ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ホントに金が足りないの?

2014年04月18日 | 通信-社会・生活

 消費税の件で世間が騒いでいた3月の終わり頃、「どう思う?」と人に問われたなら、「たった3%だろ?100円が103円だろ?そう騒ぐこともあるまい」という答えを準備していた。問われることが無かったのでその答えを口に出すことはなかったが、ただのカッコつけだ。それが証拠に、私は発泡酒2400円也を3ケース、タバコ410円なりを15箱、以上を3月末日までに購入していた。400円のお得となった。
 発泡酒3ケース、毎日1缶飲んだとして72日分、ひと月当りのお得額は90円。タバコ15箱、1日約10本吸っているので30日分、ひと月当りのお得額は300円。足して390円、「どうだ!1ヶ月で390円も得したぜ」とは・・・ちっとも思わない。そうなのだ、やはり、「そう騒ぐこともあるまい」だったのだ。騒いでしまったが。
          

  ひと月をだいたい6万円で生活している私にとっての3%は1800円となる。1800円、発泡酒18日分と思うと大きいが、外へ飲みに行ったりしたなら安い居酒屋でもその程度は2~3時間で飛んでしまう。外へ飲みに行くのは普通で、レストランで高級料理もたまには必要で、高級マンションに住むのも普通で、高級ブランドの服やバックも必要な物、と思っている人達にとっては1800円、全くたいした額では無いはず。
 若い頃、私は今よりずっと金持だった。月給は平均して15、6万円はあった。その程度では高級レストランも高級マンションも高級ブランドも遥か彼方だが、家賃3万円のボロアパートで一人住まいの私には十分の額であった。その頃の私なら「たった3%だろ?100円が103円だろ?そう騒ぐこともあるまい」と公言し、その通り騒がなかったであろう。思えば若い頃、パチンコ屋に通って、2~3時間で4、5千円をスッていたが、何て勿体無いこと!と今更ながら思う。それに比べれば3%、たいした額では無い。

 『ないないばー』 作詞作曲:ガジ丸

 金が無い 金が無い 金が無いったら無い
 高級クラブで女両手に ドンペリ飲む金が無い

 金が無い 金が無い 金が無いったら無い
 愛人をマンションに囲って 養う金が無い

 金が無い 金が無い 金が無いったら無い
 都心の一等地にでっかい豪邸を 建てる金が無い

 金が無い 金が無い 金が無いったら無い
 運転手付きの高級外車 持てる金が無い

 「平和で、自由で、食っていければ幸せ」という私にとっては、国民1人当たりの所得で言えば世界第二位の金持ち日本が「金が足りない」と喘いでいることが不思議でしょうがない。金はいくらあっても足りないんだな、と思ってこんな唄を前に作った。
          

 記:2014.4.18 島乃ガジ丸


アシビロヘリカメムシ

2014年04月18日 | 動物:昆虫-カメムシ・セミ

 ニガウリを齧った真犯人

 昨年(2013年)11月のガジ丸通信『化学兵器禁止畑』に「食害されるゴーヤー」というタイトルの写真を載せた。生で齧ると人間の子供も嫌がる苦いゴーヤーがいくつも齧られているのを見て「何たること!」と写真を撮ったのだが、その説明文には「蓼喰う虫も好き好きというが、苦いゴーヤーを齧る虫もいる。しかも生で。現行犯を見てはいないが、その齧り跡から見てたぶんカタツムリだと思う。」と私は書いた。
  今回紹介するアシビロヘリカメムシを調べると、「ニガウリの果実を食害する」と文献にあり、「えっ!蓼食う虫はカタツムリだけでは無かったのか?・・・いや、そもそもカタツムリがゴーヤーを齧っているというのは確かか?お前実際に見たのか?」と自問し、「いや、見てはいないが、近くにカタツムリは多くいた。」と答え、「現行犯では無いじゃないか、資料を調べたのか?」とさらに自問し、「だよな、ちゃんと調べないといけないよな、近くにいたから犯人だなんて無茶な断定だよな」と答え、そして、調べた。
 私が参考にしている文献には「カタツムリはゴーヤーを食害する」なんていう記述は無かった。どうも私は、カタツムリを冤罪に陥れていたようだ。

  ニガウリを齧った真犯人、これもまだ犯行現場を目撃したわけではないのだが、いくつもの文献に記載があった。「アシビロヘリカメムシはゴーヤーを食害する」と。
 私の畑でアシビロヘリカメムシを2度見ている。1度目は去年の5月、畑のゴーヤーは既に実を着け、食べるに十分の大きさになっていた。ただ、彼はそのゴーヤーにはいなくて、近くにあった雑草のイヌホオズキの葉の上にいた。
 ゴーヤーの近くの草の下にうずくまっているカタツムリを疑い、ゴーヤーの近くの草の葉の上で何食わぬ顔(かどうか?)しているアシビロヘリカメムシに私は何の疑いも持たなかった。冤罪で死刑になりかけた人のことも思い、反省した。

 
 アシビロヘリカメムシ(脚広縁亀虫) :半翅目の昆虫
 ヘリカメムシ科の昆虫 琉球列島、東南アジアなどに分布 方言名:フー
 名前の由来、参考文献に詳述は無いが、『沖縄昆虫野外活用図鑑』に「後ろ脚のすねは木の葉状に広がっている」とあり、そこからアシビロ(脚広)であろう。ヘリは体の側面の縁が出ているカメムシの仲間の総称で、ヘリカメムシ科に分類される。カメムシについては別の項でも書いたが、頭部の突き出た形がカメに似ていることから。別名のヘッピリムシは「触れると臭腺から猛烈な悪臭を出す」(広辞苑)ことから。
 体長は20ミリ内外、名の由来となっている後ろ脚に特徴があり、そのすねが木の葉状に広がっている。体は黒褐色に黒色の点刻があり、触角は黒色と黄色の縞模様。
 生息場所は畑地や集落などで、幼虫は群れで生活する。成虫は主に単独だが、時には群れることもある。寄主はウリ類、ミカン類で、ニガウリの果実に群がって食害する。
 『沖縄昆虫野外活用図鑑』に「雄間の闘争は特異で、逆向きになって後脚で蹴り合いをする」とあったが、それは見てみたい。出現は5~6月、8~11月。
 
 2014年

 記:2014.4.15 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行