ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

愛のある風景

2019年10月18日 | 通信-社会・生活

 台風19号、消費税アップなど世の中は大きな出来事があれこれあったのに、私はまったく私の世界の中で生きていた。9月10日に入院して以降、入院が続いて、我が身の不幸を嘆いてばかりいる。それはしかし、素人の無知蒙昧から来る自業自得だ。
 8月8日~9日、琉大附属病院へ入院した。

 と、ここまでは前回と同じ書き出し。友人から「9月10日に入院」と「8月8日~9日、琉大附属病院へ入院」とあるがどういうこと?と問い合わせがあったので説明。
 
 「8月8日~9日、琉大附属病院へ入院」は、8月8日、腫れ上がった舌を琉大附属病院へ診せに行ったら「舌癌でしょう」とのことで検査入院。検査入院は2泊3日となり、入院、手術を勧められたが、私はそれを断り、10日の午前中に退院する。
 「9月10日に入院」というのは、私なりにあれこれ考えて、ホスピスや在宅医療などをやってくれる国立沖縄病院を選んで、面接し、入院となった。その入院が今なお続いている。そこで9月19日から放射線治療をし、「死んだ方がまし」を経験した。
     

 話は変わるが、確か、車寅次郎のセリフだったと記憶しているが、「他人の不幸を喜ぶようになっちゃぁ人間お終ぇよ」というのがあった。私は元々、「他人の不幸を喜ぶ」タイプの人間ではあるが、台風19号が暴れ回っていた数日間はその性質が普段より強く出て、「人間お終ぇよ」と寅さんに叱られる状態になっていた。
 台風19号は前代未聞の強烈台風で、前代未聞の被害を与えた。日本国の凋落、日本沈没に繋がりかねない大きな自然災害かもしれないと素人の私でも感じた。
 それでも、「人間お終ぇよ」の私は「台風で何か大きな不幸が起きないかなぁ」と心のどこかで望んでいた。他人の不幸を見て我が身と比べ、「あれに比べりゃ俺はまだましだぜ。痛くても苦しくてものんびり寝ていられるぜ」と思いたかったのかもしれない。

 さてさて、「死んだ方がまし」を経験しながら、他人の不幸を望む。などと楽しくない話はここまで。人間の心にはそんなところもありますとちょっと紹介しただけ。
 1ヶ月余りに及ぶ入院生活、主治医は「治る可能性が高い」と仰ってくれて、その通り病も少しずつ良い方向へ進んで行って、それまでは自分のことしか頭になかったが、最近は周りのことにも関心が向き、看護師たちとも仲良くおしゃべりできるようになった。良い話とは、美人看護師と仲良くなって良い一夜を過ごした、なんてことでは無く、

 私の隣の病室に爺様が1人病に伏せている。姿は見たことないが、ほぼ寝たきりのようである。。看護師に訊くと70代らしい。爺様には介護してくれる人がいる。彼の妻だ。いわゆる、老老介護というやつだ。二人の姿はまだ見たことないが、声は良く聞こえる。
 妻は朝も昼も夜も夜中も夫の傍にやってきて声を掛ける。
 「父ちゃん、起きて。」、「父ちゃん、聞こえる?」
 「父ちゃん、父ちゃん、父ちゃん・・・」と、優しく声を掛けている愛妻。それを聞いていて私は心癒された。そこには愛が溢れていると感じた。生きようと思った。
     

