ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ヒメカメノコテントウ

2014年07月18日 | 動物:昆虫-甲虫目

 暑さにも寒さにも強い虫

 夏の農夫は朝早くから畑仕事をし、お昼頃には切り上げる。沖縄の夏の、灼熱の太陽の下、その殺人光線が最強になるお昼後の肉体労働は体を壊す、と思ってのこと。
 家に帰っても室内は暑い、扇風機を強にして体に向ける。それでも暑いけれど太陽の下に比べれば何とか耐えられる。私の部屋にはクーラーもある。先日、あまりの暑さに「クーラー使ってみようかなぁ」とちょっと思ったが、我慢した。
  浪人時代の2年間、私の部屋にクーラーがあり、夏は使っていたが、それ以降はクーラーのある部屋に住んでいなかった。実家も居間と母が着付け教室に使っていた和室を除けば父母の部屋も子供たちの部屋にもクーラーは無かった。20年ばかり住んでいた前のアパートにもクーラーは無かった。3年前に今のアパートに越してからはクーラーのある部屋となったが、そのクーラーもまだ、一度も使ったことが無い。

 ヒメカメノコテントウを調べると、その分布が「北海道~九州、南西諸島、シベリア、朝鮮、台湾、インド」とあった。シベリアからインドまでいる。「ほう、暑さにも寒さにも強い虫なんだな」と感想を持った。暑さにも寒さにも強い体を持つ人間になりたいと常々思っている私にとって、目標となるべき虫なのであった。
 暑いからといってクーラーを使っていたら、暑さに強い体にはならないだろうと思って私はクーラーを使わないのだが、クーラーの効いている図書館などへ行くと、「はー、落ち着くぜ、クーラーっていいなぁ、発明した人は偉いなぁ」なんて思ったりする。

 
 ヒメカメノコテントウ(姫亀の甲天道):甲虫目の昆虫
 テントウムシ科 北海道~南西諸島、インドなどに分布 方言名:グスーマヤグヮ
 名前の由来についての資料は無いが、ヒメ(姫)は体長3~5ミリとナミテントウなどに比べると小さいから。カメノコ(亀の甲)は形がそのように見えるから。テントウについては別頁にも書いたが、広辞苑に「店頭虫とする説がある」とあった。八百屋の店先にやってくるといった意味であろうか。漢字では天道虫と表記されている。天道は「天地を主宰する神」の意があるので「神の使いの虫」ということだろうか。
 上翅の斑紋には変異があるとのことだが、「基本形は、地色は橙色で、肩部にまがたま型か惰円の黒紋、会合部の中央付近と後側部付近に会合部の黒条につながる黒紋がある」と『沖縄昆虫野外観察図鑑』にあり、そこに載っている写真と私の写真はそっくり。他には「せすじ型」、「四紋型」、「黒色型」などがいるらしい。
 分布については『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「北海道~九州、南西諸島、シベリア、朝鮮、台湾、インド」と詳しくあった。シベリアの寒い所から熱帯のインドまで広く分布しているようである。出現は、寒い所では春から秋までのようだが、沖縄では周年。
 体長3~5ミリ。キジラミなどを食べるので、農夫にとっては益虫となる。

 記:2014.7.10 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行