ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

旬菜瞬時

2005年01月28日 | 通信-その他・雑感

 今住んでいるアパートに私が越してきたのは11年前のこと。当時既に築30年くらいのボロアパートは、トイレ兼風呂場には風呂桶は無くシャワーのみ、トイレは和式、すべての窓に網戸は無く、また、私の前の歴代住人たちはテレビが好きではなかったようで、部屋にはテレビアンテナも引かれていなかった。
 壁に穴を開けてアンテナ線を通すのも面倒なので、私もまたずっとアンテナを設置せずにいる。で、我が家のテレビは室内アンテナ。音はまあまあ聞けるが、映像は悪い。もっとも映りの良い室内アンテナの位置もチャンネルによって違う。いちいち位置を変えるのも面倒なので、たいてい8チャンネル(フジテレビ系)に合わせたままでいる。
 8チャンネルに合わせてはいるが、それでも画面はざらついている。他のチャンネルはもっとざらついている。よって、私のテレビは概ね“聞いたり見たり”することはできるが、“聴いたり観たり”することはあまりできない。で、ちゃんと“聴いたり観たり”したい番組があった場合は、親戚の家とかで録画したものを観るようにしている。
 先週末、その録画したテープを観た。ガジ丸HPの記事書きやHP作成ソフトの勉強などで忙しく、久々のテープ鑑賞だった。内容は今年の正月番組。
 旬のものは旬に食うと旨い、なんてわざわざ言うまでもないが、正月番組も正月に観てこそナンボのもののようで、つまらなかった。画面の向こうでは紅白の衣装を着た人々が「明けましておめでとうございます」などと陽気にはしゃいでいる。観ているこっちも酒飲みながら、餅食いながら、数の子食いながらなら気分もでるが、もう4週間も過ぎた今となっては、芸人たちのはしゃぎぶりも何だかしらじらしい。8時間録画されたテープは結局、ほとんどが早送りされて、1時間余りで見終ってしまった。
 旬の過ぎたビデオを観てしまったオジサンだが、今、オジサンの部屋には旬のモノがいくつもある。あんまり大きすぎて、一週間経ってもまだ食いきれていないザボン、皮剥くのが面倒で今まであまり食わなかったのだが、ガジ丸HPに載せるために買ってしまったタンカン、普通の温州ミカン、頂き物のレタス、寒くなるとなお旨くなる日本酒、今、越の景虎大吟醸を飲みながらこれを書いているが、もう一つ、私はもう1年以上も前から旬の先取りをしているモノ、・・・ではなく、事、がある。
 私はもう1年以上も前からNHKの受信料を払ってない。
 NHKの度重なる不祥事(これはまだ旬の話だろう?)で、海老鯖氏が会長職を辞したというニュースは、つい昨日のことだったと思うのだが、それが、ついさっきのニュースを見たら、その海老鯖氏がNHKの顧問になったらしい。「え!うそ!」と思うと同時に「妖怪ならば、さもありなん」とも思った。海老鯖氏の顔を見て、水木しげるの漫画に出てくる妖怪みたいだ、と思った人は私だけでは無かろう。「何でも食っちまうぞー」ってセリフが似合いそうな妖怪、執念深い妖怪“エビサバじじい”って感じ。
 旬のものは旬に食うと旨いものである、とは周知のこと。が、不味いものでも、それが旬でありさえすればそれなりに価値はあるものだと思う。反面教師として、あるいは歴史的教訓として、それはあっても良いと思う。その旬はしかし、できれば一時のものであって欲しい。ドラキュラもオオカミオトコもフランケンも一時的なものであれば、まだカワイイ。海老鯖も消えるときは瞬時に消えたほうがカッコいいと思うのだが・・・。

 記:2005.1.27 ガジ丸