クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

コメントはメーカー案内書より抜粋です。お問い合わせ:goodies2@pc.highway.ne.jp

06-03 No.1-1

2006年03月02日 15時22分48秒 | Weblog
<RCO Live>
RCO 06001(SACD-Hybrid) 2枚組 \2500
マーラー:交響曲第6番イ短調「悲劇的」
ヘンツェ:夢みるセバスチャン(2003/04・世界初録音)
マリス・ヤンソンス(指)ロイヤル・コンセルトヘボウO.
録音:・2005年9月7 & 8日・2005年12月22日
アムステルダム、コンセルトヘボウ(ライヴ)
いま人気実力ともに絶頂のマエストロ、マリス・ヤンソンス。手兵コンセルト
へボウ管(RCO)との最新アルバムは、2005-6年シーズンのオープニングを飾っ
たプログラムであり、彼にとってロン響とのライヴ(2002年)以来の再録音と
なるマーラー「悲劇的」。
1903年に作曲者自身の指揮で第3交響曲を演奏したことにさかのぼる、RCOとマ
ーラーとの深いゆかり。この伝統はメンゲルベルク、ベイヌムと途切れること
なく培われ、ハイティンクやシャイーが全集を完成させているように、マーラ
ーはすっかり当オケの看板レパートリーとなっています。こうしたオケの背景
を踏まえての新たなるヤンソンスの「悲劇的」。2005年前半を通じてルツェル
ン、ザルツブルク、ベルリンそしてプロムスと、本拠地でのライヴ録音に先立
って行われ、大成功を収めた同一演目によるヨーロッパ・コンサート・ツアー
を終えたのちに臨んだもので、まさに集大成、万全の出来栄えといって差し支
えないでしょう。
ロン響の時と同じく第2楽章に置いたアンダンテ。ビロードに喩えられる弦が
しびれるように酔わせ、うねるように楽想が紡がれてゆきます。そしてカウベ
ルが高らかに鳴るヤマ場、なんという輝かしく豊かな響き!オケの煌きも最高
潮を迎えます。さらにこことは劇的なコントラストを形づくる両端楽章の緊張
感と迫力も圧倒的。ただ、それでも独特のエレガントな美しさは決して失われ
ないところがRCOの何よりの魅力でしょう。指揮する音楽すべてにいつもドキ
ドキするようなスリリングな感覚を追い求めてやまないヤンソンスが、RCOの
マーラー演奏史に新たな1ページを刻んだ記念すべきアルバムです。
カップリング「夢みるセバスチャン」は、べイヌム財団、チューリヒ・トーン
ハレ管、ニューヨーク・フィルそしてRCOとによる共同委嘱作品で、昨年12月
世界初演時の録音になります。演奏時間15分ほどのヘンツェの新作は、初期作
品「アポロとヒュアキントゥス」(1948/49)からほぼ半世紀を経て、ザルツ
ブルクの表現主義詩人ゲオルグ・トラクルの芸術に立ち返り、その同名の詩に
もとづいて書かれたもの。
作曲者によれば、「2003年に滞在したザルツブルク周辺の田園の、また子供時
代の空想や霊安室の、それは衰え・人生の秋の夢想・神のお迎え・夕闇といっ
た《夜》のイメージを扱ったメランコリックな内容」。やはり死を強く感じさ
せるマーラー風のメロディが時おり突然聞こえたりするのも、死のムードが充
満する詩作にインスパイアされた楽曲だからこその不思議な符合なのかも知れ
ません。豊潤な響きを誇るオケを率いるヤンソンスの指揮も素晴らしく、ヘン
ツェ特有の多彩で官能的な音の世界に誘ってくれます。2006年夏のさまざまな
音楽祭で、初演者の当コンビによって再演されることが決まっています。





<HOMA DREAM>
HR 1112 \2730
妖精のロンド
1.ベートーヴェン+カルッリ( op.169):魔笛の主題による変奏曲
2.ディアベッリ: 4つのロンディーノop.140**
3.モリーノ:ノットルノop.57
4.ハイドン:ソナタ・ホ短調Hob. XVI/34*
5.カルッリ:デュオop.151
6.カルッリ親子:デュオ・ノットルノop.189-1**
7.ジュリアーニ:2つのロンドop.68、
8.ソル:レオノールのアリア
デュオ・シルフィード(下森佳津美Pf&竹内永和Gt)*ピアノ・ソロ,**
世界初録音
デュオ・シルフィードの2枚目のアルバムは、19世紀ウィーンやパリの香りた
だよう古典派の作品集になりました。モーツァルトやロッシーニなどのオペラ
のアリアによる変奏曲から、華麗なロンドまで。 ピアノとギターのデュオの
ために書かれた魅力的な作品がいっぱいです。 社交界のサロンで、或いは家
庭で盛んに演奏されたこれらの作品の美しさ、親しみ易さを、今回のアルバム
を通してぜひ多くの方に知っていただきたいと願っています。
ピアノとギターの心地よい対話、妖精の舞を思わせる軽やかなリズムとハーモ
ニー、そしてヴィルトゥオーゾの時代ならではの華やかな技巧と優雅な雰囲気
を存分にお楽しみ下さい。

