toboketaG の春夏秋冬 

雑文、雑感、懐古話そして少しだけ自己主張。
土曜日をベースに週1~2回の更新が続けられればと思っています。

383-300505山歩きと二本の映画、一冊の本で過ごしたGW

2018年05月05日 | 小説・映画・など

 ゴールデンウイークは現役諸兄にとっては貴重な豪華連休。申し分ない

季節、家族サービスに励んでおられると思う。私にはそんな時期も遥か

昔の思い出となってしまった。ほぼ毎日がお休みである身には特別な意

味はない。それでも現役諸兄がそろってお休みを楽しんでいると思うと、

やはり普段とは違う。

 

連休の初日と最終日に同じ地域の日帰り山歩きを楽しむ。初日はブログ

でふれた上信国境の余地峠を訪ねた。概ねの地形は頭に入ったので、今

日あるいは明日はそこを起点として県境を北に辿り、「海からいちばん

遠い地点」を群馬県側からを踏むことを計画している。無事にをそこを

踏んできたら番外編として記してみたい

 

さて、

初日と終わりの山歩きの間、二本の映画と一冊の本で私なりには充実し

日々を過ごした。

 

先ずは映画。一本目は「ラーメン食いてえ!」当地に50年は続いたと

思われる清華軒というラーメン店の味を孫娘が引き継ぐお話。この店は

2年前に後継者がおらず、惜しまれながら店をたたんだ。店を知った40

年前から月に1度は通って伝統的なラーメンを味わってきた。跡継ぎを

期待された息子は漫画家なる。彼の手になる漫画が映画化された。何度

も暖簾をくぐった今は閉鎖された店の厨房や客席が登場し、懐かしい。

ストーリーも映画ならではの迫力場面が登場する。キルギスの荒涼とし

た平原、事故で怪我を負いながらも生き延びた料理評論家(彼はかって

ここのラーメンを食べ絶賛している)が、生還を目指して荒野を必死

さまよう。死を覚悟して叫ぶ「ラーメン食いてえ!」。そして力尽く。

上空にそれを狙う猛禽類が旋回する。その直後幸運にも遊牧民に救出さ

れる。この独白が題名となる。

 

そして、

一日おいての二本目の映画が「ウィンストン・チャーチル」。

ご存知大戦時の英国首相。映画の大画面いっぱいに英国議事堂の内部が

大写しになり、チェンバレン首相の後任者選びの場面。怒号が飛び交う。

立体音響でその迫力が凄い。議会制民主主義のお手本として英国議会は

各国が制度を模倣した。本家である英国議会の論戦をまじかに初めて見

た。我が国議会の激しい、時には品位のない言葉やヤジにの困ったもの

だと思っていたが、そんなレベルでない。栄光ある英国が国家存亡の危

機にある、どうこの難関を突破するのか、議員の真剣さが怒号のやり取

りとなって伝わってくる。攻勢を強めるドイツ軍に追われて30万の英

軍はドーバー海峡のフランス側の都市ダンケルクに追い詰められる。ヒ

トラーと和平交渉か徹底抗戦か、護衛もなく地下鉄に乗ったチャーチル

は乗客の生の声を聴く。

「 独裁者にひれ伏すよりも徹底抗戦だ。 Never !  Never! 」

リーダーの決断が下される。徹底抗戦だ。英国中の民間船が徴用されて、

英軍は海峡を渡ることができた。この攻防戦が1940年(昭和15年)

7月のこと。 その5年後ヒトラーのドイツは崩壊する。

 

そして読書。

冬至は一年で昼間の時間が一番短くなる。それは北にいくほどそれが顕

著になる。ノンフィクション作家角幡唯介は言う。地理的な探検はもう

地球上には残っていない。未知の大陸も、未知の部族も未知の山も海も

でに無くなっている。何か未知なる探検はないか。氏が行きついたの

が、闇。

北緯80度近くまで北極に近づくとそこは冬至を挟む前後一ヵ月近くは

太陽の光が届かない暗黒の世界が拡がる。満月の時期ならばかろうじて

月明かりが弱い光を落とすがすぐに月は欠けてゆく。そうなると24

間深い闇が支配する世界となる。地上の生命ある万物、少なくとも哺乳

類は光があることを前提に生命が維持されている。24時間闇が続くと

肉体も精神もいろいろな異常現象が起こる。デンマーク領のグリーンラ

ンドの最北部を一匹のエスキモー犬を連れて70日かけて歩き、その闇

を体験する。戦うのは闇だけでない。極寒や凶暴な暴風、シロクマや狼

の来襲、不足していく食糧そして孤独。危機を乗り越えて帰還する。

その旅で起こることを詳細に記したのがこの本。探検に相応しい未知の

領域だ。GPSや衛星電話は使わないはずだったが、最終局面ではこうし

た機器を受け入れざるを得ず。半分自嘲気味に語るが、その辺りは著者

の人間性が滲みでた場面だった。

 

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