チュニジアで、革命が起こった。しかし、民主化はスムースにはすすんでいないようだ。圧制がながく続き、どうしても、集団での意思決定について、習熟していない。信頼できる人が誰かが、はっきりしない。無理もないことである。
今、いろんなことが語られるべきだろう。何が大事か。日本のように、民主化ができている国のように言われているけれども、その内実はどうだろうか。
本当の意味で、弱者に味方する政権は、今までなかった。戦後、民主化されたといっても、それは、金持ちにとって、有利な制度であり、弱者は、管理し、懐柔の対象であって、主人公ではなかった。
今回、初めて、民主党政権が誕生して、不充分ながら、いろんな風景が見えてきた。しかしながら、民主党は、一枚岩ではもちろんない。小沢氏は、旧来からの政治権力をとるやり方であり、利権と結びつきながらの考え方であり、政治的に国民が一人前となって、主権を行使するという考え方ではない。
鳩山さんは、恵まれた財政事情を背景に、個人資産を背景に、政治勢力を育ててきた。友愛の理念は、いいとしても、そこには、本当に、弱者の側に立つという明確さは、ない。
アメリカ流の弱者切捨て社会、金持ちのための自由、こういう社会が、究極のものとは、到底思えない。ビジネスとして、戦争をしかねない態勢。儲けのためには、なんでもありの自己本位の体質。こういうものを、いかに、駆逐していくかが人類の課題として、出てきている。
国民は、自前の考えを持たなければならない。ゴマカシの哲学、考え方から自由にならなければならない。本当のモラルを獲得しなければならない。
そうでなければ、政治家の質も変わらない。国民の質にみあう政治家があらわれるのであって、政治家だけの責任に帰すことはできない。