そのジャン
ルを超えた多彩な作品は、全ての人々に訴えかける力を持っています。この
「ゴスペル・プレリュード」もその流れに位置する作品群で、敬虔な響きと
ジャジーな和声が交錯する不可思議な親しみやすさを持っているものばかり
です。おなじみの「アメイジング・グレイス」も幻想的な面持ちで登場し、
刻々と姿を変えていきます。あの有名な讃美歌「主よ御許に近づかん」は、
重苦しい不協和音で始まり、どうなることか・・・と思っていると、突然鐘
の音とともに、メロディが現れます。スウィングしちゃうぞ!
8.572834
スイングしなけりゃ意味がない
1.デューク・エリントン:スイングしなけりゃ意味がない/2.デューク・エリ
ントン:ムード・インディゴ/3.コール・ポーター:マイ・ハート・ビロングス
・トゥ・ダディ/4.ホレス・シルヴァー:リベレイテッド・ブラザー/5.デイ
ヴ・ブルーベック:トルコ風ブルーロンド/6.ベニー・グッドマン:サボイで
ストンプ/7.ハロルド・アーレン:降っても晴れても/8.ジョー・ガーランド:
イン・ザ・ムード/9.ジミー・ジュフリー:フォー・ブラザーズ/10.ゲリー・
アンダーソン:マンハッタン・メドレー(マンハッタン-ララバイ・オブ・ブ
ロードウェイ-四十二番街)
ストリング・フィーヴァー
マリン・オールソップ(リーダー)
指揮者マリン・オールソップのもう一つの顔とも言える、1981年に創立された
「ストリング・フィーヴァー」の録音集です。彼女はマンハッタンに生まれ、
ジュリアード音楽院でヴァイオリンを学び、1989年にはタングルウッド音楽祭
クーセビッツキー賞を受賞し、バーンスタインから教えを受けています。この
時の体験は彼女の音楽生活に強い影響を及ぼし、まずはジャズとクラシック音
楽の融合に力を注ぐことにしました。この時立ち上げたのが「ストリング・
フィーヴァー」であり、また1984年にはもう少し大きな組織である「コンコー
ディア管弦楽団」も立ち上げています。そんな彼女を中心としたこの演奏は、
ジャズやポップスなどのスタンダード・ナンバーをクラシック調に編曲し、
楽しさと多様性を持たせることで、当時の批評家や聴衆の心をぐっとつかんだ
というものです。エリントンからブルーベックまでのゴキゲンなアレンジは、
確かに今聴いてもばっちりです。
8.572695
ヤナーチェク:
1-3.狂詩曲「タラス・ブーリバ」JWVI/15(1918)(アンドレイの死/オスタップ
の死/タラス・ブーリバの予言と死)
4-9.ラシュスコ舞曲 JWVI/17(1889-90)(昔の踊り 第1番/祝福の踊り/ふいご
/昔の踊り 第2番/チェラデンスキーから/のこぎりの踊り)
10-14.モラヴィア舞曲 JW VI/7(1891)(コジツ(コート)/カラマイカ(ウクライ
ナの輪舞)/トロイカ(三頭立てのソリ)/シルニツェ(街道)/ロジェック(隅っこ))
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団
アントニ・ヴィト(指揮)
ヤナーチェク(1854-1928)が1918年に作曲した表題音楽「タラス・ブーリバ」
は、ニコライ・ゴーゴリの小説を下敷きに、ヤナーチェク自身の愛国心を万遍
なく盛り込んだ野心作です。ラシュスコ舞曲は、ヤナーチェクが民謡収集を
積極的に行うようになった時期である1890年頃に作られたもので、こちらは
生き生きとした音楽が、極めてわかりやすい和声で歌われます。官能的なハ
ーモニーはありませんが、これはこれでヤナーチェクらしい音楽と言えるで
しょう。モラヴィア舞曲も同じテイストで、どちらかというとドヴォルザー
クに近いものかもしれません。
アントニ・ヴィトとワルシャワ・フィルは、前作のグラゴル・ミサ(8.572639)
を上回る熱気でこれらの曲を演奏しています。
8.571204
ドラッテル:
1.悲しみは憂鬱ではない/2.炎の踊り:クラリネット協奏曲/3-4.リリス
5.炎の中に/6.Syzygy-連接
デヴィッド・シフリン(クラリネット)/スコット・ゴフ(フルート)
シアトル交響楽団
ジェラード・シュワルツ(指揮)
ニューヨーク、ブルックリンで生まれたユダヤの血をひくドラッテル(1956-)
は19歳という比較的遅い時期に作曲を始めたといいます。それまではヴァイ
オリニストとしての勉強を続けていた彼女ですが、この仕事に夢中になり、
「書き始めたら止まらなかった」と語るほど熱い情熱を曲つくりに向けるよ
うになります。最初は器楽曲を書いていましたが、2000年以降は劇音楽やオ
ペラを作曲し、2003年の「ニコラウスとアレクサンドラ」ではドミンゴが主
役を演じ話題となりました。彼女の音楽は、その鮮やかな色彩感が、ネオ・
ロマンティックの様式の中で生かされるというものであり、独自の官能性と
心躍るリズムを内包しています。ひたすら悲しみと諦めに満ちたトラック1、
クラリネットの扱いが素晴らしいトラック2、など聴きどころの多い曲が並び
ます。名手シフリンのクラリネットも最高です。
8.572607
フックス:
1-4.セレナード 第3番 ホ短調 Op.21
5-9.セレナード 第4番 ト短調 Op.51
10-13.セレナード 第5番 ニ長調 Op.53
ケルン室内管弦楽団
クリスティアン・ルートヴィヒ(指揮)
オーストリアに生まれ、教師としても多くの作曲家を育てあげたローベルト
・フックス(1847-1927)ですが、彼自身は先進的な作曲語法には興味がなかっ
たようで、その作品は、まるでブラームスの時代に遡ったかのように古風で
端正な佇まいを見せています。数多くの作品を残していますが、生前もっと
も人気を博したのは5曲のセレナードであり、NAXOSではすでに第1番と第2番
がリリースされ(8.572222)高い人気を得ており、今回の第3番-第5番の登場で、
その全貌を知ることができることでしょう。第3番はまさにブラームス風です
が、冒頭の寂しげな旋律は、後のシベリウスの「悲しきワルツ」を彷彿させ
ます。第4番はその17年後に書かれたもので、一層練り上げらたオーケストレ
ーションと心地よいメロディに満ちた豊かな作品です。そして第5番は、まる
でマーラーの交響曲を予感されるようなアダージョで始まり、時折辛口な音
をはさみつつも、全体的にはウィーン的な軽妙さと優雅さを持つ名作となっ
ています。精妙な響きを堪能したい人にオススメの1枚です。