 記:2018.10.18 島乃ガジ丸


素人の蒙昧脱線

2019年10月16日 | 通信-科学・空想

 台風19号、消費税アップなど世の中は大きな出来事があれこれあったのに、私はまったく私の世界の中で生きていた。9月10日に入院して以降、入院が続いて、我が身の不幸を嘆いてばかりいる。それはしかし、素人の無知蒙昧から来る自業自得だ。
 8月8日~9日、琉大附属病院へ入院した。9日のお昼過ぎに退院して、その夜から夜間頻尿が始まった。「何じゃこりゃ、眠れねぇじゃないか!」というほどの頻尿。それまでも私は頻尿気味ではあった。1晩に1~2回は小便で起きていた。ところが、退院した日からの頻尿は1晩(概ね夜10時から朝6時までの8時間)に4~5回となった。
 ここ40年、歯の掃除などで歯科に通ったのは何度もあるが、歯科以外の病院へは指に大怪我をした時と、膝に水が溜まった時の2度しか行っていない。なので、この40年、私は注射した回数はごく少ない、X線撮影の経験もごく少ない。
 それが、2泊の入院でたっぷりの注射を受け、放射線もたっぷり浴びた。点滴なるものも生まれて初めて経験した。薬嫌いの私が薬もたっぷり飲まされた。これまでに経験の無い科学の力の襲来に、私の体のリズムが崩れたのかもしれない。
 
 大腸癌を患い、その摘出手術をした後、肝臓に癌の転移が見られ、その摘出手術をしてから1年余経った友人のK、その後どこにも転移がなく、今は元気に動き回っている。そのKが先日、私の家に来て、あれこれ語って、私を励ましてくれた。
 彼は最後の手術の後は病院へ行っていないとのこと。癌治療には摘出手術の他、抗癌剤投与もやったとのこと。抗癌剤は彼にほとんど影響を与えなかったとのこと。抗癌剤にはたくさんの種類があって、種類によってその人に合う合わないがあるようだとのこと。そんなこんながあって、彼の今の元気はどこからくるのかと不思議に思う。
 「特別なことは特にやっていない。気を付けていることは、正しい食い物を正しく食べること、ストレスをなるべく軽減することをやっている。それらは何かというと、体の免疫力を上げるということに繋がる。免疫力が強ければ癌に勝てると思って」とのこと。
 癌を患って以降、彼はたくさんの癌と健康に関わる本を読んだとのこと。たくさんの知識を得て、「免疫力が強ければ癌に勝てる」という結論に達したようだ。
     

 元々、自然大好きの私は風邪引いても薬飲まない、腹壊しても薬飲まない、滅多なことでは病院へ行かないという生活をしてきたが、上記の友人Kのこともあって、なおさら、なるべくなら病院へは行かないようにしようという気持ちが強くなっていた。とこらが、それは私の勝手な思い込みであったようだ。Kは病院に世話になっている。
 5年ほど前に咽頭癌の末期を患い、入院して手術した東京の友人Iさんは、今では完治して、職場に戻って、元気に生きている。私が舌癌末期ということを聞いて先日、彼からメールがあった。メールはさすが学者という内容だった。
 「今のところ、西洋医学の三大療法を無視しては癌を治すことはできませんが、身体に内在している免疫力を高めるのは東洋の知恵に思えてなりません。西洋医学は良くも悪くも暴力的ですが、治す前提となる基礎的な身体の恒常性維持機能(ホメオスタシス)を西洋医学はなかなか認めません。」 冷静である。ものをちゃんと観て、考察し、それぞれの良い点悪い点を判断する。私にもこのような冷静さがあればと、今更ながら後悔。
     