HR 1109 \2730
1.ポンセ:3つのメキシコ民謡
2.ブローウェル:2つのキューバの旋律
3.高原の踊り
4.横尾幸弘:さくら変奏曲
5.中田 章-武満 徹:早春賦
6.アイルランド民謡-武満徹:ロンドンデリーの歌
7.スコットランド民謡-カッティング:グリーンスリーブス
8.リョベート:13のカタルーニャ民謡
角 圭司(Gt)
活動の場を米国から日本に移した角圭司の初のソロ・アルバム。1997年にスペ
イン音楽ギターコンクールに優勝し、1999年には渡米し、ピーボディ音楽院で
バルエコに師事。卒業後はソロ、妹・昌子とのデュオ、アウロラ・ギター四重
奏団と米国、中南米で活躍していた。今回のアルバムは、日本で、そして米国
で出会った人々に捧げる、民謡ばかりを集めた、優しさ溢れるものとなって
いる。





<naive>
V 4991 2枚組 \2850
バルトーク(1881-1945):
【CD1】
ヴァイオリン協奏曲第2番
コントラスト(ヴァイオリン、クラリネットとピアノのための)
【CD2】
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
ヴァイオリン・ソナタ第1番
ローラン・コルシア(Vn)ミシェル・ポルタル(Cl) 
ジャン=エフラム・バウゼ(Pf)
サカリ・オラモ(指)バーミンガム市交響楽団
イケメンヴァイオリニスト、ローラン・コルシアのnaive第2弾の登場です。エ
ネルギーに満ち溢れたヴァイオリン協奏曲第2番、オケとの息もぴったり、音色
も変幻自在、縦横無尽に駆け巡ります。第1楽章の展開部のオケとのかけあいは、
迫力満点、一糸乱れぬタイミングで聴くものにたたみかけるような演奏で、説
得力十分です。コントラストのどことなく土臭い雰囲気も、コルシアにかかれ
ば実に見事に現代風にアレンジされています。ヴァイオリン・ソナタのバウゼ
のピアノも形式を十分に理解したうえでの名サポートです。





<claves>
50-2511 \2080
J.S.バッハ:
オブリガート・チェンバロとフルートのためのソナタ イ長調 BWV 1032
フルートと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV 1034
無伴奏フルート・ソナタ イ短調 BWV 1013
フルートと通奏低音のためのソナタ ホ長調 BWV 1035
オブリガート・チェンバロとフルートのためのソナタ ロ短調 BWV 1030
ペーター・ルーカス・グラフ(Fl)、アライア・グラフ(Pf)
グラフ親娘によるバッハの名演集です。父のあたたかみのある音色のフルート、
それをささえるピアノ、どちらもかちっとしたもの。無伴奏フルート・ソナタ
も、アーティキュレーションをきちんとまもった演奏に、好感がもてます。






<Talent>
DOM 2910507 \2080
ラフマニノフ:ヴォカリーズop.34-14 
コレッリ:テンポ・ディ・ガヴォッタ 
ヴィエニャフスキ:伝説曲op.17 
パラディース:シチリアーナ 
サラサーテ:サパテアードop.23-2 
ラフ:カヴァティーナop.85-3 
グルック:ガヴォット-「タウリスのイフィゲネイア」より 
ヴュータン:夢想op.22-2 
フォーレ:アンダンテ 変ロ長調op.75 
ラモス:ガト(アルゼンチン・ダンス)
ローラ・ボベスコ(Vn)、セルジュ・ブマン(P)
6歳からリサイタル活動を始め、12歳でパリ音楽院を首席で卒業し、1930年代か
ら2003年に惜しくも亡くなるまで長期間にわたり世界的に活躍してきた女流ヴァ
イオリニスト、ボベスコによるヴァイオリン名曲集です。古典派やラテン系の
レパートリーを得意としていた彼女にぴったりの選曲ということもあり、確か
なテクニックと明るいトーン、慎ましくも優美な表現が最大の魅力です。10曲
目の「ガト」珍しい作品と言えますが、オリジナルのピアノ曲をボベスコのた
めに作曲家自らヴァイオリンピースに仕立てた心躍る民謡風の佳曲です。

