ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

コヨツボシアトキリゴミムシ

2014年07月22日 | 動物:昆虫-甲虫目

 西表からのお客さん?

 先々週(7月11日)のガジ丸通信『天候不順で分布も不順』で「判明した昆虫の中でも、沖縄島には分布しないコヨツボシアトキリゴミムシやミイデラゴミムシを私は畑で見つけた。「過去に例が無い」は気象だけでなく昆虫界でも起こっているかもしれない。天候不順で分布も不順になっているのかもしれない。」と書いたが、そのコヨツボシアトキリゴミムシ、沖縄島には分布しないが西表島にはいる。しかし私は、おそらくコヨツボシアトキリゴミムシであろう個体を沖縄島の私の畑で見つけた。

  沖縄島にはコヨツボシアトキリゴミムシの近縁種で、それと見た目そっくりなヒラタヨツボシアトキリゴミムシがいる。両者の違いは、
 1、前胸背板の形、ヒラタヨツボシアトキリゴミムシは逆台形状で、前縁近くで最も幅広く、後縁の幅が狭いが、本種は横長で中央直前でやや角ばり六角形状をしており、後角はほぼ直角。
 2、上翅にある4つの紋の内の前紋の形、ヒラタヨツボシアトキリゴミムシは菱形に近く、本種は円形に近い。
 3、上翅にある4つの紋の色、ヒラタヨツボシアトキリゴミムシは黄褐色とあり、本種は橙黄色。
 4、大きさ、ヒラタヨツボシアトキリゴミムシは6.5~7ミリあるが、本種はそれよりだいぶ小さい4~5.5ミリ。
とのこと。
 私の撮った写真と図鑑を見比べ、図鑑の説明文を読んで、分布が沖縄島ということから「これはヒラタヨツボシアトキリゴミムシである」と最初判断したが、図鑑には「よく似たコヨツボシアトキリゴミムシがいる」とあり、図鑑の両者と私の写真をよーく見ると、「1、前胸背板の形」の違いが顕著で、私の写真の個体はコヨツボシアトキリゴミムシと判断し直した。西表島から旅してきた個体であろうと想像した。

 
 コヨツボシアトキリゴミムシ(小四星後切芥虫):甲虫目の昆虫
 オサムシ科 本州~九州、西表島、台湾、東南アジアなどに分布 方言名:不詳
 名前の由来、ゴミムシは広辞苑にあって、芥虫、及び歩行虫と漢字が充てられ「オサムシ科のうち、オサムシ類以外の甲虫の総称」のこと。「石やごみなどの下に多く」(広辞苑)ということからゴミムシという名前なのであろう。芥(あくた)は「ごみ。ちり。くず」(同)のこと。『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「樹上や地表面を歩行中の個体も時折観察され」ということから歩行虫という字も充てられているのだろう。
 コは小さいから、ヨツボシは「前胸背板上翅には橙黄色の円紋が4つある」だと思われるが、アトキリは不明。漢字の後切は私の勝手な想像、それしか思いつかなかった。「後ろを切る」という言い回しがある。「ゆくえをくらます」(広辞苑)という意。人の気配を感じたら即座にゆくえをくらます虫なのだと勝手に想像した。
 本種の分布は本州~九州、西表島、台湾、東南アジア、インド、ニューギニア、オーストラリアと広いが、私が見た沖縄島はそれに含まれていない。沖縄島には近縁種のヒラタヨツボシアトキリゴミムシが分布しているらしい。両者見た目もよく似ていて、体背面は黒褐色、前胸背板上翅には橙黄色の円紋が4つあるところは同じ。
 写真の個体はバケツの水に溺れていたところを助けた(なので水滴がついている)もので、場所は私の畑、つまり沖縄島。沖縄島に生息するのはヒラタヨツボシアトキリゴミムシの方だが、写真の個体は前胸背板の形がどうみても逆台形状だったので、それが特徴であるコヨツボシアトキリゴミムシとした。成虫の出現は周年。肉食性。

 記:2014.7.21 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行

ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
« ヒメカメノコテントウ | トップ | ミイデラゴミムシ »