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ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

リュウキュウアセビ

2017年09月17日 | 草木:低木

 このHPで500種ほどの草木を既に紹介しているが、しかし、身近な草木だけでも、その数は私の想像をはるかに超えるほど多い。ゴールは遥か遠くにある。
 身近にある草木には、まだ何物か判明していないものが多くある。また、名前はよく聞いているが、その姿を探せずに、紹介できていない草木もいくつかある。

 図鑑でその特徴ある姿を見ていて、実物を見ればすぐにそれと判るであろうという草木もいくつかある。花の付き方、形が独特であるリュウキュウアセビもその一つ。
 リュウキュウアセビは本土にあるアセビの亜種で、基本種と見た目はほとんど同じ。リュウキュウと名が付く位なので沖縄に自生している。沖縄島での自生地は主に北部。酸性土を好むとのことで、そうなっている。私の住む那覇近辺はアルカリ土質なので、なかなかお目にかかる機会がないのである。イジュやアデクなどと同じ。
 同じく酸性土を好むツツジもまた、沖縄島では北部に自生する。しかし、ツツジは中南部でもよく見かける。植栽土壌を赤土にしたり、鹿沼土を混ぜたりして酸性土にしているのだ。その方法でリュウキュウアセビ、イジュ、アデクなども育ちそうなものだが、それらはより一層酸性土を好むということなのかもしれない。詳細は不明。
 ところが、近所の民家でリュウキュウアセビを見つけた。鉢植えである。たぶん、鉢の土全てを酸性土にしているのであろう。よく育っていて、花も多く付けていた。
 それにしても、その大きさからいって、その鉢植えのリュウキュウアセビは、少なくとも数年前からそこにあったと思われる。その家の前を私は数年前からおそらく4、5百回は通っている。なのに、それまでまったく気付かなかった。花が咲いていれば目立ってもいたはずなのだ。どうも、私の目は節穴みたいである。そうとは思っていたが。
 
 リュウキュウアセビ(琉球馬酔木):添景・鉢物
 ツツジ科の常緑低木 奄美以南の琉球列島に分布 方言名:不詳
 本土に自生するアセビの学名がPieris japonica subsp. japonicaで、本種の学名が
Pieris japonica D. Don ssp. koidzumiana Hatusimaとなっているので、両者は亜種関係となる。アセビは広辞苑にあり、「牛馬が食うと麻痺するというので馬酔木と書く」とあった。本種は奄美以南の琉球列島に分布するので、リュウキュウと付く。
 奄美以南の琉球列島に分布し、琉球列島の固有種である。さらには、別名をオキナワアセビともいう。琉球列島の固有種で、リュウキュウとかオキナワとか名が付いているのに方言名が無い。・・・ことは無いだろうと思うが、参考文献には無かった。
 枝先近くの葉脇から花序を出し、小さな白色の花が多く房状につく。1個の花は鈴状の形をしていて、下向きに咲く。開花期は2月から4月。
 沖縄島では酸性土の北部に自生する。アルカリ土壌の多い中南部では生育が困難。高さは1~3mで、幹は直立する。樹姿は自然に整い、庭園樹、盆栽に利用される。
 沖縄島での自生地であるタナガーグムイ(国頭村安波にある泉の名前)は、本種を含めた植生が国の天然記念物に指定されているとのこと。
 
 花
 
 葉

 記:島乃ガジ丸 2008.7.17 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行


ランタナ

2017年09月17日 | 草木:低木

 もう長いことデートなるものをやっていない。女性と二人で映画を観たのは確か、6、7年前、当時二十歳くらいであったA嬢とだ。彼女とはその後、飲みに行ったりもした。その頃は美人妻のHさんとも映画を観たり、コンサートに出かけたりしていた。
 自分の車の助手席に、母、姉、従姉以外の女性を乗せたこともそれ以来無い。静岡に住む才色兼備のKさんが遊びに来た時に、彼女を助手席に乗せて『ちゅら海水族館』などへ連れて行ったが、それも6、7年前か、あるいはもっと前だ。