DOM 292970(SACD-Hybrid) \2080
トッホ:ピアノ協奏曲第2番op.38、ピアノ五重奏曲
ディアーネ・アンダーセン(P)、
ハンス・ロトマン(指)
ハレフィルハーモニック国立オーケストラ、ダネル四重奏団
ここに収められているのはモダンで明確なメロディラインを持つ素晴らしいピ
アノコンチェルトと、新古典派的な作風のピアノ五重奏曲です。作風としては
プロコフィエフやプーランクなどと同じ文脈にありますが、2曲とも20世紀が生
んだこのジャンルの曲のなかでも特筆したくなる素晴らしい完成度です。エル
ンスト・トッホ(1987-1964)はオーストリアに生まれましたが、ユダヤ系で
あったためにナチス・ドイツの迫害を避けパリを経てアメリカに渡り、クラシ
ック作曲家としてはもちろん、映画音楽や教育でも活躍しました。晩年、グラ
ミー賞を受賞した際に自分自身について「20世紀のもっとも世界から忘れられ
た作曲家」と語ったということですが、忘れ去るにはあまりにも惜しい、とい
うよりもっと積極的にとり上げられるべき素晴らしいメロディ・メーカーです。
このCDでは作曲者への共感に満ちた演奏と、最新の録音も魅力です。

DOM 381004/05 2枚組 \4160
ドビュッシー/ブルウェイズ編:
前奏曲集第1集、第2集(管弦楽のための編曲版)
ダニエレ・カレッガーリ(指)、王立フランドル・フィルハーモニック
「亜麻色の髪の乙女」などでおなじみのピアノ連作小品集をオーケストラで演
奏した興味津々のCDです。1959年生まれのベルギーの作曲家ルク・ブルウェイ
ズは編曲に当たり「ドビュッシーの音符に手をつけず、オリジナルスコアに忠
実」であることを心がけたということですが、たとえば「沈める寺」の静寂に
こめられた豊かな表現がオーケストラの力で解き明かされているように、結果
としてピアノが無音で表現していた響きを管弦楽で巧みに現実の音として具体
化することに成功しています。「ドビュッシーが自ら編曲したらきっと別の結
果になっていただろう」と編曲者は語っていますが、もしもラヴェルが編曲し
たなら、きっとこんな感じになったのではないでしょうか。

DOM 291071 \2080
オ・ベアータ・マーテル-祝福された聖処女マリアを讃える歌
デ・ベック:オ・ベアータ・マーテル 
トーマス:ピエ・イエズ 
ビゼー:アヴェ・マリア 
グノー:マリアの名 
ショーソン:何と汝は麗わし 
マスネ:天使の糧 
ブノワ:アヴェ・マリア 
シューマン:アヴェ・マリア 
E.アンドリュー:愛の天使 
モルテルマンス:ヴィルーク 
ドニゼッティ:アヴェ・マリア 
レーガー:マリアの子守唄 
フランク:アヴェ・マリア 
バッハ/グノー:アヴェ・マリア 
J-P.フォーレ:慈愛
ローランド・ファン・デア・パール(Sop)、
フランス・デュボワ指揮ヴラームス(VLAAMS)ラジオ合唱団、
ナガタ・クニコ(Vn)、ヤン・ファン・モル(Org)、他
ソプラノ独唱によるフランスとベルギーの歴代作曲家たちによるマリア賛歌集。
独唱を務めているファン・デア・パールはベルギーのソプラノで、夜の女王や
ヴィオレッタなどオペラのオーソドックスなレパートリーで活躍しているほか、
歌曲や現代作品も積極的に取り上げています。抒情的ななかにも芯の強さを感
じさせるその声は名ソプラノ、マリア・カラスを彷彿とさせるもので、敬虔な
宗教曲を歌っているときにも奥に秘められた熱い情熱が仄かに伺えます。表現
力に富んだ素晴らしい声と、美しい楽曲の魅力という二つの面から楽しめるア
ルバムです。






<CALLIOPE>
CAL 9350 \1850
モーツァルト:
協奏交響曲K.364
二重奏曲第1番ト長調K.423 
二重奏曲第2番変ロ長調K.424
レフ・クリシュコフ(Vn)、ヴラディミール・ストピシェフ(Va)
エマニュエル・ルドゥック=バローメ(指)バルティック室内管弦楽団
協奏交響曲は、バルティック室内管弦楽団のアカデミックな響きが印象的です。
二重奏曲は、クリシュコフとストピシェフの息もぴったりと合っていて、包み
込むようなあたたかい音色で心がときほぐされるような演奏です。

CAL 9333 \1850
ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番、弦楽四重奏曲第2番
シュールホフ:弦楽四重奏曲第1番
ターリヒ弦楽四重奏団
ヤナーチェクの弦楽四重奏曲集。第1番の白熱した演奏に心うたれます。シュー
ルホフの弦楽四重奏曲も、冒頭からかっこよさ満点、シュールホフ独特の現代
味と民族的な味が融けあった世界を満喫できます。

