ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

これまでと違う地球

2018年08月15日 | 通信-環境・自然

 今日(8月15日)、未明3時40分頃目が覚めた。昨夜は10時頃には眠りに入っているので約5時間半の、頻尿小便で起きることのない連続睡眠。その時、尿意もあったのだが目覚めた直接の原因は風の音。まるで台風のような風雨が窓を叩いていた。
 「何じゃいこの風、台風は九州へ向かっていたのではなかったか?」と思いつつ、トイレへ行ったついでにベランダを見る。すると、ベランダの物干しに掛けてある目隠しシートが激しく揺れている。「新たな台風が沖縄近辺で発生したのだろうか?で、今、強風圏内ということだろうか?」と思って、取り敢えず、シートを外す。
 そういう心配をしながらも呑気オジサンはベッドに戻って、またも眠りに着く。風雨の音は止まず、1時間ほどは眠ったけれど5時過ぎには目が覚めて、その後はグダグダウダウダ、ベッドの上で時間を過ごし夜が明けるのを待つ。6時過ぎに起床。
     

 起きて、朝飯の準備をしながらネットを開き、天気予報、台風情報などを見る。台風15号はやはり九州上陸していて、沖縄島近辺に台風はない。詳しい天気図を見れば台風の卵の低気圧があるのかもしれないが、台風でなければバタバタすることはない。のんびりと朝飯を食い、コーヒーを飲んで、パソコンに向かいブログの記事書きをする。
 記事書きしている途中、明け方見た夢をふと思い出した。ハッキリは覚えていないが、台風に襲われるのではなく、大地震に襲われた夢だった。そういえば数日前にも似たような夢を見たことを思い出す。そういえばその時、何十年かぶりにベッドから落ちた。ベッドから落ちるなんておそらく子供の頃以来、少なくとも高校生の時以来だ。
 「寝返りは健康である証拠」と前に聞いたことがある。「おー、やっと俺も寝返りが復活したか」と喜んでいる場合じゃない。ベッドから落ちるなんて、体が危険を感じ、脳もそれを察知し、危険回避のための何らかの処置をするはずだが、それができなかったということは、体と脳の連携が鈍っていることだ。その時の夢は、何らかの大災害(たぶん大地震)があって、この世がグチャグチャになって、何か恐ろしげなものに私は追われて、それから逃げようと体を回転させたらベッドの下へ落ちたのであった。

 そういえばと、もう1つ思い出した。今朝と同じようなことが前、日記を調べると8月2日にもあった。その日の日記には、「今朝起きたら風が強い、台風の強風圏に入った時みたい。「えっ!」と思って気象庁のサイトを開くと、強風圏ではないけど台風12号が南下して沖縄島の近く。今までにない動きをする台風に少しビックリ」とある。
 その後、静岡に住む友人宛に「台風だけじゃ無く、今年の日本は今までにない豪雨、今までにない灼熱の夏もあります。さらに、「今までにない・・・」は日本だけじゃないみたいですね。どうなるやら。」とメールを送っている。
 今年の台風はまた、ピーターと狼みたいに、「来るぞ来るぞ」と言って逸れたものがあり、来るには来たけど、狼ではなく仔猫のようなものであったりした。7号は仔猫、8号は先島へ逸れ、10号は仔猫、つい最近の14号も逸れた上、仔猫だった。今年の台風は何だかこれまでの台風とは性質が違うような気がする。
 これまでと違う台風、これまでと違う気候などと考えて、これまでと違う地震まで連想し、そんな夢を見、ドジなオッサンはベッドから落ちてしまったのであろう。
     

 記:2018.8.15 島乃ガジ丸


マンゴスチン

2018年08月13日 | 草木:果樹

 よく通っている八百屋へ行くと、レジの傍に籠があり、その中にマンゴーがいくつも入っていて、値段が300円となっていた。通常の棚に並んでいるそれと同等の大きさのものに比べると半額だ。黒い斑点が所々付いていることもあり、レジの女の子に「痛んでいるから安売りなの?」と訊くと、彼女はニッコリ笑って「今が食べ頃です」と答えた。手が少し伸びたが、「いやいや、半額とはいえ贅沢品だ」と思い、手を引く。

 その後、家に帰ってパソコンに溜めこんでいた植物の写真の整理をした。何者か判明はしているけどブログにはまだアップしていない植物を主に点検する。最近勉強している薬草ハーブの類が多くある、その他草本類、木本類など、ざっと数えて100種は超える。キノコ類やサボテン類も数種ずつある。果樹フォルダにも果樹が数種ある。グミ、オリーブ、タイワンナツメ、マンゴスチンなどだが、その写真を見ながらそれぞれの写真を撮った場所を思い出す。いずれもちゃんと覚えていた。「俺の脳はまだ大丈夫」と安心。

