ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

無視という抹殺

2017年12月21日 | 通信-その他・雑感

 腰痛で元気に動けなくて、このところボーっとしていることが多い。ボーっとしていると妄想する、元気な時の妄想はたいてい楽しい内容だが、最近の妄想は悲観的である。我が身を省みて「俺の生き方はこれでいいのか?」と柄にもなく考えてしまう。
 「これでいいのか?」と問い、「これでいいのだ。」とこれまでは答え、「何とかなるさ、明日は明日の風が吹くさ」とテキトーに生きてきたこれまでの人生。体が弱って心も弱っている最近は、これまでのあれこれを思い出しては反省ばかりしている。

 今の住まいは平屋の一軒家で2世帯が住める形になっている。その内の1世帯が大家さんで、残る1世帯が私。大家さんは私より年上の女性、親切な人で最初から仲良くしてくれた。手料理や、市販の食べ物飲み物をくれた。私も大家さんを招いて挽きたてコーヒーを出したり、縁側に2人腰掛け、七輪でイカを焼き日本酒を御馳走したりした。
 大家と店子の関係は、私としては顔を合わせば挨拶し、たまに(週一くらい)10~20分ほどのユンタク(おしゃべり)をする仲で良かろうという感じ、これまで住んでいたアパートでも、そこの大家さんとは概ねそんな間柄であった。ところが、今の大家さんは距離が近い。一時期は毎日のようにドアのチャイムを鳴らした。「これ食べて」、「これ飲んで」といった差し入れが多い。一人であることが好きな私はついに、腹を立てつつ言葉は穏やかに、「揚物、スナック菓子はあまり食べない、昼寝している時は起こされたくない、疲れているので早く休みたい」などの理由を付けて差し入れを断った。
 それでも大家さんはいろいろ持ってきた。先月(11月)からは私も諦めて、差し入れの品を頂いたら「ありがとうございます」と冷たく言って、さっさとドアを閉めるようにしていた。あれこれ断る理由を探すのも面倒臭くなってしまっていた。
     
 
 12月15日、午後3時頃から甥と一緒だった。我が家の墓やトートーメー(位牌)など、これからのあれこれを話し合い、夕方からは私の家で酒を酌み交わしながら、なおもあれこれ話し合い、夜には友人のO夫妻も来てくれ、楽しい飲み会となった。
 みんなが帰った(午後10時頃)後、私はこれまでに無い深い孤独を感じた。「寂しいとはこういうことなのか?しかし、甥や友人が来てくれたじゃないか、何でだ?」と考えた。考えて、「夫婦、親子のような深い関わりが、私には無いからか?」と思う。
 「一人で生きていけるさ」と私は自信を持っていた。なので、嫌だなぁと思う人と付き合うことは時間の無駄とまで思っていた。嫌だなぁという感情が大きくなると、その人を無視することになる。無視って・・・最悪の虐めじゃないかとその時気付いた。
 私の最近の大家さんに対する態度は無視と言える。言葉を交わすことさえ面倒臭がっている。それは「消え去れ」と思っているようなもの。そう思われる人は悲しかろう。
 無視するというのは、自分の心からその人を抹殺することではないかと思う。「それはいかんだろう、俺は間違っていたかも」と反省(いつまで続くか?)する。
 そう反省し、過去のあれこれを後悔しつつほとんど眠れない夜を過ごした翌朝、昨夜の楽しい飲み会を思い出し、「いいさ、楽しければいいさ。過去は過去、何とかなるさ」と吹っ切って元気が戻る。でも、無視は今後あまりしないようにしようと、このいい加減で傲慢な私が殊勝にも思った朝であった。でも、殊勝がいつまで続くか自信は無い。