CAL 9344 \1850
どんちゃん騒ぎ-The feast of fools
アンサンブル・ヴォーカル・エ・インストゥルメンタル
エマニュエル・ボナルド(指)
タンバリンのリズムにのって、フィドルがなんとも華やかなメロディーをかな
でる、賑々しい中世のお祭の音楽集です。

CAL 9345 \1850
アヴェ・マリア-心洗われる合唱作品集
カリオペ女声合唱団、レジーヌ・テオドレスコ(指)
カリオペ女声合唱団の魅力がたっぷりとつまった合唱作品集CDです。





<Ondine>
ODE 1066 2枚組 \4160
アウリス・サッリネン(1935-):
オペラ 〈英国王はフランスへ行く〉 作品53 (1983) (全曲)
トンミ・ハカラ(バリトン、皇太子) ユルキ・コルホネン(バス、首相)
リーカ・ランタネン(ソプラノ、楽しいカロライン)
リッリ・パーシキヴィ(メッツォソプラノ、ふさふさ髪のカロライン)
マリ・パロ(ソプラノ、泥棒するアン) 
ラウラ・ニュカネン(アルト、服を脱ぐアン)
ユルキ・アンティラ(テノール、案内人) 
ヘルマン・ヴァッレーン(バリトン、弓の射手)
キルシ・トゥム(ソプラノ、女王) 
サンテリ・キンヌネン(台詞、フロワサール)
フィンランド・フィルハーモニック合唱団
オッコ・カム(指),タピオラ室内合唱団,
ヘルシンキ・フィルハーモニック管弦楽団
録音:2005年4月 フィンランディアホール (ヘルシンキ)
新たな氷河期がやってくる。英国王への即位が決まった皇太子は、首相の進言
を入れ、4人の后候補を伴い、軍隊を率いて、氷結したイギリス海峡をフランス
に渡る。クレシーの戦い、カレーの包囲。皇太子は600年前、エドワード黒太子
がフランス軍を破った百年戦争の世界に...。アウリス・サッリネン(1935-) の
3作目のオペラ〈英国王はフランスへ行く〉は、パーヴォ・ハーヴィッコの同
名の放送劇に基づき、作者自身が台本を執筆。《来るべき氷河期のミュージッ
クシアターのための年代記》の副題がつけられました。フィンランドのサヴォ
ンリンナ・オペラフェスティヴァル、コヴェントガーデン王立オペラ、BBCの
共同委嘱。オッコ・カム (1946-) が初演の指揮を執りました。時空を超える
ファンタジー、劇的な展開、多彩な管弦楽、美しい旋律。コミックオペラへの
オマージュ。サッリネンのカンタータ〈生と死の歌〉やTV映画「カレヴァラ」
の音楽による〈鉄の時代〉組曲 (ともに ODE844) を想わせるページ。20世紀
フィンランドを代表するオペラのひとつに挙げられています。2005年春の公演
に合わせて行われた録音。制作が進んでいる映画のサウンドトラックにも使わ
れます。全3幕。フィンランド語・英語対訳台本つき。この音楽はカンタータと
しても楽しむことができそうです。

ODE 1071 \2080
イーロ・ランタラ (1970-):
ピアノ協奏曲 G#majAs (ヤーコ・クーシスト、オーケストレーション) 
アストラーレ(ピアノソロのための)
タンゴネイター(ヴァイオリンとピアノのための)
ファイナル・ファンタジー(ピアノと管弦楽のための)
(ヤーコ・クーシスト、オーケストレーション)
イーロ・ランタ(P) ヤーコ・クーシスト(Vn、指)
タピオラ・シンフォニエッタ
録音:2005年5月 タピオラホール (エスポー)
フィンランドで国際的にもっとも名前を知られたジャズグループ、トリオ・ト
ユケアットのピアニスト、イーロ・ランタラ (1970-)。そのランタラが書いた
ピアノ協奏曲はチューニングから始まります。ピアノの即興演奏も織り込んだ
第1楽章。ゆったりと美しい第2楽章。2つのテーマによるロンド風の第3楽章。
モーツァルト時代の協奏曲に則った構成をとっています。ランタラのアイデア
を基にオーケストレーションを行ったのはラハティ交響楽団のコンサートマス
ター、ヤーコ・クーシスト (1974-)。指揮者、作曲家としての活動も目立つよ
うになりました。ヤーコはイーロ・ランタラの義理の弟。トリオ・トユケアッ
トのコンサートにもたびたび参加しています。イーロとヤーコの話では、この
協奏曲はすでにフィンランドで10回ほど演奏され、聴衆から暖かく迎えられた
とのこと。フィンランドの人たちのオープンで自由な精神をうかがい知ること
ができます。〈アストラーレ〉と〈タンゴネイター〉は、自らのアンサンブル、
タンゴ・キングズのために書かれた曲。トリオ・トユケアットのための〈ファ
イナル・ファンタジー〉もヤーコが編曲しています。この楽しさ! これこそ、
“joie de vivre (生きる歓び)” です。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