 今年(2011年)5月連休のある日、「私を○○に連れて行って}と女子高生から電話があった。もちろん快諾する。彼女の家は私の家から車で5分、彼女を拾って○○へ向かう。○○はそこからさらに、同じ方向へ10分も行った場所。
 ○○の近くには大きな公園がある。彼女の用事が済んだら、その公園を二人で散歩しようとオジサンは企んだ。久々のデートは女子高生と、手を繋いで歩こうと。
 最後のデートのあった6、7年前というと、ガジ丸HPを始めた頃だ。以来、私はたくさんの草木、花などの名前を覚えた。公園を散歩しながら、「これは何だ、あれは何だ」と知識をひけらかすのだ。「オジサン、ちょースゲェ」となるはずだ。たくさんの草木、花などを覚えた成果が、尊敬の眼差しという結果となって現れるはずだ。
 はずだったが、彼女の用事が終わった頃にどしゃぶりとなって、すぐに帰った。

 この6、7年で、美人相手に知識をひけらかす機会が一度あった。一緒に歩いていた甥の嫁TMが、実家の近くの民家の花壇の前で足を止め、「子供の宿題の押し花、何がいいかなぁ?」と言いながら、ランタナの花を一つ摘んだ。「ランタナは硬いから押し花には難しいかも」と私が助言すると、「あ、これ、ランタナって言うんですか、あっ、ホントだ、花が硬い。さすがですね、良く知ってますね。」と尊敬の眼差しを受けた。
 
 ランタナ(Lantana):生垣・刈込・法面
 クマツヅラ科の常緑低木 分布は中南米 方言名:ヒチヘンゲ
 ランタナは属名のLantanaから。和名はシチヘンゲ(七変化)、またはコウオウカ(紅黄花)。花色が黄色から紅色へ変化していくことからそういった名がある。
 繁殖力が旺盛で枝を無秩序に伸ばし暴れる。ナンクルミー(自然発生)もするし、茎には棘もあるので、沖縄では庭木というより雑草扱いされることもある。庭では、萌芽力が強く、強剪定に耐えるので、常に刈り込んで形を整えておく。あるいは、キバナランタナのように高さが50センチを超えない品種が使いやすいかもしれない。
 基本種の花は、咲き始めは黄色、そのあと橙になり、赤へと変わる。園芸品種が多くあり、花色は多彩。花色が黄色いままで変化しないキバナランタナや、白いままの白花種などがある。いずれも開花期は2月から11月。
 高さは50センチから1m。果実は8月から11月に見られ、黒藍色に熟す。
 学名は、ランタナ Lantana camara
 キバナランタナ Lantana camara Linn.var.hybrida
 
 白花
 
 赤花

 キバナランタナ(黄花Lantana):生垣・刈込・鉢物
 クマツヅラ科の常緑低木 分布は南アメリカ 方言名:なし
 トゲナシランタナの矮性園芸品種とのこと。名前の由来は花色から。
 高さは50センチほどにとどまる。根元から分枝し、株立ち状となる。ランタナは花色が変化するが、本種は黄色のまま変化しない。開花期は2月から11月。
 

 記:島乃ガジ丸 2011.5.11 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行


ヤマブキ

2017年09月17日 | 草木:低木

 ヤマブキという名の植物があることは若い頃から知っている。学生の頃は東京に住んでいて、あちこちへ旅もしているので、おそらくその実物も見ている。たぶん、旅の写真にはヤマブキの写ったものもあるはず。その写真を見ずとも、ヤマブキがどのような姿をしていて、どのような花が咲くのかは、だいたい思い出せる。
 ヤマブキはまた、テレビの時代劇も思い出させる。
 「お代官様、例の件は何卒よろしく。これはほんの手土産ですが、お納め下さい。」と悪徳商人である大黒屋の主が言う。悪代官が箱を開ける。
 「ほほう、なかなか美味そうな饅頭であるな。」
 「はい、それはもう、中味は山吹色でございますから。」
 「大黒屋、お主も悪よのぅ。かっかっかっ」と二人は高笑いする、といった場面。ここで使われる山吹色という言葉は、言うまでも無く小判のこと。広辞苑にも、山吹色は「大判や小判の異称」とある。世にあまたある黄色の花の中でも、ヤマブキの黄色こそが黄色の中の黄色とされているみたいである。その通りの鮮やかな色。
 