 マンゴスチンは観光地の玉泉洞で撮っている。2012年6月のこと。埼玉のKと彼の同僚が1人一緒だった。その時、果実はまだ熟しておらず、園内でマンゴスチンの販売もしておらず、果物の女王と呼ばれるマンゴスチンを食べることはできなかった。
 などということを思い出していたら、「いや、マンゴスチン、俺は買ったことあるぞ」と思い出し、パソコンの中の「判明写真」フォルダの子フォルダ「飲食」を開く。テーブルの上に置かれた熟したマンゴスチンがあった。写真の日付は2005年6月。
 写真は確かに当時住んでいたアパートの、当時使っていたテーブルであり、その上に置かれたマンゴスチン。「勿体無い精神」を持つ私なのでこれを食べずに捨てることはないと思うが、食べたかどうか覚えていない。皮を剥いたのも覚えていない、皮を剥いた中味の姿も覚えていない。匂いも味も覚えていない。「俺の脳は大丈夫か?」と少し不安。

 
 マンゴスチン(mangosteen):果樹
 オトギリソウ科の常緑高木 マレーシア・インドネシア原産 方言名:なし
 名前の由来、マンゴスチンは広辞苑にmangosteenと英文字表記があり、mangosteenはマレー語のmangustanから来ているようである。
 高さは6~10m。雌雄異株で、雄株はほとんど無く、雌株だけで結実する。雌花は枝の先に1つずつ着き、花弁は淡紅色。開花期及び結実期については資料が無く不明。玉泉洞ではハウスの中で結実していたが、6月であった。
 果実は直径4~8センチの球形、赤黒色に熟す。果皮を剥くと果肉は白く、中で5~7個に分かれている。果肉は生食でき、ジューシーで柔らかく、アイスクリームのような食感。甘みとかすかな酸味があり美味。風味はデリケートで収穫後3日目には品質が低下するとのこと。「沖縄での栽培は困難」とあったが、ハウス栽培されていた。
 同じく熱帯果樹のドリアンが果物の王様と言われているが、マンゴスチンは果物の女王と呼ばれている。ただ、王様のドリアンは特異で強烈な匂いだが、女王のマンゴスチンは上品な甘みで芳香がある。果皮はインド更紗の染料の原料となるとのこと。
 
 未熟果
 
 完熟果

 記:島乃ガジ丸 2018.8.12 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『琉球薬草誌』下地清吉著、琉球書房発行


返還交渉人

2018年08月10日 | 通信-音楽・映画

 もう2週間も前から観たいと思っていた映画があった。今、歯科医通いをしていて、歯科医は1日から3日にかけてと6日から8日にかけて通い、その間、映画へ行けなかったが、ところが、9日木曜日は予約一杯とのことで通わなくても済むようになる。桜坂劇場のスケジュール表を見ると、観たい映画、来週からは夜の上映となっている。夜に車を運転するのは嫌なので、「映画観るのは木曜日(9日)しかないか」となる。
 観たい映画は私の大好きな映画館桜坂劇場でやっている。桜坂劇場は那覇市のメインストリート国際通りの近くにある。国際通り近辺はいつも観光客で賑やかだが、車も多いので道も混む。夕方は通勤等でさらに混む。なので、夕方の国際通りは避けていたが、映画は午後2時半の開始、帰りが夕方となる時間になる、でも決行。じつは、都合の良いことにその日その時間、夏の高校野球で県代表興南高校の試合があった。ウチナーンチュは野球大好きで試合があると外に出ない。よって、道は混まない。ラッキー。

 観た映画は『返還交渉人』、沖縄の本土復帰に関わる日本とアメリカの交渉で、沖縄のために有利な(というか、人間として当然の)条件を得ようと奔走する外交官の話。
 沖縄が返還されるための条件交渉の中で、日本国は日本国の有利を考え、アメリカはアメリカの有利を考え、双方が落とし所を模索する。その落とし所というのが「沖縄に犠牲になってもらう」というもの。そんな中、主人公は己が正しいと信じる道を真っ直ぐ突き進む。彼が信じる道は、ウチナーンチュ(沖縄人)の多くが望んでいた道。
 その道はしかし、竹槍で戦車に挑むがごときの道であった。それでも立ち向かおうとする主人公、しかし、相手はあまりにも強大で、結果として無力感、挫折感を味わうことになる。でも、その精一杯の努力に私は感動してしまった。老いて涙脆くなった、加えて、腰痛で気弱になっている私には毒に(涙が出るという意で)なる物語だった。
     