06-03 No.1-2

2006年03月02日 15時22分05秒 | Weblog
<Alba>
ABCD 142 \2080
アントン・ディアベッリ(1781-1858):
ピアノとギターのためのソナティナとソナタ全集
ソナティナ作品68、ソナティナ作品70、ソナタ作品71、
華麗な大ソナタ作品102 (オリジナル版)
ミクローシュ・シュパーニ(フォルテ/ピアノ) イルッカ・ヴィルタ(G)
楽器:K・グラーフ(1827年) (フォルテピアノ)、
ファブリカトーレ(1818年) のコピー (ヴィルタ (1997) 製作) (G)
録音:1998年5月9日-10日 オウル音楽センター、トゥリンドベリホール
ベートーヴェンが変奏曲の主題に使ったメロディを書いたことで音楽史に名を
残すディアベッリ。ザルツブルクに生まれ、ウィーンに移ってからは、ギター
とピアノの教師、作曲家、楽譜出版者として活躍しました。和声やダイナミッ
クスの新しいスタイルは古典からロマンティシズムに移る時代を反映している
と言われます。ミクローシュ・シュパーニは、BIS レーベルでC・P・E・バッハ
のキーボード協奏曲とソロ曲の全曲録音を進めているハンガリーの奏者。イル
ッカ・ヴィルタはシベリウス・アカデミー出身。ジュリアーニ (ABCD124) とグ
ラニャーニ (ABCD149) の室内楽曲を Alba に録音していました。1996年から
デュオ活動を行い、このアルバムは、ロッシーニ、メルツ、フンメルの作品集
(HCD31935) につづく録音。〈華麗な大ソナタ〉はオリジナル譜を使って演奏
しています。第1楽章アダージョ、アレグロ、第2楽章スケルツォ (アレグロ)、
トリオ (ピウ・モデラート)、第3楽章アダージョ・ノン・タント、パストラー
レ (アレグレット) の3楽章。現在一般に用いられる版とは、かなりの相違が
あります。確かな技術と温もりのある演奏。市民の家で催される集いに招待さ
れた気分になるでしょう。

ABCD 210(SACD-Hybrid) \2180
ガネーシャ サーリナ ハヌマン ブッダ 私は行った 母なる国を讃えよ 
讃歌 
彼女の靴にシャンペンを 穫り入れ パタンジャリ ジャスミンの花
クリヤ
[サラティ・チャテルイェー(ヴォーカル) ペーテル・レルケ(G)  グルファ
ム・サブリ(タブラ) パウリーナ・レルケ(アコーディオン、カンテレ、ヴォ
ーカル、エレキヴァイオリン) ミッコ・カークリニエミ(ドラムズ)]
録音:2004年11月 カッリオ=クニンカラ・スタジオ(ヤルヴェンパー)
グループ名 "Kriya (クリヤ)" はサンスクリット語で“行動”。ヒンドゥーで
は、生命力によって精神をコントロールする“クリヤ”は、創造主 (神) に近
づく、もっとも容易で効果的、科学的な道とされています。ペーテル・レルケ
がインド伝承の詩に作曲した〈ガネーシャ〉は長鼻・象面の知恵の神、ガネー
シャの賛歌。彼女は破壊神シヴァとパールヴァティーの子です。インド伝承歌
をアレンジした〈ハヌマン〉は、猿の神。〈ジャスミンの花〉はオリジナルの
ラブソング。「夜の暗がりに輝く優美なジャスミンの花のように、上衣と帯に
残るあなたの香りと温もり……」。フィンランドとインドが出逢い、ふしぎな
雰囲気を醸し出す音楽が生まれました。






