ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

クビレヅタ(海ブドウ)

2019年03月27日 | 飲食:飲物・嗜好品

 新参海藻

 年始年末沖縄へ遊びにやってきた埼玉の友人KRが、年末に買って我が家に置いていった海ブドウを、年明け2日、KRの他小豆島のOT、沖縄在のKYと私の、大学の同級生4人で我が家で飲んだ時に肴として出した。海ブドウ、特に旨いものと私の感性にはないので、居酒屋で食べることはあるが、購入して家で食ったことは無い。
 その日も少し食べたが、特に感想は無い。苦いとか甘いとか酸っぱいとか特に味のあるものではなく、味は主にそれにかけるたれの味、概ねはポン酢様のもの。食べる楽しみはその食感、口の中で噛むとプチプチするその食感なんだと思われる。それだけでは私は食い物として不満、たれの味では無く、そのものに何か癖が無いと酒に合う肴にならない。さすが酒飲みと自画自賛(するようなことじゃないかもしれないが)。

 クビレヅタという名を、私は今回ウミブドウ(店舗ではこの名で売られている)を調べて初めて知った。名前の由来は『沖縄食材図鑑』に「くびれがあるツタの意」とあった。流通名のウミブドウの由来も『沖縄食材図鑑』にあり、「匍匐する茎に球状の小枝が密生する。球状の小枝をブドウの実に見立てウミブドウ」とのこと。
 ウミブドウは沖縄語でウミブドーと発音し、私はこれが方言名だと思っていた。方言名は宮古の言葉でンキャフとのこと。本種は元々宮古島を北限とするので沖縄島に自生はない、自生が無い→見ることも無い、よって、沖縄島での方言名は無いのだと思う。
 そういえば、私が若い頃ウミブドーはスーパーにも居酒屋にも無かったと思う。『沖縄大百科事典』の記述に「養殖技術も開発されたので、もう少し身近な珍味食品になると思われる」とある。同事典は1983年の発行、それから30数年経って、ウミブドーは既に「身近な珍味食品」となっている。いつ頃からか、10数年ほど前くらいか、居酒屋で見かけるようになり、スーパーでも普通に買えるようになった。
 自然での生育環境は、近くに湧水があり塩分濃度が外洋と比較して5~10%低く、いくぶん富栄養化された海域とのことで、天然での収穫場所は宮古島の2ヶ所だけの限られた場所とのこと。自然での収穫期は4~10月とのことだが、上述した通り人気が出てきて、現在は沖縄島を含む各地で養殖されており、年中収穫できる。
 
 クビレヅタ(海ブドウ):食用・観賞用
 イワヅタ科の海藻 国内では宮古島以南に分布 方言名:ンキャフ(宮古)
 浅い海の砂地に生息し潮干狩りで収穫できる。旬は通年。沖縄では昔から食用とされてきた。ビタミンミネラルが豊富で低カロリーということで健康食とされていて、健康ブームで人気が出て来て以降、元々自生の無かった沖縄島を含めあちらこちらで多く養殖されている。現在流通しているものはほとんどが養殖もの。養殖ものの旬は通年。
 生でサラダや和え物に利用され、水槽の観賞用にも利用されるとのこと。
 

 記:2019.3.10 ガジ丸 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 
 『沖縄食材図鑑』田崎聡著、有限会社楽園計画発行