 記:2019.10.16 島乃ガジ丸

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 


薬草茶3 自作の茶2

2019年10月14日 | 飲食:飲物・嗜好品

 セッコツソウ茶 クミスクチン茶

 化学薬品ではない、自然のもの(薬草など)を利用して腰痛が治らないかと思い、去年の6月から時々薬草茶を飲んでいる。薬草も、最初は商品として販売されているをよく使っていたが、その頃、(大家の許しを得て)アパートの庭に植えた薬草の類、アロエ、ローゼル、クミスクチンなどがあれからほぼ1年が経った今年6月、十分育った。
 アロエは生で火傷などによく効くということはすでに経験済みだが、アロエをお茶にして飲むということはどの薬草の本にも記されていない。ローゼルはハーブティーとして有名で、私も既に自分で点てて飲んでいる。美味いものであることも知っている。
 アパートの庭で茂っているクミスクチンを先日収穫して、干して乾燥させ刻んで茶葉のようにした。これは煎じてみた。色は濃くなったが味はさほど濃くない。まあまあ飲みやすい。クミスクチンは煎じて服用すれば腎臓病・糖尿病・高血圧・神経痛・リウマチに効果があるとのこと。神経痛・リウマチは腰痛にも繋がりそうだし、腰痛を患って以降、高血圧になってもいるし、「こりゃ、いいかも」と少しずつだが頂いている。
     

 セッコツソウは、この春に海辺の公園を散策している時、潮干狩りしていた漁師に「俺はこれで膝痛が治った」と教えられた薬草、「近くに生えてるよ」と言って彼が収穫し、私にくれた中から、「挿し木できるよ」というので数本を挿し木していた。
 彼から頂いたセッコツソウ、挿し木に使用した数本以外のほとんどは干した。干して乾燥させ、お茶にして飲んだ。4月半ばから6月半ばまでの2ヶ月間で、500CCペットボトルにすると、たぶん40本分くらいは飲んでいる。「それで、腰痛は?」と訊かれると、残念ながら今のところ効果はない。ただ、40本分くらいの茶は、乾燥したセッコツソウの葉に湯を注いで抽出しただけのもの。次回は煎じてみようと思っている。

 「次回は煎じてみようと思って」から1週間も経ったか、先輩農夫のNさんから「友人の畑にセッコツソウらしきものがある」と電話があって、一緒にそれを見に行った。それはしかし、私がヤナギバルイラソウと認識しているものだった、その花が咲いていた。
 ということで、「もしかしたら、漁師に紹介され頂いたものもヤナギバルイラソウではないか」と疑いを持った。案の定、漁師から頂いて挿し木に使用した数本から間もなく顔を出した花は、私がよく見知っているヤナギバルイラソウの花であった。
 薬草研究家のHさんから「あやふやなのは嫌ですね」と言われ、セッコツソウを紹介している本も出している薬草の会社へ出かけた。そこにあったセッコツソウらしきものは、ヤナギバルイラソウとは違っていた。末吉公園にこれと同じものがあると思い出した。そのことをHさんに告げた。それから2週間後、Hさんが末吉公園から頂いてきたというセッコツソウではないかという植物の茎葉の生を少し、乾燥物を少し持ってきた。その乾燥物を煎じて飲んでみた。前回セッコツソウと思って飲んだのに比べると癖があった。
     

 それから1ヶ月も経たない内に薬草の類も置いてある八百屋で、商品としてのセッコツソウに出会った。さっそく購入。家に着くとさっそく干す。それから4~5日後、干したものを刻んで煎じ、一晩冷ましてから翌日飲んだ。これもやはり癖があった。おそらく、Hさんが持ってきたものと同じ味、Hさんが持ってきたものはセッコツソウと判明。
 セッコツソウはこれまで見たことが無く、紹介している文献も1冊しかなく、情報不足である。ちなみに、クミスクチンはクミスクチンで間違いない。何度も目にしている。
     
     
 
 クミスクチン
 シソ科の多年草
 陰干し乾燥させたものを煎じて服用すれば腎臓病・糖尿病・高血圧・神経痛・リウマチなどに効く。
 また、生を絞って汁にして塩と酢を混ぜ塗布すれば水虫に効く。

 セッコツソウ
 キツネノマゴ科の常緑低木
 秋に茎葉を採取し、日干し乾燥させ、煎じて服用すれば関節炎、生理痛、神経痛、風邪、黄疸、痛風などに効く。
 生の茎葉を砕いて酒、酢を加えて患部に塗布すすれば骨折などに効く。
     

 記:2019.10.5 ガジ丸 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行