チャンプルーでは無い
母方の実家に遊びに行くと、ヒラヤーチー(薄いお好み焼きの様な物、詳細別項)とソーミンチャンプルーがよく食卓に出た。祖母の手料理で、朝食やおやつになった。
ソーメンを焼きうどんみたいにして油で炒めたものを、最近の食堂やら居酒屋などではソーミンチャンプルーと言ったりしているが、当時(私が子供の頃)、祖母や祖父や母などは、それを確かソーミンタシヤーとかソーミンブットゥルーとか呼んでいたように覚えている。確かかどうか、さっき、母親に電話して確認したところ、ソーミンブットゥルーとのこと。タシヤーとも聞くが、南風原ではブットゥルーと言ったらしい。チャンプルーという言葉は割と新しい言葉で、昔はあまり使わなかったと、母の説明だった。
図書館へ行って、言葉そのものの意味を調べてみた。チャンプルーとは「ごちゃ混ぜ」といったような意味。タシヤーは「炒める」、ブットゥルーは「とろとろ煮」とのこと。そういえば、祖母の作ったソーミンブットゥルーは、煮すぎてトロトロになったソーメンにサバ缶と油を加えて、和えただけのものだった。混ぜたものがサバ缶だけなので、チャンプルーでは無く、炒めてはいないので、タシヤーでも無いわけだ。
最近はどこに行ってもソーミンチャンプルーしかない。祖母が作ってくれた、昔懐かしの、あのソーミンブットゥルーは久しく食っていない。自分で作ってみよう。
記:ガジ丸 2004.9.11 →沖縄の飲食目次
参考文献
『沖縄語の入門』 西岡敏 仲原穣著、株式会社白水社発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行