 ヤマブキ(山吹);添景・生垣
 バラ科の落葉低木 北海道南部~九州に分布 方言名:なし
 山野に自生している。根元から多数の茎が生え、その1本1本に多数の花がついて、一編に咲き、辺りを黄金色に染める。吹き出すようにして山を染めることからヤマブキという名前なのかと想像するが、正確なところは不明。
 黄金色の代名詞である山吹色のヤマブキである。花一つ一つもきれいだが、群がって咲く様は見事。鮮黄色の花は春、4~5月頃に開く。
 高さは2mほど。山野に自生しているものは一重の花だが、八重咲き種もあり、それは民家の庭に多く用いられているそうだ。「そうだ」というのは、私はそういうのを見たことが無い(見たかもしれないが、少なくとも記憶には無い)からである。また、沖縄の山野でヤマブキの自生を私は見たことが無い。沖縄に自生は無いようである。さらに、民家の庭や公園などでも見た経験は無い。写真は園芸店で撮ったもの。

 記:島乃ガジ丸 2006.4.30 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行


ヤドリフカノキ

2017年09月17日 | 草木:低木

 マジムン(魔物、妖怪の類)やユーレイの存在については、「それらが存在する」という確かな証拠を持っていない。よって、存在するとは思っていない。ただ、この世の神秘のためには存在しても良いのではないかとは思っている。
 ガジュマルの老木に住むという妖怪キジムナーに、過去3回ほど襲われている。肩の辺りが急に重くなって、何かが取り付いているのではないかと感じたこともある。それらはでも、実は、体調不良のせいだと心では思っている。マジムンの存在を信じているわけでは、けして無い。

 今年の2月か3月頃だったか、何かが肩に取り付いていると感じている頃のこと。ある日の夜半(丑三つ時という時間だったかもしれない)、ふと、目が覚めた。私のベッドは、頭の上は西向き(10年以上西枕になっている)の掃きだし窓になっていて、右手側は南向きの、一間幅の窓になっている。窓の外で風が強く吹いていた。ざわざわと葉擦れの音が聞こえていた。何か恐ろしい夢でも見ていたのか、少し汗をかいていた。で、寒い間、開けることの少なかった右手の窓を開けた。サーっと風が入り込んできた。そのすぐ後に、暗闇の中から何か黒いモノ、首の異常に長い大きなモノが、熊のように両手を広げて襲い掛かってきた。
 久々に驚いた。オジサンという歳になってからは、キジムナーに襲われた時もさほど怖さを感じなかったのに、この時はまったく、"凍りついた"というくらい驚いた。心臓が高鳴っていた。でも、マジムンの存在を信じたわけではない。

 翌朝、化け物の正体を確認しに行った。おおよその見当はついていた。首の異常に長い、両手を広げた大きな物体は、大家の庭に植えられたヤドリフカノキの木だった。久しく見ないうちに伸びに伸び、茂りに茂っていた。高さ5m以上、横幅6m以上になったこの木は、その一部が私の部屋の窓を襲っていた。密に葉をつけた伸びた枝は、首にも見えるし、腕にも見えるのだ。
 
 ヤドリフカノキ(宿りふかのき):観葉植物・庭木
 ウコギ科の常緑低木。分布は中国南部、台湾。方言名:無し
 シェフレラホンコン、またはホンコンカポックという名前の方がポピュラーかもしれない。そういった名で観葉植物としては売られていることが多いようだ。
 沖縄では観葉植物としてだけではなく、緑化樹木としても利用されている。萌芽力が強いので刈り込みして添景、生垣などにも使える。ただ、成長が早いので、民家の庭には使い辛い。放っておくとどんどん側枝を出し、高さ3mを超えて伸びる。こうなると鬱陶しい。大家の庭のヤドリフカノキも既に手に負えないほどに成長してしまって、もはや手入れは諦めているようだ。
 沖縄のような暖かいところでは花も見られる。が、見るほどの価値はたいして無い。
 