<DB productions>
DBCD 108 5枚組 \6750
モーツァルト:ピアノソナタ集
【CD1】ハ長調K.279、ヘ長調K.332、変ロ長調K.570、ニ長調K.311
【CD2】変ホ長調K.282、ハ長調K.330、幻想曲ハ短調K.475、ハ長調K.457
【CD3】変ロ長調K.281、ニ長調K.576、ハ長調K.545、イ短調K.310
【CD4】ヘ長調K.280、変ロ長調K.333、ト長調K.283、ニ長調K.284
【CD5】ハ長調K.309、イ長調K.331、ヘ長調K.533/ 494
ハンス・レイグラフ(Pf)
録音:【CD1】&【CD2】:1982年、【CD3】【CD4】【CD5】:1984年
レイグラフは、現在齢86歳の老大家にして名教授、日本人でも伊藤恵や若林顕
を教えています。モーツァルトはレイグラフ教授のライフワーク。このボック
スセットに収められているのは、すべて教授が60代の頃の演奏ですが、天衣無
縫で無垢なモーツァルトのソナタを聴かせてくれます。それぞれの曲にたいす
る深い理解と造詣、ゆるぎないテクニックに裏打ちされた正統派の演奏です。
トルコ行進曲も、奇を衒ったところは一切なく、シュタイアーのあの話題盤と
まさに正反対。しかし、絶妙なアクセントのつけかたは、とても魅力的です。

DBCD 107 \2080
ドビュッシー:前奏曲集(第I&II集全曲)
ハンス・レイグラフ(Pf)
録音:1996年
ハンス・レイグラフは、ドビュッシーの死後2年たった1920年生まれ。レイグ
ラフ教授による演奏は、まるでドビュッシーのいるサロンに迷い込んだような
気分になるもの。間の取り方、呼吸、音色、いずれもきわめて自然で、エスプ
リたっぷりです。テクニックも、年齢をまったく感じさせず、かちっとしてい
ます。師によるライナーノーツも、各曲の詩的な解釈が書かれており、興味深
い内容です。






<Profil>
PH 05047 \2080
モーツァルト:
交響曲第39番変ホ長調K.543
交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」
歌劇「皇帝ティートの慈悲」序曲K.621
トーマス・ファイ(指)マンハイム・モーツァルトO.
モダンのオケとのハイドンやベートーヴェン(ヘンスラー)で刺激的な演奏を
繰り広げてきたファイ。モーツァルト・イヤーの今年、新たにオリジナル楽器
のオケを率いて傑作「ジュピター」と39番をリリースします。
ファイが2003年に創設したマンハイム・モーツァルト管弦楽団。ついこの前、
モーツァルトの誕生日に合わせて今年1月27日にコンサート・デビューを果た
したばかり。当録音は2年近くにも及ぶ周到な準備期間を経て臨んだもので、
完成度の高さが光ります。
冒頭ティンパニの強打も鮮烈な「ティート」序曲。過激なほどにリズムが立っ
て、前へと飛び出して来るフレッシュな音楽は、やはり師アーノンクールゆず
りというべきでしょうか、いやそれ以上かも。そうかと思えば勢いに任せるば
かりでなく「ジュピター」のフィナーレなどは威容の一語。これこそピリオド
・アプローチの最前線をゆく大注目の演奏といえます。





<harmonia mundi>
HMU 907398 \2080
ばら、ゆり、こけもも-中世とルネッサンス時代(1250-1560)の音楽庭園
【第1章】フランス
マショー:薔薇、百合、春、緑(シャンソン) 
作曲者不詳(1259ca.):5月、つぐみが歌うとき(モテット) 
作曲者不詳(1250ca.):マリアちゃん、森で遊ぼうよ!(モテット) 
トレボール:タチアオイ、美しい花よ(シャンソン)
【第2章】イギリス
作曲者不詳(1290ca.):高貴でつつましやかな花よ(モテット) 
ワルター・フリエ(1450-75ca.):アニュス・デイ(ミサ) 
レオネル・パワー:なんと美しき芸術よ(モテット)
【第3章】ブルゴーニュ
作曲者不詳(1460ca.):サンザシの木の下で(シャンソン) 
アレクサンダー・アグリーコラ(1446-1506):花の女王(シャンソン)
【第4章】スペイン
作曲者不詳(1480ca.):ディンディリディン(シャンソン) 
ジュアン・ヴァスケス(1550-1560ca.):
薔薇の小枝の泉のなかで(シャンソン) 
ロドリーゴ・デ・セバロス(1530-1581ca.):妹よ(モテット) 
ガブリエル・メーナ(1511):優雅なヒースの茂る野原(シャンソン) 
フランシスコ・ゲレーロ(1529-1599):ヒマラヤスギのように(モテット)
【第5章】フランス
クローダン・ドゥ・セルミジ(1490-1562ca.):
話題をかえましょう(シャンソン) 
ブリュメル(1460-1515ca.):百合のように(モテット) 
ヨハンネス・ルピ(1506-1539ca.):私は彼女を見た
【第6章】イタリア
カーペントラ:これぞかの甘き薔薇(モテット) 
シプリアーノ・デ・ローレ(1515-1565ca.):
とおく東の美しき国から(マドリガル) 
アルカデルト(1505-1568ca.):愛らしい花々(マドリガル) 
ドミニク・フィノト(1510-1556ca.):汝この素晴らしき芸術を見よ
【第7章】その他の国々
トーマス・クレクイロン:私はたくさんのハーブを(シャンソン) 
クレメンス・ノン・パパ:すみれは愛らしい花群の中で育つ(シャンソン)
ニコラス・ゴンベール:おお、野の花よ(モテット)
オルランド・コンソート
〔ロバート・ハレ=ジョーンズ(カウンターテナー)、マーク・ドベル(T)、
アンガス・スミス(T)、ドナルド・グリーグ(Br)、ロナルド・マクドナル
ド(Bs)〕
現代では、ガーデニングの流行など、「庭」の意味はどちらかというとたのし
みの要素が強いですが、その昔、中世やルネッサンス時代の庭は現代とはちょ
っと意味合いが違いました。生きるための食物なども栽培する「サバイバル」
な面、そして、当時の一般の人々の邸宅ではいわゆるプライヴァシーがまった
くなく、庭の木陰などは、内緒話や密会にうってつけの空間だったという「ド
ラマの場」の面・・・。そんな時代、音楽家や文筆家たちは、庭の花や木々、
木陰からきこえる話し声などにインスピレーションを得て創作したものをたく
さんのこしています。このCDにおさめられているのは、そんな中世とルネッサ
ンス時代の庭での人々の生活、人間模様がいきいきと描かれた音楽です。

