朝一番で小生の前の内線電話が鳴った。
社長からだ。
「おはよう。家の新築おめでとう。今日は、一緒にプレゼントを買いに行こう。」
「そんな、とんでも、ございません・・・・・。」
「では、昼休みに。」
「・・・・・・・。」
<新築祝いに頂戴した置時計>
昼休み
社長の秘書が呼びにくる。
「社長が車寄せで、お待ちです。」
「ええ、本当。」
上司のS課長、「早く行かなきゃ。」
大急ぎで車寄せへ、そして車は伊勢丹へ。
伊勢丹にて
「何か欲しいものはないかね。」と言われて、困ってしまい、モジモジしていたら、
「置時計にされたら。」と伊勢丹の外商担当のMさんが、見かねて声をかけてくれた。
それまでも、家電売り場、紳士服売り場とあちこち歩き回った末のことである。
「でも・・・・。」
「置時計か、いいね、うん、それにしよう。遠慮は無用だよ。家を建てるのは、男の一生の仕事で、誇るべきことなんだから。」
「でも・・・・。」
折角のご厚意なのだから、と再度Mさんからの助言。
そして、結局はこの置時計を頂戴したのだが、帰り際に、Mさんが小生に話しかけた。
「社員の新築祝いを買いに、社長がわざわざお見えになるなんて、見たことも、聞いたこともない。」と。
<結婚式の時に、頂いた時計>
この時頂いた置時計と結婚式のお祝いに頂戴した時計は、以来ずっとわが家の宝物、「家宝」となっている。
今から25年前、小生が入社以来15年間にわたりお仕えし、偉大な経営者として、また、滋味溢れる一人の人間として、心から尊敬し、お慕いしてやまなかった創業社長との、忘れえぬエピソードの一コマである。
その、創業社長がお亡くなりになって今年で19年になる。
社長からだ。
「おはよう。家の新築おめでとう。今日は、一緒にプレゼントを買いに行こう。」
「そんな、とんでも、ございません・・・・・。」
「では、昼休みに。」
「・・・・・・・。」
<新築祝いに頂戴した置時計>
昼休み
社長の秘書が呼びにくる。
「社長が車寄せで、お待ちです。」
「ええ、本当。」
上司のS課長、「早く行かなきゃ。」
大急ぎで車寄せへ、そして車は伊勢丹へ。
伊勢丹にて
「何か欲しいものはないかね。」と言われて、困ってしまい、モジモジしていたら、
「置時計にされたら。」と伊勢丹の外商担当のMさんが、見かねて声をかけてくれた。
それまでも、家電売り場、紳士服売り場とあちこち歩き回った末のことである。
「でも・・・・。」
「置時計か、いいね、うん、それにしよう。遠慮は無用だよ。家を建てるのは、男の一生の仕事で、誇るべきことなんだから。」
「でも・・・・。」
折角のご厚意なのだから、と再度Mさんからの助言。
そして、結局はこの置時計を頂戴したのだが、帰り際に、Mさんが小生に話しかけた。
「社員の新築祝いを買いに、社長がわざわざお見えになるなんて、見たことも、聞いたこともない。」と。
<結婚式の時に、頂いた時計>
この時頂いた置時計と結婚式のお祝いに頂戴した時計は、以来ずっとわが家の宝物、「家宝」となっている。
今から25年前、小生が入社以来15年間にわたりお仕えし、偉大な経営者として、また、滋味溢れる一人の人間として、心から尊敬し、お慕いしてやまなかった創業社長との、忘れえぬエピソードの一コマである。
その、創業社長がお亡くなりになって今年で19年になる。