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ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ナンバンサイカチ

2017年07月23日 | 草木:公園街路

 ほぼ毎週末、本を返し、本を借りるために図書館へ通う。家から徒歩10分少々の所に石嶺図書館はあり、雨の日や重い荷物を所持している時などを除いて、たいていは散歩を兼ねて歩いて行く。この糞暑い夏の日でも、ギラギラの太陽の下を歩く。もちろん、健康を目的とした、腿を上げ、腕を振りといった元気な歩行ではない。できるだけ汗をかかないよう、できるだけ陰の下をトボトボと行く、元気そうには見えない歩行だ。
 先日、東京で39度を越えた。千葉やらどこやらで40度を越えたなどと気温のニュースがあったが、沖縄ではそんな高い気温は無い。せいぜい33、4度というのが夏の間に数日あるかないかだ。それでも、炎天下では、ここ南の島の方が暑いと思う。気温は百葉箱の中、つまりは、陰で計っている。太陽の下では無い。晴れた日に、太陽の下で気温を計ってみよう。さすれば、国内では常に沖縄の気温が一番高いであろう。沖縄の日射の攻撃力は、東京のそれに比べてはるかに強い。と島人は確信している。

 図書館へ向かう行程の途中からはずっと、石嶺団地を左手に眺めながらの歩行となる。図書館の向かいもまた石嶺団地の一角となっている。その辺の団地の敷地内、図書館の斜め向かいの道路沿いに数本のナンバンサイカチが植栽されてあり、この時期、目を楽しませてくれる。一昨年ばっさりと剪定されて、昨年は花付が悪かったが、今年は咲いた。
 
 ナンバンサイカチ(南蛮さいかち):花木
 マメ科の落葉高木。国内では奄美以南に分布する。方言名:無し
 一般にはゴールデンシャワーという名前で知られている。黄金色の花が40~50cmの房状となって垂れ下がる様からGolden shower treeという英名となっている。和名のサイカチは、マメ科のサイカチ属のサイカチに由来すると思われるが、ナンバンサイカチはサイカチ属では無く、カシア属となっている。
 花期は4月から9月となっているが、今が盛り。この時期に花を楽しませてくれる高木は、他にシウンボク、ホウオウボク、サルスベリなどあるが、紅色のホウオウボクと並んで、その鮮やかさはまさに南の島の色、紅型の色、見事である。
 
 花1
 
 花2
 
 実
 
 白花種?

 記:2004.7.26 島乃ガジ丸 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行


ナンキンハゼ

2017年07月23日 | 草木:公園街路

 高校の頃からの長い付き合いである友人Tとは、今でも月に1回以上は会う仲である。その彼が、女房と娘の3人で大阪で長男とおち会い、家族で京都旅行をすることになり、京都へは何度も旅行している私を、「一緒に行かないか」と誘ってくれた。来月10月の初めということで、残念ながら日程が合わず、一緒するのは断念した。
 京都旅行、もしも行けるのであったならば、数年前から仏像に興味を持つようになったので、今回は彼らの思惑とは別に、仏像鑑賞が私の予定に入っていた。一緒する娘は可愛い19歳、夫婦の思惑とは別に、その娘と2人で大阪のユニバーサルスタジオへ行き、1日デートを楽しむ予定でもあった。つくづく残念なことなのである。
 私は概ね、年に2回の旅行をしているが、京都に限らず、旅行の楽しみは、まあ、酒と食い物は別格として、沖縄では見ることのできない景色を見ることもその一つである。冬の雪景色、春のソメイヨシノ、そして、秋の紅葉。
 雪は、沖縄には降らない。大昔に降ったという記録があるらしいが、地球温暖化が進むこの先、雪がふる可能性は極めて低い。ソメイヨシノは、接木もののソメイヨシノを十何年か前に手に入れたことがある。買ったその年は咲いてくれたが、徐々に花数が減り、4年後には枯れてしまった。沖縄の環境にソメイヨシノは合わないようだ。紅葉についていえば、沖縄にも紅葉する樹木はいくつかある。いくつかあるが、そのいずれも倭国のようにきれいな黄色や赤色にはならない。イチョウの木が近所にあるが、褪せた黄緑色にしかならない。沖縄で紅葉する木で有名なものは他にハゼノキとナンキンハゼがある。ハゼノキの紅葉は見たこと無いが、ナンキンハゼは金曜日の職場の近くにあって、何度か見ている。それもしかし、倭国の紅葉に比べるとそう鮮やかでは無い。
 
 ナンキンハゼ(南京黄櫨):公園
 トウダイグサ科の落葉高木 中国原産 方言名:トーハジ
 ハゼとあるが、ハゼノキと近縁では無い。ハゼノキはウルシ科で、全体の形も葉の形も似ていない。花も実も似ていない。それでも南京(中国産ということであろう)ハゼとはこれいかに。種子が蝋燭の原料になるということが両者の共通点。昔、蝋燭はとても大切なものだったので、その原料であることは、姿形より重要だったのだろう。沖縄でも同じ感覚だったようで、方言のトーハジのトーは唐、ハジはハゼの沖縄読み。
 種子から採れる油は蝋燭の原料にもなるが、石鹸にもなり、また、皮膚病の塗り薬ともなる。さらには、その根の皮は薬用として用いられる。本土のイチョウやモミジほどきれいでは無いが、沖縄には珍しい紅葉する樹木の一つ。
 