HMC 901866 \2080
ヤコブス・デ・ケルレ(1531/32-1591):ダ・パーチェム・ドミネ
パウル・ファン・ネーヴェル(指)ウエルガス・アンサンブル
16世紀の多声音楽というと、やや複雑に過ぎるイメージがあるかもしれません
が、ケルレの作風は、凝っていながら明快という実に美しい響きです。オラン
ダ、イタリア、ドイツ、そしてプラハと各地で活躍したケルレは、当時の礼拝
音楽が形式を重んじるあまりに複雑をきわめた傾向にあったのに反して、シン
プルな響きで言葉がはっきりと聴き取れる音楽をつくりました。このことから、
教会音楽の救世主はケルレであり、パレストリーナではない、と言う人もいま
す。16世紀声楽音楽のパイオニア、ネーヴェルと手兵ウエルガス・アンサンブ
ルが、ケルレの色褪せることのない美しい音楽を、悠久の時を超えて蘇らせま
す。





<RADIO FRANCE>
211 863 \3380
ホルヘ・ルイス・ボルヘス
インタビュー withジャン・ダイヴ(1977年)
「鏡は忌まわしい存在である・・・」で知られるボルヘスの肉声。ボルヘスは、
「架空の町」(国書刊行会刊行、【書物の王国】シリーズ)の冒頭もかざって
いる、1899年8月24日 生まれ、1986年6月14日没の、アルゼンチンはブエノス
アイレス生まれの小説家、詩人。
今なお根強いファンをもち、「鏡」や「父性」、「宇宙」についての深い思考
を遺しています。(ブックレットはフランス語のみ)

211 867 4枚組 \5400
ジャン・ルノワール
インタビューwithジャン・サージュ
ジャン・ルノワールは、画家ルノワールの次男。1937年の反戦映画「大いなる
幻影」、「どん底」(1936年)、「黄金の馬車」(1953年)、「フレンチ・カ
ンカン」(1954年)、「草の上の昼食」(1959年)などの映画を多くのこして
います。フランソワ・トリュフォー映画監督らにも大きな影響を与えました。
(ブックレットはフランス語のみ)

211 866 \2580
パトリック・ペノ
J.F.ケネディとのランデヴー
ブックレットはフランス語のみ





<Audite>
AU 92558(SACD-Hybrid) \2180
ラフマニノフ:
響曲第2番ホ短調Op.27
ボヘミア奇想曲Op.12
アーノルド・カッツ(指)ノボシビルスク・アカデミックSO.
録音:2005年6月ノボシビルスク
ノボシビルスク響は、かのヤンソンスやゲルギエフも定期的に客演するシベリ
アのオケ。1956年のオケ設立以来半世紀にわたり芸術&音楽監督を務めるカッ
ツのもと、センチメンタルなムード満点の演奏を聴かせてくれます。分厚い弦
楽セクションによって綿綿と歌いこまれたアダージョは白眉。





<Coviello>
COV 30509(SACD-Hybrid) \2080
ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調
マルクス・ボッシュ(指)アーヘンSO.
録音:2005年5月16日アーヘン、聖ニコラウス教会(ライヴ)
第8番(COV.30301)、第7番(COV.30405)と、一年に一作のペースで進行中の
ボッシュ&アーヘン響によるブルックナー。古都アーヘンの名刹聖ニコラウス
教会でのライヴは、空間いっぱいに拡がる美しい響きでオーディオ・ファイル
からも注目の的。前作まではdtsサラウンド(DVD)対応ディスクつきの2枚組で
したが、今回からSACDハイブリッド仕様でのリリースとなります。