 記:2017.12.21 島乃ガジ丸


グヮバシロップ漬2

2017年12月21日 | 飲食:果物・菓子

 ヨーグルトに合う

 『グヮバシロップ漬』と題して記事を書いてアップしようとしたら、『グヮバシロップ漬け』が既に去年(2016年)紹介済みであった。でも、去年よりも自作グヮバシロップ漬は上手く行って、美味かったし、せっかく書いたし、ということで以下。

 私が借りている300坪の畑には、果樹も多くある。ビワ、マンゴーなど私が植えたものの他、前にそこを借りていた友人Tが植えた果樹もある。たくさん実を着けてくれていたアセローラは枯らしてしまったが、バナナ、グヮバなどまだいくつか残っている。
 グヮバは2種あって、1種はキミノバンジロウで1本だけ。もう1種は、品種名は不明だが洋ナシ型の、Tが言うには「グヮバ茶に適した品種」とのこと。
 その洋ナシ形のグヮバは北側隣地境界沿いに生垣のようにして植えられ、当初は20本近くあったが、私が管理するようになって(2012年夏)以降、少しずつその数を減らして、現在(2017年12月)は7本しか残っていない。私はグヮバに対し何も悪いことはしていないつもりだが、毎年少しずつ枯れてしまっている。原因不明。
 本数は減らしたが、今年の夏(まだ10本位あった)は豊作となった。グヮバは、生食用の果物としてはあまり人気が無いので、「ちょーだい」という人もほとんどいない。何人かの友人知人に押し付けるようにしてあげたが、その多くは自家消費となった。

 そのグヮバは、甘みも少なく、酸味も少ない。つまり、味が薄い。でも私は、他のグヮバに比べると食べやすくて良いと思っている。「食べやすい」というのは、グヮバの種は堅くて食うにはその種が鬱陶しい、他のグヮバは種が表皮近くまであって生食の時、種を避けるのが面倒。しかし、このグヮバは種が中心寄りに集中している。リンゴを食べるようにして、切り分けて種の個所を取り除いてから食べることができる。
 「味が薄い」という欠点をどう補うかと考えて、「シロップ漬にしよう」と、自称料理上手な私はすぐに思い付いた。ちなみに、シロップ漬を私は「濃い砂糖水漬」と認識しているが、改めて広辞苑を引くと、シロップとはオランダ語(siroop)で、「濃厚な砂糖溶液」のこと。私の認識と一致している。濃い砂糖水を自作して漬けてみた。

 グヮバのシロップ漬、食べてみるとまあまあ美味しい。しかし、それをそのまま食べるには何か物足りない。そこで、またも思い付いた。「ヨーグルトと合わせよう」と。
 オジサンと呼ばれる年齢になってから牛乳が飲めなくなった私だが、チーズは好きで、ワインの肴にたまに食べる。ヨーグルトは、若い頃は大好きでよく食べていたが、オジサンとなってからは、好きというほどのものではなくなり、食べる機会は減っていた。今回そのヨーグルト、プレーンの小箱を、おそらく数年ぶりに購入した。
 ヨーグルトにグヮバのシロップ漬を投入。グヮバの1切れとヨーグルトをスプーンで掬って口の中で合わせる。、これがなかなか美味くて、9月10月の昼飯は、その約三分の二はグヮバのシロップ漬ヨーグルト和えとなった。
 ちなみに、私が表記している「グヮバ」は広辞苑に無く、広辞苑には「グアバ」と表記され、guavaの日本語読みのようである。guavaはたぶん英語。ちなみに、グヮバ(またはグアバ)の和名はバンジロウ。蕃石榴と漢字表記し、これはおそらく漢名。
 
 バンジロウ(蕃石榴):果樹
 フトモモ科の常緑高木 原産地は熱帯アメリカ 方言名:バンシルー 
 全国的にはグァバという名前で知られている。果実は独特の甘い香りがあり、生食でも美味しく、ジュースなどにしても良い。品種によるが、収穫期は8月から9月。

 記:2017.12.11 ガジ丸 →沖縄の飲食目次