日本の誇るべき総合雑誌である。スーパーにも置いてあるし、平積みされているのをみて、地域の人間として、ちょっと鼻が高くなるような気分がある。
多彩な記事、多種多様な人材が、まとまりのある読み物を提供してくれる。芥川賞受賞作品「冥土めぐり」は、また、新しい感覚を与えてくれた。身近にサンプルがあって、主人公の「成長」に共感を覚える。
立花さんのお母さんの手記は、鮮烈であった。ご家族の雰囲気も感じられて、やはり「いい人はいいね。」と素直に思える。
小沢氏の素顔にも、迫っている。周囲の人の「人生を狂わせる」という意味の一端が理解できる。集金力に長けた、古いタイプの政治家のイメージが浮かんでくる。
時代は、原発を巡って、目覚めた市民達の行動がホンモノになりつつあることを示している。庶民は、バカではない人が増えてきている。
ポピュリズムがどうのこうのというが、ヘンなカリスマに、動員されてしまう人々ばかりではないのである。それは、「文芸春秋」が読者をもち、ちゃんと「生きていること」で証明できている。
堺屋さんが、言うように、世の中が推移すれば、いいなとは思うが、移民の人が増えて、新しい価値観を育み、よき人間社会を、実現するには、一段の視野の拡大と意識のレベルアップが必要になるだろう。