 花
 
 実

 記:2004.11.26 島乃ガジ丸 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行


ヤドリガジュマル

2017年09月17日 | 草木:低木

 先週土曜日、久々の青空となり、暖かそうな陽が差していた。外は暖かそうだが気温は低いみたいで、部屋の中は寒かった。隙間風ビュービューのせいである。焼け石に水のような小さな温風ヒーターで、足先だけを暖めながらHP作成ソフト攻略に精を出した。
 新ソフト攻略は2週間前から(と言っても毎日やっているわけでは無い。日にして3、4日、時間にして10時間くらい)同じ作業を繰り返している。上手く行かないのだ。その作業が大きな壁となって、その先に進めないでいる。マニュアル本のどこを読んでも解決法が見つからない。で、この日も試行錯誤する。2時間やっても光一筋さえ見えない。壁は厚い。2時間もやっていると腹が立ってくるので、その辺りで諦める。

 外は陽光だ。午後、気晴らしに散歩に出た。図書館へ行って借りていた本を返し、そのまま首里の町をブラブラする。沖縄を訪れる年間500万余の観光客、その誰一人としてまず通ることは無いだろうディープな道を歩く。昔ながらのマチヤグヮー(雑貨店のようなもの)がある。朽ちかけた瓦屋根の家がある。昔を思い出す懐かしの風景、気分良し。
 部屋の中が寒かったので、前日と同じ(沖縄の)冬姿、ブルゾンを着て散歩に出てしまっていた私は、途中から汗をかいていた。どこかで休もうと思い、近くに伯母の家があることを思い出した。この道、伯母の家へ向かう裏道であった。細い道なので利用することはほとんど無いのだが、懐かしい感じがしたのは、景色に見覚えがあったからだ。
 伯母の家に着く。1年半ぶりくらいの訪問だが、家には誰もいない。庭に入って、ちょっと休む。しばらく見ないうちに庭の木々のいくつかが変っていた。

 10年ほども前のことだったか、正月だったかお盆だったかも忘れているが、伯母の家に訪れたとき、
 「ガジー(と、実際に呼んだ訳では無い。本名は伏せておきたいので、ガジーとしておく)、不思議な事があるよー。庭のガジュマル(ヤドリガジュマル)が大きくなるのに合わせて、それにくっついている石も大きくなっているさー。」と言う。
     
 伯母の庭にあるヤドリガジュマルは石付きの、当初は高さ50cmほども無く、小ぢんまりと仕立てられていた。おそらく石付き盆栽として作られたものであった。石と樹木の大きさもちょうど良いバランス、岩に樹木がしがみついている感じだったのが、その時にはもう形が崩れ、樹木に石がしがみついているように見えていた。伯母の言うように石が大きくなっているわけは無い。「そんなわけないでしょう」と私は言う。伯母が反論する。暫くあーだこーだと会話した。甥と会話することそのものが伯母の目的なのであった。

 そのヤドリガジュマル、1年半前はよく見なかったので、どうだったか覚えていない。が、今回はじっくりと観た。ヤドリガジュマルは健やかに生育していた。健やかに生育したお陰でしかし、姿は無残。高さ1mを超え、下枝を全て失い、葉張り1mほどの笠形に整形されたヤドリガジュマルは、ただの刈込み低木となり、その根元にちょこんとくっついている石は、もはや盆栽の景色としての意味を全く無くしていた。
 
 ヤドリガジュマル(宿り榕樹):生垣・刈込・添景・盆栽
 クワ科の常緑低木。分布は日本、台湾。方言名:無し
 『新緑化樹木のしおり』にはヤドリガジュマル、別名マルバガジュマルとあり、『沖縄の都市緑化植物図鑑』にはマルバガジュマル(丸葉榕樹)とある。どちらが正しい和名なのか判断に迷うが、沖縄のことなので、どちらでも良いということにしておこう。
 枝は匍匐する。分枝が多く自然に盆栽形になると文献にはあるが、割と暴れる。年に1回程度は剪定して形を整えると良い。そうすれば確かに盆栽形に作ることができる。自然に放っておいても高さは1~2m程度しかならないので、庭木としては扱いやすい。

 記:島乃ガジ丸 2005.1.24 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行