折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

音楽の力~『題名のない音楽会』を見て

2007-10-22 | 音楽
昨日の朝のことである。

トースト、コーヒー、ヨーグルトそして果物と言った極めて簡素なメニューで遅い朝食を食べながらテレビで『題名のない音楽会』を見た。

『題名のない音楽会』は日曜日の朝によく見る番組の一つである。

昨日のゲストは、世界の桧舞台で活躍するわが国を代表するトップ・ミュージシャンの渡辺貞夫さんであった。

この日は、千葉県市原市の小・中学校の生徒180人と渡辺さんが指導している栃木県の青少年ドラム・チーム【エスコーラ・ジャフロ】とのコラボレーションである。

リハーサルでは、最初のうち緊張気味だった子供たちの気持ちを、渡辺さんは、その気さくな人柄とサックスの演奏でしっかりとつかんで、見る見る子供たちが打ち解けていく様子がテレビ画面を通じてはっきりとわかった。
目の前で演奏する渡辺さんの『オーラ』に魅入られたように目を輝かせて聴き入る子供たちの真剣な表情には、渡辺さんへの尊敬の思いがはっきりと見て取れ、そんな画面を目の当たりにすると、この子供たち一人一人に『天使』が宿っているように思えて、こちらが癒されるようであった。(そこには、『いじめ』で見せる『悪魔』のような気配は、微塵も見えなかった)

そして本番では、子供たちはすっかりリラックスして大きな声で、明るく、力いっぱい歌う顔に笑顔がはじけ、体が自然にスイングし、歌うことが楽しくて、楽しくて仕方ないという気持ちがテレビの画面から溢れ出ていた。
そこには、周囲に迎合するような作った笑顔でなく、子供たちの正真正銘、本物の笑顔があった。

渡辺さんも子供たちと一緒になって、それは、それは楽しそうにサックスを吹いていた。
その姿を見ながら、渡辺さんもきっと子供たちのはつらつとしたエネルギーをいっぱいもらって自分のエネルギーにしているんだろうなと感じた。

『みんな【音】を【楽しんでいる】みたいね。こう言うのを本当の音楽って言うのじゃあないのかしら』

一緒に見ていたかみさんがコメントする。

『本当だね』と短く応じる。

テレビの画面を見つめながら、いつしか目頭が熱くなっていた。

そして、渡辺貞夫という一人のアーチストがもたらす影響力の大きさ、すごさを身近に感じて、心から感動した。

次回も今回の続編とのこと、放映が楽しみであり、待ち遠しい。


日曜日の朝のゆったりとした時間の流れの中で音楽がもたらしてくれた至福の時間であった。