 物語は沖縄の本土復帰(1972年)以前の数年間が舞台。ベトナム戦争の頃、アメリカ兵がピリピリしていた頃、基地被害の多かった頃。その頃から比べると沖縄も落ち着いているが、復帰から46年経た今もまだ、主人公の望んでいた沖縄にはなっていないと思われる。少なくとも、日本国によって米軍基地は沖縄に押しつけられている。
 映画を観た前日8月8日の夜、翁長沖縄県知事が亡くなった。映画の主人公と翁長知事の生き様が重なった。「辺野古に基地は造らせない」は、私も正しい道だと思う。
 「辺野古移設が唯一の解決策」と国は言うけど、「何で辺野古が唯一なの?他の方法は考えたの?考えたのならどんな方法を模索したのか明示して欲しいんだけど」と私は思っていた。それもこの映画を観て、何故そうなったか想像できるようになった。日本国は日本国の都合を、アメリカはアメリカの都合を考え、その落とし所を探った結果、沖縄を犠牲にすることが唯一の解決策となったのであろう。もちろんその落とし所は、沖縄にとっては何の解決にもなっておらず、この先、新たな問題を抱えるだけのこと。
     
 『返還交渉人』、本土復帰前の沖縄を思い出し、「今はどうなんだ?」と現在の沖縄までも想い、あれこれ考えさせられる良い映画でした。ただ、もう少し感情を抑えて、淡々と控え目の表現でも良かったのではないかと、涙脆くなったオッサンは思った。

 記:2018.8.10 島乃ガジ丸


コガタコガネグモ

2018年08月09日 | 動物:クモ・その他

 思い出すこと

 昨夜、沖縄県知事が亡くなったというニュースを聞いた。パソコン開いてネットのニュースを見る。知事は痩せていた。「まだ67歳だったんだ、これからもっと活躍できただろうに」と残念に思う。県民のために命を捧げた人と思う。ご冥福を祈ります。

 さて、呑気者の私は今後の沖縄の政治がどうなるかではなく、今日もイチムシの話。
 『ネイチャーガイド 日本のクモ』にある写真と、私のパソコンの不明クモの写真と照らし合わせ、いくつか判明したクモの中に本種コガタコガネグモもある。であるが、コガタコガネグモについての想い出が私の脳の中に少しも無い。画像のプロパティーを開いて日付を確認すると、2007年8月20日午後1時ちょい過ぎとなっている。
 その頃、私はまだ現役バリバリで現場にも時々出て肉体労働に汗をかいている頃、日記でその日を調べる。朝、出勤前に同僚のTから「現場に出てくれ」と電話があって、彼と一緒に現場、現場の地名は日記に書かれていないが、前日翌日の状況も加えて推理すると南城市玉城近辺のようである。その辺りの景色が頭に浮かぶ。職場のヤード、友人Mの住居予定地、誰かとデートした丘の上のレストランなど思い出した。

 本種コガタコガネグモはなかなか見られないクモで、私が出会ったのもその時の1度きり。小さい(体長9ミリ内外)ので気付きにくいというせいもあるかもしれない。玉城近辺のどの辺りでコガタコガネグモに遭遇したのか全く思い出せない。が、
 その頃、母は入院中、その年4月に母が永くないと担当医から聞いていて、休みの日は母を見舞いに行っていた頃、などということばかり思い出してしまった。
 
 コガタコガネグモ(小型黄金蜘蛛):クモ目の節足動物
 コガネグモ科 本州、四国、九州、南西諸島に分布 方言名:クブ
 名前の由来は資料が無く正確には不明。コガネグモは広辞苑にあり、黄金蜘蛛と漢字が充てられ「雌の腹部の背面は黒褐色の地に3条の黄帯を走らす」の「黄帯」から黄金とついたと思われる。本種はコガネグモに比べ小さいのでコガタ(小型)とつく。
 ナガマルコガネグモは畑(西原町)でもよく見かけたが、本種はなかなか遭遇しない。写真は2007年8月のもの、この日私は現場仕事で沖縄島南部の、周りに畑の多い田舎にいて、そのお昼休みに辺りを歩いていて見つけた。「日当たりの悪い樹木の枝葉間、草間に垂直の正常円網を張る」と文献にある通りの環境で、その状態でいた。
 「網の中央部にはX字形あるいはその一部を省略したかくれ帯を付け、その中心に脚を2本ずつそろえて止まる」と文献にあるが、写真の個体の網に帯は見えず、何か事故に巻き込まれたのか左脚の2本が無くて、「脚を2本ずつ揃えて」ができていない。
 体長は雌9ミリ内外 雄5ミリ内外。出現時期は7月から10月とのことだが、これは倭国においてであり、沖縄での出現時期は資料が無く不詳。

 記:2018.8.9 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』湊和雄著、実業之日本社発行
 『西表島フィールド図鑑』横塚真己人著、実業之日本社発行
 『沖縄クモ図鑑』谷川明男著、有限会社文葉社発行
 『ネイチャーガイド 日本のクモ』新海栄一著、株式会社文一総合出版発行