グッチーの日本寸評

「わが日本を少しでもいい国、住みたい国にしたい」との思いから日本の政治、経済、世相を自由気ままに評論する。

芥川賞受賞作を読む

2012年02月18日 | 日記
「選考委員が卒倒するといけないので(芥川賞を)受け取っといてやるか」発言で話題を呼んだ著者に惹かれて受賞作となった「共喰い」を読んでみた。
著者は工業高校卒業後定職にもつかずいわばニート暮らしを続けた上で著作に励みようやく受賞にこぎつけたのだが噂に違わずなかなかの感性と文筆力である。
母子家庭育ちで経済的には必ずしも恵まれた生活とはいえなかったようだが氏の才能はどうして育まれたものだろうか。
「源氏物語」は5回読破(原本、現代語訳)、ほかに川端康成、三島由紀夫を愛読していたと聞くがやはり読書量と鋭敏な感受性は必須条件であるに違いない。
それにしても今回の作品の内容は一言でいうと暗い。
率直に言って周囲に本書を勧めたいという気にはならない。
「芥川賞とは一体何だろう?」「純文学とは何のためにあるのだろうか?」という思いに今とらわれている。