COV 30512(SACD-Hybrid) \2080
ヴェルディ:レクイエム
メルバ・ラモス(S)ガブリエレ・マイ(Ms)
ミヒャエル・エンデ(T)マルティン・ブラジウス(Bs)
マルクス・ボッシュ(指)アーヘンSO.&ヴォカペッラCho.
録音:2005年2月12日アーヘン、大聖堂(ライヴ)
ブルックナーでおなじみのボッシュ&アーヘンが「ヴェルレク」をリリース。
ボッシュが1990年に設立し監督を務めるヴォカペッラ合唱団も加わり、こちら
もたいへん熱のこもったライヴとなっています。音響効果満点の内容がSACD向
き。優秀録音です。

COV 30507(SACD-Hybrid) \2080
ウォルトン:ヴィオラ協奏曲(1962年版 / 2002年改訂)
サリー・ビーミッシュ:ヴィオラ協奏曲第1番(1995年 / 1998年改訂)
ブリテン:ラクリメ
タチアナ・マスレンコ(Va)
ガリー・ウォーカー(指)ハノーファー北ドイツ放送フィル
録音:2005年4月18-22日NDRハノーファー、大ホール
イギリスのヴィオラ協奏曲を集めたアルバムです。ウォルトンはジャズの語法
を採り入れた代表作。ロンドン・モーツァルト・プレーヤーズとスコットラン
ド室内管の首席ヴィオラ奏者だったビーミッシュ。ダウランドをベースにした
ブリテンの名作。ロシアのジャズ・ミュージシャンの家系に生まれたマスレン
コは、キム・カシュカシャンと今井信子に師事したヴィオラ奏者。






<NM Classics>
NM 98022 2枚組 \2580
Fanfare Orchestra of the Netherlands- in concert
ファンファーレ・オーケストラ・オブ・ザ・ネーデルランド
[CD1]
オットー・ケッティング(1935-):Eclips(食(日食、月食などの))
ケース・オルトゥイス(1940-):ペルセフォネ
ゲールト・ファン・コイレン(1943-):ディスコ
マイカ・ハメル(指)
[CD2]
バーンスタイン:キャンディード序曲
ヤン・ファン・デア・ロースト(1956-):造兵廠
アンドレ・ワイグネン(1942-):フリューゲルホルンのためのラプソディー※
プロコフィエフ:ロメオとジュリエット
ジョン・ウィリアムズ(1932-):
敗れし者たちへの賛美歌(映画『プライベート・ライアン』より)
ロビン・デヴュルスト(1965-):ブラジリア※
エリック・ボール(1903-1989):
自由への旅(1967年英国ブラスコンクール課題曲)
ビル・ヴェラン(1951-):リバー・ダンス
ヤコブ・シュラクター(指)
※フリューゲルホルン独奏:
フリッツ・ダムロウ(コンセルトヘボウ管弦楽団首席トランペット奏者)、
トロンボーン独奏:
イェルゲン・ファン・リーエン(コンセルトヘボウ管弦楽団首席トロンボーン
奏者)
「ファンファーレ・オーケストラ」は、コンセルトヘボウ管弦楽団をはじめ、
オランダのオーケストラなどで活躍する第一級の管楽器奏者たちが集まって結
成されたファンファーレ・オケ。ファンファーレ・オケとはオランダに特有の
形態の管楽器によるオーケストラで、通常の金管バンド(円錐形の楽器が用い
られる)に、サックスが加えられた形態の編成のオーケストラです。メンバー
全員が超多忙の売れっ子たちのため、コンサートは年に2-3回しか催されず、
どのコンサートもチケットの争奪戦がくりひろげられています。このCDは、
2001年7月にケルクラーデで行われたコンサートの貴重な記録です。広く親し
まれている名曲だけでなく、新曲も積極的にとりあげている彼ら、この2枚の
CDも、1枚目は新曲、2枚目はおなじみのレパートリーによって構成されてい
ます。2枚目の3曲目、ワイグネンの作品は、コンセルトヘボウ首席奏者ダムロ
ウがフリューゲルホルンを吹いているというなかなか貴重なものです。すみず
みまでのびやかな音色は、さすがです。6曲目の「ブラジリア」も、冒頭のちょ
っと古臭い歌謡ショーの始まりかと思わせるような楽しげなファンファーレに
続き、リーエンの甘やかなトロンボーンの音色が素敵です。最後の「リバー・
ダンス」は思わずタップダンスを踊りだしたくなってしまうような楽しくノリ
ノリの曲です。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする