視野を広げてみると、宇宙の場で、すべての星は、浮かんでいる。そして、その位置は、とどまることなく、猛烈なスピードで、動いている。
日常生活は、地球の重力にとらえられて、浮かぶ体験というのは、特殊だけれども、大きくみれば、浮かんでいるのが、常態であり、本当の世界といえる。
そして、星同士は、相互の距離を変えながら、その場にとどまっていることはない。すべては、動いている。
全体として、浮かびそして動いている。
このなかで、我々は、さまざまな事件に囲まれながら、生きているのだが、こうした全体状況を、いつも意識しているわけではなく、日常の、自分をとりまく状況のなかで、日々を暮らしている。
日々、緊張と戦いの連続という人生もあるだろう。憎しみと悲しみの生き方もあるだろう。そして、自然との豊かな関係のもと、暮らしている人、自然の存在を意識することもなく、コンクリートジャングルのなかで、数字を追っかけている人もいる。
天文の世界は、日常生活のさまざまな事情と、どう関わりあうのだろうか。宇宙の存在の実態、形態、歴史をしることで、日常生活に対する姿勢、考え方に影響があるとすれば、それは、間違いなく、「いい方向」だと思いたいのだが、そうはいえないような、破綻も考えられる。
破綻しようが、うまくいこうが、どっちみち大したことではない、という風になると、人間は、破綻へ向かうのか、それとも、共生することができるのか、どちらへも行けそうだが、ヘンテコ政治家たちは、おそらくは、宇宙のことなんぞ、無関心ではないだろうか、とも思える。