かかりつけの近所の先生に診察をうける。といっても年齢相応の高血
圧と不眠症の薬をもらうだけ。型通りの診察の結果は特に問題なしと
のご高診。
待合室で待つ間に週刊新潮のページをめくる。スマップの解散劇を取
り上げたり、小池新都知事の話題などなど、最後に近いページの写真
に引き付けられる。 ↓ がそのページ。
引き付けられたのは事実だが、最初はなんだかよくわからなかった。
右ページの解説を読んでこれはすごいと思い、スマホで撮影した。
京都の東寺にある仏像の一つであり、暖をとるための火の不始末で
お堂が燃え中の多くの仏像は焼滅した(昭和5年のことのようだ)
が、この木像は黒焦げになるも表面が炭化したでけで済んだ。戦後
合成樹脂を注入して境内の食堂(じきどう)に現在まで保存してあ
るという。
なんという力強さか・・
上野氏の説明によれば、この焼損仏は焼ける以前は国宝だったよう
だ。ここまで焼けこげながらも1000年の時を経た荘厳さが失わ
れていない。むしろその印象が焼けたことにより強まったとも思え
る。名も伝わっていない製作者もよもやこんな姿に変わってまで
人々に訴えるとは思っていなかっただろう。
今週は天候に恵まれずに外出の機会はぐっと減った。代わりに落ち
着いて本を読める。もしこの楽しみを持ち合わせていなかったら、
なんの刺激もない、つまらない毎日を送らなけらばならなかったと
本に感謝する。
赤城毅著「八月の残光」を読む。不可侵条約を一方的に破棄して満
州に攻め入ったソ連軍。その補給路を断つべく飛び立つ3機の戦闘
爆撃機「流星」。任務はハバロフスク郊外のアムール川にかかるシ
ベリア鉄道の鉄橋の魚雷による爆破。よくある戦争美談とも言えな
くはないが、本の表紙の「流星」の機影が素晴らしい。こんなスマ
ートな機体(ガルウィングという)を当時の日本は作っていたのだ。
多くの無念の戦没者には甚だ不謹慎な物言いだが嬉しくなる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます