ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

金で金を稼ぐ

2014年02月21日 | 通信-社会・生活

 ひょんなことから知合った平和運動家Hさんから先週月曜日、「来沖するケネディー大使に手紙を書いた、領事館へ持って行くつもりだ、パソコンで清書してくれないか」と頼まれた。ちょうど私はブログ記事『イルカより劣る人間』書き終えたところだったので、Hさんはどんなことを書いているのか興味を持って、その依頼を快諾した。
  『はいさい キャロライン・ケネディたい。』というタイトルの手紙は、原稿用紙3枚分くらいの長さで、沖縄の基地負担の重圧を訴え、私と同じくイルカに触れつつ辺野古の豊かな海を守ることを訴え、沖縄の、平和を愛する者の素朴な心情が綴られたもの。
 その中で一つ、「この表現はよろしくない」と私が意見した箇所がある。「あなたはまだ若いのにお顔を見れば、しわがれ「おばあ」に見えますが、・・・」という一文。その後に続く文章を読めば、その真意が「経験を積んで、社会、人情などに深い思慮を持っているような顔」と言いたいのだということが解るが、いやいや、それでも、50代後半とはいえ、女性に対してその表現はいかがなものかと私は思ったのだ。
 しかし、手紙はそのまま出された。女性に対し細かく気を使わないHさん、それでも結婚できており、離婚した後、今は他の女性と同棲中。まあまあモテるのである。
          

 その翌々日水曜日、不動産売却金の管理についての相談で取引銀行へ行った。私の担当者は若い美女のYさん。銀行へ着いたのは11時頃、2、3分も待たずにYさんはやってきて、「テーブル席で話しましょう」と言い、彼女が指差した方向にある衝立の向こうに案内された。そこで2時頃までの約3時間、彼女と二人っきりで話。
  「畑やってるんですよね、いいですね、見てみたいです」とか、「自分で登記や不動産売買手続やるなんて、すごく頭良いんですね」とか、目をキラキラさせて大いに褒め、私を気持ち良くさせてくれる。そうしながら資産運用、投資の説明をした。
 「大事なのは金では無く物、金は道具に過ぎない」という考えの私なので、金で金を稼ぐような投資に興味は無く、お金は定期預金へと思っていたのだが、Y嬢がじっと私の目を見つめ、熱心に説明するのを聞いていたら、「こんな可愛い娘が一所懸命勧めてくれるんだ、投資してもいいかな」と、「金で金を稼ぐなんて」を忘れつつあった。
 投資するかどうか決定するのは明後日(金曜日)ということにして、その日は帰る。そして、約束の金曜日、いろいろ考えて、「投資はやはり人の生き方としては邪道だ、止めよう、やっても少しだけにしよう」と心に決めつつ、銀行へ。すぐに応接室に通され、お茶も出され、その日も3時間、応接室で概ねY嬢と二人っきりで話をする。
  前回もそうだったが、熱心な彼女は仕事の話だけでなく、目をキラキラ輝かせて、互いのプライベートまで会話を弾ませてくれた。私は思わず抱きしめてやりたくなった。もちろんそうはせず、その代わり、彼女が勧める投資商品に100万円の契約してしまった。鼻の下を伸ばしてオジサンは、美女の言いなりになったというわけである。
          

 若い美女が、オジサンに気を使ってあれこれお世辞を言い、長い時間話を合わせ、オジサンを気持ち良くさせてくれた。それに対し私は「彼女の評価が上がれば良いな」と気を使って契約した。それはもう、まったく、若い美女に対する私の優しさである。であったが、彼女から義理チョコ一つ貰えなかった。私はまあまあモテないのである。
          

 記:2014.2.21 島乃ガジ丸