 花
 
 実
 
 紅葉

 記:島乃ガジ丸 2005.9.25 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行


ナギ

2017年07月23日 | 草木:公園街路

 植物にイヌという名前の付くものはいくつもある。イヌは犬のことを表す。犬にとっては「バカにしないでよ!」ということになるが、イヌは「劣ったもの」という意味を含んでいる。イヌツゲはツゲより少し劣ったツゲということになる。
 沖縄では庭木としても、木材としても一級品として扱われるイヌマキではあるが、それにもイヌが付く。ならば、イヌと付かないマキという木はさぞかし・・・と調べる。
 マキ(槙)は、「イヌマキ・ラカンマキ・コウヤマキなどの汎称」(広辞苑)とのことである。この中でコウヤマキは姿美しく、材も優れているためホンマキとも呼ばれるようだが、コウヤマキ科コウヤマキ属コウヤマキという世界に1科1属1種のみの植物で、マキ科では無い。普通、マキと言えばイヌマキのことを指すとのこと。イヌマキもけして、マキとして劣っているわけはないようである。では何故イヌが付くのかと言うと、スギの古名をマキと言い、杉に比べれて劣っているということらしい。確かに、人の生活の上ではスギは使い勝手が良く、利用価値も高い。まあ、スギには負けるか。

 イヌマキを調べている時にマキ科を調べ、「マキ科は、日本にはナギとイヌマキの2種が自生している」ということを知った。イヌマキが庭木として、柱材として、あるいはキオビエダシャクの食草としてよく知っていた私は、「えっ、2種しかないのか」と思い、もう1種のナギにも、「どんな木?」と興味を持った。であったが、長い間、ナギの実物に出会えなかった。それが、先月の四国の旅で、たまたま散策した高知城で出会った。
 
 ナギ(梛・竹柏):公園
 マキ科の常緑高木針葉樹 原産分布は和歌山以南、沖縄、他 方言名:ナジ、ナージ
 ナギという音は凪からきているのかもしれない。凪は「波がおだやかになること」(広辞苑)であり、「和ぎ」とも表記する。漢字の「梛」の那には「やわらかい」という意味があり、全体では「しなやかな木」(漢字源)を表すとのこと。年中緑の葉をつけ、姿がほとんど変わらないことから「落ち着いた、おだやかな」ということでナギと呼ぶようになったのかもしれない。以上は私のテキトーな推測です。念のため。
 葉に特徴がある。光沢があり、形は披針形で、平行脈がいくつも走っている。短い竹の葉のように見える。もう一つの漢字「竹柏」は漢名とのことだが、竹に似た葉を持つ常緑樹といったようなことではないかと思われる。
 高さ10mほどになる。日陰地に適するが、陽光地でも生育する。成長は遅い。花は淡黄色で小さく目立たない。開花期、本土では夏らしいが、沖縄では3月から4月。
 沖縄ではあまり見ないが、本土では神社などでよく見かけるらしい。樹皮が染色に使われ、材も床柱や家具に利用されるとのこと。
 
 葉
 
 幹
 
 沖縄産
 説明文に復帰20周年記念とある。17年経っているのにまだこんな・・・。

 記:島乃ガジ丸 2006.7.24 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行


トックリキワタ

2017年07月23日 | 草木:公園街路

 パンヤ科の植物は(詳しく調べていないので、概ね)種子に綿が含まれている。トックリキワタの綿はクッションの詰め物として使われているとのこと。こういうことは女性の方が良く知っているみたいで、樹木のことを勉強し始めた若い頃、「パンヤの木って沖縄にもあるの?」と従姉に訊かれて、「パンヤ?」とパにアクセントをつけて訊き返したら、「パン屋さんの木じゃないわよ!キワタの木よ!アンタ何勉強しているのよ!」とバカにされてしまった。
 幹に鋭い棘がある。有刺鉄線に囲まれたリングで戦うレスリングがあるらしいが、トックリキワタの幹に囲まれたリングの方がもっと痛いように思う。腕を取って振り回しトックリキワタの幹に向かって投げる。投げられた方はブチ、ブチ、ブチ、ブチ、ブチ、ブチ、ブチと無数の棘が背中に突き刺さる。想像しただけで恐ろしい。その上に、ブーゲンビリアの枝で作った鞭でしばく。ガシ、ガシ、ガシ、ガシ、ガシと顔や胸を引っかかれる。それは、捕らえられたスパイが「わかった、何でもしゃべる。」と白状してしまいそうな拷問になるに違いない。
 
 トックリキワタ(徳利木綿):街路公園樹
 パンヤ科の落葉高木。分布は南米。方言名:無し
 成長が早く、大木になり、幹周りもよく太る。文献には街路樹に良いと書かれているが、根が張り出して歩道の舗装面を破壊することがあるので、公園樹に専念させた方がいいのではないかと私は思う。で、当然、庭木にも向かない。大きくなり過ぎて庭全体の景色の邪魔になる。大邸宅の広い芝庭にぽつんとあると、良い景色かもしれない。
 トックリという名は、幹の真ん中辺りが根元より太く、徳利の形に似ているところからきている。同じような意味で、トックリヤシという名のヤシノキもある。
 花期は9~12月。樹冠いっぱいに桃色の花を付ける。那覇市の神原中学校の川沿いに列植されていて、花の盛りの頃は見事な景色を見せてくれる。
 
 花
 
 実
 
 綿1
 
 綿2

 写真追加(2005.10.7)

 記:島乃ガジ丸 2004.11.19 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行


テリハボク

2017年07月23日 | 草木:公園街路

 十数年前、木工家たちのキャンプに参加したことがある。場所は本部町のある。那覇から高速を使って1時間半から2時間ほどの場所。木工仲間の一人がそこの出身で、その実家の裏手にある海岸にテントを張り、砂浜でバーベキューパーティーをした。
 参加者は30人ほどで、木工、染色、織物など工芸の仕事に携わっている人たちがほとんどだったが、私のように工芸の仕事はしていないが、樹木、木材に興味があって参加したという人も2、3人はいた。木工家たちはしかし、樹木がどうの、材料がどうのという真面目な話(私はそういうのが聞きたかったのだが)はあまりせず、いかにもウチナーンチュらしく、飲んで唄って、酔って騒いで一夜を過ごした。

 往路も復路も、私は木工家のSさんの車に便乗させてもらった。Sさんは、木工家の作品展などで私が見た限りでは、ウチナーンチュの木工家としてはもっとも腕の良い人である。その腕の良さは私だけで無く多くの人に認められているようで、彼に仕事を頼む人は多い。Sさんはまた、私の知る限りでは、もっともウチナーンチュらしいいい加減な人でもある。頼まれた仕事を忘れたり、やりかけの仕事があるにもかかわらず、ふと行方不明になったりすることもある。そんなSさんがキャンプへの往路で、
 「ヤラブって知っているか?」と車を運転しながら私に訊いた。
 「ウミヘビのこと?」と訊き返すと
 「それはイラブーさあ、さっきから木の話をしているのに、何で急にウミヘビの話になるか。ヤラブはテリハボクのことさあ。方言でヤラブって言うさぁ。八重山で木工の材料によく使われている木だよ。本島では大木をあまり見かけないけど、八重山には大きなヤラブがいっぱいある。」と言い、暫くして、
 「あれ、あの木」と、ある民家の塀沿いに植わっている木を指差した。
 「あれはフクギじゃないですか?」と問うと
 「似ているけど、違う。全体の形が見た目ではっきり違う。ちょっと似ただけで同じもんだと思っていたら、お前、木の話はできないよー。互いに似ている木はいっぱいあるよー。もうちょっと細かく勉強しないと話にならないよー」と説教された。

 確かに全体の樹形も違うが、葉の大きさもフクギよりは幾分小さいようだ。見た目はともかく、木材としての利用価値は大いに違うようだ。と言われてもよ先輩、後輩もウチナーンチュなのでいい加減さは持っているが、お金を貰って頼まれた仕事でさえも忘れたりする人に、もっと細かくなりなさいなんて言われても腑に落ちないさぁ。
      
 テリハボク(照葉木):公園樹・防風防潮林
 オトギリソウ科の常緑高木 分布は沖縄本島以南、東南アジア 方言名:ヤラブ
 名前の由来は資料が無くても判る。葉に照りがあるからテリハ(照葉)ボク。別名をヒイタマナと言うが、これについては資料が無く不明。モモタマナと関係があるかも。
 沖縄各地で古くから親しまれていたようで方言名が多くある。私が参考にしている文献だけでもヤラブの他、ヤナブ、ヤラク、トゥフクギ、ヤラフクギなど。
 トゥフクギ、ヤラフクギなどの方言名がある通り、同じオトギリソウ科のフクギに見た目がよく似ている。潮風に強く、防風林、防潮林として用いられる点でも似ており、葉や実の形も似ているが、フクギが直幹でローソク形にすらっと伸びるのに対し、テリハボクは枝葉を四方八方に伸ばす暴れ木。街路樹や民家の生垣には不向き。高さが20m程に達する大木であることからも民家の庭には不向き。
 花は、参考文献にはあまり触れられていないが、白い清らかな花で、まあまあ大きく、枝先に多数かたまって付き、よく目立つ。開花期は5月から7月。花後の果実も大きくてよく目立つ。結実期は10月から12月で赤褐色に熟す。
 材が堅く、木目が美しいので家具や挽き物などの木工製品に利用される。
 
 花
 
 実

 訂正加筆:2011.7.31 ガジ丸

 記:島乃ガジ丸 2004.12.10 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行